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「心の花」2017年8月掲載分（5月提出分）詠草
梶間和歌
抱かるゝことはこの世の華として雲にかくるゝ春の夜の月
月影に匂ふ気配の使はれぬ避妊具の箱は煙草かと見ゆ
低用量ピルの四（よ）錠を二度のめば斯（か）くないのちは流れこそ行け
モーニングアフターピルに出（い）だされし常（つね）の血液はた受精卵
明け初めて月おぼつかなモーニングアフターピルに消ゆる夜の夢
出血のあるまじき日に流れ出づる春の夜の夢春の夜は夢
経血のごとく流るゝ血液のさめても果てぬ春の夜の夢
引き別れ子を恋ふるひとに抱かれし我がうつろなる胎のぬくもり
（のあるものが掲載されました）
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【本歌、参考歌、語釈】
低用量ピルの四錠を二度のめば斯くないのちは流れこそ行け
低用量ピルの四錠を二度のめば：
モーニングアフターピル代わりに
低用量ピルを用いた緊急避妊。
モーニングアフターピルに出だされし常の血液はた受精卵
モーニングアフターピルを服用し
緊急避妊に成功すると
月経血に似た出血が起こる。
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