記事の中で当方の計測限界精度 10万分の1mmと記載させていただいておりましたが 100万分の1mmの誤りです
21日静岡地域放映ということでしたので確認させていただいたのですがこちらの地域での放送は別のものでありこの放送の確認は出来ませんでした
しかしながらお客様よりお教えいただきました説明からまさに蛍光X線分析とは何たるや・・を全く理解せずに闇雲に分析を行っていることが良くわかるものでありました
https://www.tv-tokyo.co.jp/kantei/kaiun_db/otakara/20190716/03.html
今回の判定の決め手は下の通り
1.組成からアンチモンが検出されなかった
2.鉛がかなりの量20%程度という説明(レポートの提示は拒否)
H.P.上では亜鉛が多量検出とありますがこれは鉛の誤りであり事後説明で鉛が20%ほど検出されたと説明を受けたそうです
3.本の横引きが長い
4.何となく銭文がはっきりしない
5.バリ部などに地金が赤色に見える部分があるが1300年前のものでは考えられない
といったものでありました
1.2 については単純に埋蔵銭の分析と言うものを全く理解していないがための誤りであり正しい分析を行えば非破壊であってももっと深い位置での分析が出来、全く異なるデータを得られたはずです
工業製品や近代貨などと異なる埋蔵銭の場合単純に表面組成だけを見たところで正しい判定は困難(それでもデータの蓄積とデータ解析に熟達すれば少なくとも真を贋と読むことはないはずです)
同じ銭種であっても著しくX線分析結果が異なることは
をご覧ください
3 についてですが、これこそが従来の鑑定?私から言わせたら勘定ですね の弱点であり誤判の元凶といえるものです
こうした誤判定を防止するため当方では画像計測システムを使い線の長さ、太さはおろか文字の跳ねの角度に至るまで厳密に計算いたしております{通常1000分の1mmまで(画像からの計測)、、必要があれば1000000分の1mmまでの厳格な計測(現品計測)が可能です}
伝世皇朝銭の多くは加刀修正がございますがこのシステムを使って精査すれば錆を削った際にほんの僅かでも本体に傷をつければ明確にその部位を見つけ出すことができます
(種銭相違、二次銭や修正種銭の使用など本来の個体差は当たり前のことながら、比較検体がなくともその個体の文字修正や傷があった場合も周辺肌の特徴と著しい差がわかりますのでその場所を特定できます)
近代貨の場合同一銭であっても違う金型が使用されていることまでもわかります
しかし現代のキャドデータからレーザー加工された金型を使用した贋作の場合このシステムを持ってしても贋作を見つけ出すことは困難です
それだけ現代の贋作は高度なのです
にもかかわらず未だにルーペと目視、勘に頼っている組織が幅を利かせているのは嘆かわしい事実です
この幅を利かせている組織の誤判品があきれるほど溢れ返っている事実をご存知でしょうか?
大判小判の組合鑑定品の6割超は贋作です
そのうちかなりの数は目視、しかも写りの悪い画像からも明らかな贋作痕跡が観察出来るものがあります
何となく雰囲気で長さの判断を行ったもとの、レーザー計測システムにより10万分の1mmレベルまでの計測を行った結果とどちらがより正確な数値が得られるか、判断は読者様にお任せいたします
4 ですが、クリーニングされた個体と出土ナチュラル(ブラッシングすらされていない個体)を比較するのですから当たり前のことで説明するのもバカバカしいので省略いたします
5 地金部を相応の倍率(100倍程度でも案外わかります)で観察したらそれが鋳造地肌そのままであるのか、または埋蔵銭特有の溶出銅が自然銅として析出再結晶化したものかの判断はできます
さらに高倍率での検証を行うことで地金内部から非常にたくさんの金属成分が溶け出し、あるいは、土中成分と置換された複雑な構造が観察することができ、これはたとえどんなに激しい研磨を受けた個体であっても1000年以上土中にあったものであれば銭中心部にまで変化があるため絶対に消えることのない特徴であります
参考までに何点か画像をアップいたしますので比較してみてください
新物 鋳造構造
新物 鋳造研磨
埋蔵銭構造(酸化皮膜部構造)
埋蔵銭地金無切削部位
↓ 一見いたしますと鋳造地肌そのままのように見えますが実際は上の画像のように再結晶化した自然銅結晶で全体が覆い尽くされている事がわかります
また黒い筋がたくさん走っておりますがこれは皇朝銭など古い時代の埋蔵銭特有の構造であり長い年月土中に埋まっており凍結、溶解など繰り返し金属疲労による微細クラックでありこうした構造も人為的に再現するのは難しいものであります
「 枯れた 」 などと表現されます金属構造です
埋蔵銭溶出構造 ・・・ 鋳造地肌は長い年月をかけ内部からの組成溶出や外部土中組成との置換作用により様々な鉱物に置き換えられた状態でありもはやこれが人工物であることすらわからない状態にまで変化をいたしております
埋蔵銭溶出構造 ・・・ こちらは俗に伝世品と呼ばれます磨き、削り銭文は本来の形を留めないまでに加工された個体の極所画像です
どんなに激しい加工をされたといたしましても1000年以上土中にあった本物の皇朝銭の場合、銭内部までこうした構造が観察出来ます(観察の易難は個体差はございますがかならずこうした溶出構造や他鉱物への置換構造は観察出来ます)
↓
↓こちらの記事でも今回説明させていただきましたことは説明いたしておりますのでご覧ください
★★★延喜通宝、乹元大宝 プレパラート(スライス標本) ★★★
https://ameblo.jp/wadou708/entry-11832557752.html
失敗
https://ameblo.jp/wadou708/entry-11802019588.html
栗東出土 延喜通宝 破壊検査
https://ameblo.jp/wadou708/entry-11796935545.html
組成による鑑定方法
https://ameblo.jp/wadou708/entry-11801403370.html
今回の誤判定で番組を非難するつもりはございません
H.P上でも ※当番組の鑑定結果は独自の見解に基づいたものです。
と明記されておりますし、かつての放送で焼き物鑑定でご出演されてます中島先生が明言されました 「 私が100万円と言えばそれは100万円になるんです 」 ・・・
つまりは 本物であっても私が贋作と言えばそれは価値のないものになるし、たとえ贋作であっても私が100万の価値があると言えば100万円で売れるのです! と説明されていらっしゃった事から本質の追及以上に番組の盛り上がり面白さを優先させるTV番組の性質上仕方ない事と思います
古銭商店に限ったことではないですが現在の骨董商、美術商全般に共通するこうした山師商法に騙されないためにも皆さんもっと現実を知り、万一の際の返品が可能である事の確認を行うなど最低限の防衛線を張るべきです







