(神の国はもう平和に治まっているのですか)
さなり。
何も治まり、憂うることなし。
全て安らか、平穏なり。
(日本におられる神々が最も古いのですか)
さなり。
元の始めの神なれば。
なれどその後新たに生まれ、作られし神も多くあり。
(いわゆる悪い神、邪神というものはどのような神なのでしょうか。また、人間はそのような神とどのように 向き合えばよいのでしょうか)
そもまた当然、もっともなり。
邪神悪神、多くあり。
元に作られ、生まれしときには、悪にはあらず、邪にあらず。
なれどこの世を治めるために、いつか邪なる心が生まれ、この世を我がもの、手中にせんと、勝手な理屈で、真理を乱し、神の経綸、狂わせんとす。
なれどそもまた、神のご意図よ。
邪神も使われ、役割果たさん。
全てが平和で、穏やかならば、この世は伸びず、進歩もなからん。
(なぜ、適度な悪のみ許されなかったのでしょうか)
悪に程度はあらざらん。
悪というは、限りなく、限度も程度も元よりなし。
とどまることなし、分別なければ。
(これから後にも邪神は残され続けるのでしょうか。今も邪神は多くおられるのでしょうか)
さなり。
邪神は、人の心の中に、巣くいて広がり、育つもの。
神の国にはおらねども、残るは人の心の奥なり。
次なる世にも、生まれ現れ、人の心に巣くい はびこる。
完全消滅、そはあらず。
人の心に忍び寄り、心の隙を狙うものなれ、次なる世にも生まれて来なん。
なれど勢い衰えさせて、その繁栄を抑えることも、人の行なり、責ならざるや。
悪をなくすは容易なこと。
なれどさにては、生も意味なし。
神の救いを求めつつ、闘い禊ぎに耐えつつも、悪を抑える、そが行ならん。
さにて。
~神誥記 :今日の話題社: 新装版 (2007/02)ひふみ ともこ より~
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