神から人へ。
神から人へ、伝え残しておくことはなし。
既に終えたり、尽くしたり。
これから後には、そなたから、問うことはなし、少なくなりなん。
これより後になすべきことは、そなたの問いしことを伝えて、広めてゆけよ、教えてゆけよ。
導きゆけよ、示してゆけよ。
そなたの問いの一つ一つと、我等の答えし一つ一つを、残すことなく、広めてゆけよ。
さにて本日何を問うや。
(信仰はどうあるべきか。また、宗教との違いについてお教え下さい)
では教えん。
既に幾たび、教えたれども、再び教えん。役立つならば。
宗教、それは、人の集まり。
一人の神や一人の人を、崇(あが)め敬う集団のこと。
なれば教えは、一人の者や、一人の神に任せられ、他の者、信者は、従うのみなり。
一人の考え、一人のことば、それにて全てが決められぬれば、誤り、間違い、正されず。
ただひたすらの帰依と献身。
少しの疑い、許されず、ただ信ずるのみの、盲信もあり。
盲信、狂信、罪も深まり、神への畏(おそ)れも、敬(うやま)いもなく、ときに、神のご意図と逆の、暴虐(ぼうぎゃく)、反逆、猛進しゆく。
神の真の心を伝える、さなる宗教、今は少なし。
多くの宗教、教団は、神の加護のみ求むるばかり。
現世利益に曇りし心よ。
なれど信仰、そは救いあり。
神への信仰、あやまたざらば、神への感謝を第一として、ただひたすらに真摯(しんし)に生きる、素直に謙虚な魂(たま)を磨かん。
神への信仰あやまちし者、狂いし信仰、そもあるらん。
己の独善、正義心、そは我執なり、迷妄なるを。
他を省みず、己独りの、基準あるのみ、唯我独尊(ゆいがどくそん)。
気をつけるべし、心すべし。
信仰、全てが対象とならん。
物とて、信の対象とならん。
金さえ敬い、尊ぶ者あり。
信仰、そもまた、誤りの素。
己に益するものならば、何にてもよし、構うことなし。
恐ろしきことなり、偽善の信仰。
信仰、全てが危(あや)うからず。
なれど、多くの信仰なるも、己の利益を追うばかりなり。
己の親族、家族のためなら、他との調和も省みず、他をも犠牲にする者ばかり。
よく戒めて、見直すべし。
己の信仰、信の対象。
己の行となしたることを。
~神誥記 :今日の話題社: 新装版 (2007/02)ひふみ ともこ より~
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