「お兄ちゃんになりたい人〜?」
「は〜い!(手を挙げて)」
「お兄ちゃんになりたい?」
「うん、うん(頷きながら)」
こうして、我が家は2月に生後6ヶ月になる、これまた父に似た白くふっくらした女の子を迎えました。
迎えに行った当日、産みの親からその子をあずかる時、なんとぎんがはその子の頭をやさしく、いい子いい子と撫でたのでした・・・。
自分が親になるまで乳児、幼児と接する機会がほとんど無く、1,2歳の子が大人の言うことを理解するとは到底思っていなかった分、大人の言うことをよく理解するぎんがにびっくりさせられる日々で、2人目を迎えたときに拒絶反応を見せるという話を先輩方から聞いていただけに少し心配していたがそれもほぼないようで安心しました。
そんなぎんがでも、やはりまだ一歳半、力の加減はまったく知らないようで、妹が好きで抱きついたりおもちゃを渡そうとしたり。
本人は遊んでるつもりでも、その加減が分からず押し倒したり、馬乗りになったりしてよくギャン泣きさせて私たちも肝を冷やすことがありました。
そんな泣かされっぱなしでビクビクしていた妹も徐々にたくましくなり、兄のちょっとしたイジリには耐えるようになっていました。
そして、桜の花見も笑顔で楽しんだ頃、産みの親の意向でやはり自分たちで育てたいという知らせを受けました。
いろいろ悩んだ末、私の実家の地をその子に感じてもらい、私の両親にも会ってから産みの親の元に旅立ってもらうことにしました。
お別れの日まで、ぎんがには「もうお別れだって。いいの?」など何度も話したり聞いたりしました。
息子は解っているのか解っていないのか「うん、バイバイ(手を振って)」という感じでいた。
産みの親の想いに、私たち夫婦は少し安堵し、ムスメを託しました。
ぎんがは、最後の最後にぎゅっと妹をハグし笑顔でお別れをしていた。
2ヶ月半だけでしたが、その子とぎんが、私たち夫婦、そして周りの人たちに大変大きな影響を与えた出来事でした。
それから数日後。
「お兄ちゃんになりたい人〜?」
「う〜ん(首を振りながら)」
やはり、少し寂しかったようです。
それからというもの、私たちもぎんがも手がかからない分、存分に楽しんでいます。
ぎんがはまだ言葉は発せませんが、色、乗り物、野菜、などなどモノの区別が出来るようになっています。
来年にはベラベラしゃべるようになるのでしょうか・・・。
そして蒸し暑い梅雨の真っ只中。
「お兄ちゃんになりたい人〜?」
「は〜い!(手を挙げて)」
もうすぐなのかもしれない・・・。
また暑い夏がやって来る。