わあい、雪だ雪だー!


わあい、つもれつもれー!!


と言いたいところだが、明日も会社だし、雪つもったら交通機関が麻痺して出荷センターの能力に悪影響が出るので正直あんまり積もるのはやめてもらいたい。


出荷センター止まったら僕はただでさえ遅滞しつつあるタスクを放り出してトラブル対応に勤しむこととなるだろう。


それはやめてもらいたいのだ。


こうやって大人は、次第に無邪気な心を失ってゆくのかもしれない。


だって、もしも小学校の頃みたいに、「雪が積もったので、今日の仕事はお休みにしてみんなで雪合戦をしましょう!」という世の中だったら、雪が嫌いになるわけがないではないか。


やるべきこと、やらなきゃならないことが増えるから、僕らはその邪魔になるものを、嫌いにならざるを得ないのかもしれない。


でも今の僕はまだ、やっぱり雪が好きだ。


降雪に煙る夜ほど、街灯が美しく見える時はないのである。


どうも、においの魔術師ことジーゲスゾイレでございます。

今年に入ってから異臭の話しか書いていないというこの徹底ぶり。

さすが魔術師。

ちなみに僕は生来、朝シャンをすると手がドクダミのにおいになる、という特技を持っている。

まさしく魔術師。

でも僕は、においフェチには共感しない。

においを嗅いで何が楽しいのか理解できない。

まあ、わからないのも無理はないのだ。

僕はあくまで発信する側なわけだからね。

言わば異臭界のファッションリーダー。
すなわちにおいの最先端。

つまりは人の服装の真似ばかりしてるミーハーの気持ちをスーパーモデルが理解できないのと同じようなものですよ。

「なんで人のにおいばっか追っかけまわしてるのかわかんない、俺は俺のにおいを出してるだけだし?」的な。



まあそんな、

そんな謎の調子こきに勤しんでみる。

虚無だから。
品川で、すたどんを食す。


僕の大好きなすたどんを食す。


そして、心地よい満腹感とともに、芬々たるにんにく臭を漂わせながら帰途に就く。


明日もまだ会社だけど、気にしない。


だって、磯の香りもにんにくのにおいも、自然の恵みという意味では同じだもの。

マスクから足の裏みたいなにおいがした。


僕の口臭はついに足の裏の域にまで達してしまったのかと落胆していたら、


それはどうやらマスクにこぼしたコーヒーのにおいのようだという事実を発見した。


コーヒーって、マスクに染み込ませて乾かすと足の裏のにおいになるんだね。


まあ、どうでもいいんだけどさ。


そんなことより、「おじさんのにおいするけど大丈夫?」って今日先輩に聞かれた。


23歳まさかの加齢臭。


一ミリも大丈夫ではないです。
平成22年1月1日午前1時30分頃、僕は屁をこいた。

そのとき、「初屁の出」という言葉が僕の脳裏をよぎったが、気を取り直して初詣に行くことにした。



明けましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
当日突然参加させられる合コンとか滅びろ。

クリスマスプレゼント用意とかなお滅びろ!

というか俺の仕事を邪魔する要素は須らく滅びろ!!

滅びろ!滅びろ!悉く皆滅びろ!!
布団の中で、高熱にクラクラしながら、考えた。

こんなふうに僕を苦しめているインフルエンザという憎きウイルスは、一体どんな顔をしているのだろう。

さぞかし憎たらしいブサイクな顔をしているんだろうなあ。もうケチョンケチョンに踏み潰してやりたくなるような顔に違いない。

あーまじ踏み潰ししてえ。インフルぐちゃぐちゃにしてえ。

…いや、でも待てよ。
しかしこういう奴ほど意外にイケメンであったりするのかもしれない。涼しい顔をしていかにもカッコよく僕を痛めつけているのかもしれない。

逆に許せん。
あーもうケチョンケチョンにしてえ。
インフルエンザのイの字とザの字を奪って「ンフルエン」という呼びにくくて中途半端な名前にしてやりてえ。そんで将来的には誰からも本名を読んでもらえなくなればいいんだ。「クソ虫」とか「邪魔」とかそういう悪口で呼ばれるようになればいいんだ。

…いやいや、しかし待てよ。
ブサイクかイケメンかの前に、そもそもインフルとは男なのか?もしも女だとしたら?

そんでそんで、もしもすんごい可愛いお姉さんだとしたら、どうだ?






…。






それは許す。






いや、許すというか、それはもうなんというか、インフルが恋の病であることを意味するのではなかろうか。

胸が苦しくなり、全身が熱くなり、クラクラとめまいがするような感覚。

そう、それはまさに恋!

すなわち、これは一目惚れなのだ!

