藤原俊成 おきあかす | わたる風よりにほふマルボロ

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千五百番歌合に、初冬のこころをよめる

おきあかす秋のわかれの袖の露霜こそむすべ冬や来ぬらむ

藤原俊成
新古今和歌集冬551


 
 
【口語訳】

翌日より冬となる長月最後の昨晩、
行く秋を惜しみ起き明かしていたら、
我が袖にも露が、涙がしとどに置き、
ともに夜を明かすことになった。
その袖の露は、朝には霜と結んでいて。
この一晩のあいだに
冬が来てしまっている
ということなのだろうか。

(訳:梶間和歌)


【本歌、参考歌、本説、語釈】

おきあかす:「起き明かす」だが、
 露「置き」を掛ける。
 
露:涙のこと。

霜こそむすべ:
 ここでは逆説の意味はなく、
 強意と捉える。

冬や来ぬらむ:
 冬が来ているのだろうか、
 冬が来てしまっているのだろうか。
 「や」を疑問の係助詞と捉えると
 このような意味になる。
 ただ、文中に用いられる例は
 あまり見ないが
 詠嘆の「や」であると捉えると、
 「冬が来たのだなあ、来ていたのか」
 のようなニュアンスになり、
 こちらのほうが自然とも読める。
 例えば、
 『源氏物語』「花宴」での朧月夜の
うき身世にやがて消えなば尋ねても草の原をば訪はじとや思ふ
 の「や」は疑問や反語ではない。


 
 
『新古今集』冬部巻頭の歌。
 
2019年は本日8日が立冬です。


辞書や先行研究は
もちろん参考にするのですが、

原語で対峙した時に
「ここは、こうは読めないよなあ」
「これは、こう言っているよなあ」
と確信するものもあります。

あんばいですね。


おきあかす秋のわかれの袖の露霜こそむすべ冬や来ぬらむ

 

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