神から人へ。
人から神へ。
教え伝えて、残してゆけよ。救い広げて、助けてゆけよ。
神の手伝い、続けてゆけよ。
全ての人の精進を、心の浄めを手伝いてやれ。
さにて本日、何を問いたき。
(罪の償(つぐな)いを、どうすべきでしょうか。例えば、人を殺した人は、現世では何を以て償うべきでしょうか。
また、死刑を始めとする、人が人を罰することを、神はお許しになるでしょうか)
では、答えん。
人の世界のいさかい、争い、いつの世にても なくならぬもの。
なれどさりとて、人の常、人の本能、本性ならず。
人とは本来 神に近く、尊き霊性持ちしもの。
なれど雲りて、汚れぬれば、禊ぎも苦難も必要となる。
人の犯せし罪科(つみとが)は、本来ならば人の世にて、人の力で償うべきもの。
なれど適わず、償い切れぬは、あの世の行とし、残し持ち来る。
なれば人の世、現世での、なすべき償い、贖(あがな)いとは、罪を犯して傷つけし、被害者のために、祈ること。
謝り、 悔い、詫び、悟ること。
なれど帰らぬ人ならば、残され苦しむ家族に詫びて、罪の重さと、何故(なにゆえ)なせしか、そを省(かえり)みて、謙虚に見つめ、さらなる精進、誓うこと。
なれどさにては報われぬ。
残りし家族の悲嘆、愁嘆(しゅうたん)。
何故殺され、傷つけられ、かくなる憎き犯人を、許し生かして、受け入れるのか。
家族の苦悩懊悩(おうのう)こそが、神の与えし禊ぎなり。
なれど気付かず。悟り得ず。
己の被害の悔しさのみにて、執着苦悶(くもん)、憎悪怨恨(ぞうおえんこん)。
かくなる地獄に落とされぬること。
その意味読み解く救いのなくば、加害者よりも被害者こそが、あの世に戻りて地獄に堕(お)ちなん。
神の仕組みし罪にはあらず。
その被害者の招きし罪なり。
加害者とても同じこと。
双方共に欠けたる者なれ、罪は互いの結果なり。
なれど人が人を罰する、そもまた神のご意図に反する。
神は許さず、死刑極刑。
暴力、体罰、そもまた同じ。
人の体も神の授けし、慈愛の表れ、恵みなり。
そを傷めるは神への冒涜、反逆、不遜(ふそん)の行いならずや。
神の許せし人への罰は、罪を贖(あがな)うことにはあらず。
犯せし罪の原因なるを、よく振り返り、正してゆくこと。
結果の罪が、全てにあらず。
さらに大きな基盤から、直せ正せの意図なれば。
~神誥記 :今日の話題社: 新装版 (2007/02)ひふみ ともこ より~
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