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和歌を学ぶ「歌塾」
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作品掲載
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五十番歌合に時雨をよませ給うける
夕ぐれの雲とびみだれあれてふく嵐のうちに時雨をぞきく
伏見院
【現代語訳】
夕暮れの雲の飛び乱れ、
そのように荒れて吹く嵐。
そのあいだ、身じろぎもせず
じっと時雨の音を聴くのだ。
嵐ではなく、風ではなく、
時雨の雨の音を。
(訳:梶間和歌)
【本歌、参考歌、本説、語釈】
時雨:晩秋から初冬に掛けて
降ったり止んだりする
冷たい雨
『玉葉集』当代歌人の歌も
そろそろ紹介したく。
自身も優れた京極派歌人であり
『玉葉集』撰集の下命もした
伏見院の時雨の歌です。
京極派歌人による「ぞ」の多用は
かなり気になる、
と以前述べましたが、
この歌に関しては……どうかな。
ほかの表しようもあったか
とは思いますが、
「時雨をぞきく」が致命的に
失敗であった
とも言いません。
ほかの何かをするでない、
ほかの何かを聴くでもない、
時雨をこそ聴くのだ、
ということでしょうから。
ただ、
京極派和歌が複数並べられた
場合にはどうしても
「ぞ」を、特に結句で用いた
多くの歌にこの歌も混ざり
埋没した印象を与えることが、
避けられないかもしれませんね。
夕ぐれの雲とびみだれあれてふく嵐のうちに時雨をぞきく
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