後伏見院 月もみず | わたる風よりにほふマルボロ

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美しい和歌に触れていただきたく。

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『源氏物語』を使った心理学講座。

次回講座は12月1日

空蝉の人生を題材にします。

その後のスケジュールはこちらです。

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おなじこゝろ(九月尽)

 

月もみず風も音せぬ窓の中(うち)に秋をおくりてむかふともし火

 

後伏見院

風雅和歌集秋下714

 


 
【口語訳】

明日より冬を迎えるこの夜、

月も見ず、

風も音を立てない窓の内側に

私はいて、

秋を見送る心ひとつに

ただ灯火に向かっている。

(訳:梶間和歌)
 

 

【本歌、参考歌、本説、語釈】

 

月もみず嵐も聞かずのどかなるみ山の庵の夜すがらの雨

伏見院 伏見院御集

 

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『風雅和歌集』秋下巻の

巻軸(巻の最後)の歌です。

 

明日は立冬。