美しすぎるトンフル子さんに出会って、僕はすっかり彼女にお熱というわけなのだ。

そうだ。
そう思うことにしよう。

この苦しみも恋の苦しみだというのならまあ諦めもつくではないか。

うんうん、そうだそうだ。






…。






という完全に熱にやられている感じの文章が、携帯の未送信フォルダに残っていた。

無理あるでしょ。
39.5℃はお熱過ぎるでしょ。

なに?何なの?
どんだけ前向きなの?
たとえば会社でエレベーターに乗った際、たまたま他の人がいなくて、エレベーター内に自分一人であったとしよう。

それは、会社にあって数少ない、一人きりの時間である。



そんなとき僕は、誰もいないのをいいことに全力で気持ち悪い踊りを踊る。

ここぞとばかりにニッチな歌を歌う。

あらん限りの力を尽くして変な顔をする。



山積する業務。

気付けば遥か昔に過ぎ去っている定時。

残業に付随する先輩上司との飲み会。



叱責、激励、自己矛盾、

抑圧、葛藤、自己主張、

不安安楽落胆嘆息

パパスビアンカボロンゴヘンリー

クリリンピッコロベジータグルト

半捻半搦龍之口

夜討ち朝駆け真昼の決闘

真っ赤な夕日に明けの残月

走る雑踏佇む街灯

蒼い満月夜の友

空を見上げりゃ星は光れど

寒風飄々頬を打つ

夕べに笑い

朝に泣き

ただ繰り返す毎日の

それでも乗り込む満員の

列車の中の吊り革の

助けにすがる脆弱の

住みたる我が身を嘲笑す

希望、失望、自己欺瞞

自問、煩悶、自己嫌悪

栗のケーキに青い空

うんこ、うんこよ、嗚呼うんこ



連日深夜1時に帰宅し翌5時起床。

一人だけの時間なぞ、もはや夢かうんこかエレベーターの中にしか見いだせない。

そんな毎日の中で生まれてきたものは、社会人でありながら敢えて社会性を逸脱しようとする指向性であった。

そう、エレベーターの中の僕を駆り立てるところのものは、一重に、決して現状を是認せぬという反骨の志のみである。



似たような毎日を送っている皆さん。

僕と一緒に、ひとりエレベーターの中で社会に反抗してみないか?

みんなで道を踏み外そうぜ。
AM8:30。
台風18号の直撃により、折から徐行を続けていた電車が蒲田にて遂に止まる。ここに公然の正当性を有した遅刻が成立する。

空は清々しく晴れ渡っているが、風は凄まじい。
僕の最も愛する天気である。

AM8:40。
蒲田のマックに入る。
朝マックというものがこんなに美味しいものだとは知らなかった。マフィンとコーヒーで一服する。

AM8:55。
うんこへの強い欲求を感じ始める。マックのトイレは満杯の様子。もうちょっとゆったりしていたかったが、背に腹は代えられないのでマックを後にする。

AM8:56。
コンビニを見つけるもトイレは清掃中。コンビニを後にする。

AM8:58。
蒲田駅に戻る。戻ると、池上線は運行していることが発覚する。
トイレを見ると長蛇の列となっている。池上線で迂回すれば会社まで行けることになるが、背に腹は代えられない。駅を後にする。

AM9:00。
さっき清掃中だったコンビニに戻る。
うんこへの欲求は渇望へと姿を変え、猛烈なパトスが僕の脳天から爪先までを駆け巡っている。
幸いにも清掃は終わっていた。しかし、うんこの先客がいるらしく、若者が一人トイレの前にならんでいる。

AM9:05。
まあ一人くらいなら待つか、と思い待ち始めてから5分が立つが、まだ最初に入ってたやつが出てこない。パトスは相変わらず全身を駆け巡っているが、ここは辛抱である。

AM9:10。
それでも先客は出てこない。いったい中で何をやっているのだ。

AM9:12。
ようやく先客が出て来る。
いつのまにかコンビニのトイレには長蛇の列ができている。まあ「すいません」と言ってるし、許してあげよう。きっとゲリスであったのに違いない。
僕の前に待っていた若者は念願のうんこにありつくこととなった。

AM9:17。
まだ若者は出てこない。パトスはいつしか妄執へと姿を変え始める。どいつもこいつもうんこにいったいどんだけ時間をかけているのだ。まったくもってうんこの作法がなっていない。ゲリスならまだしも、男なら小便が出終わるまでに大便も済むというくらいでないと本物ではない。

ところで僕のうしろに列んでいる青年の仕草が気になる。彼は妙にモジモジしはじめている。やばいのではないのか。暴発してしまうのではないのか。

AM9:20。
ようやく若者が出てくる。僕は妄執の果てにそれがいつしかうんこへの愛であることに気付き始めていた。やっと君に逢える。ずっと片思いをしていた君に。

AM9:22。
とは言っても後ろに列んでいた彼のことが気掛かりだったので、僕は男子の本領を発揮して2分でトイレを出ることに成功する。スーツを脱いだり着たり尻を拭いたり手を洗ったりを含めてのことなので、実際うんこに要した時間は30秒に満たないのは言うまでもない。これぞうんこの作法である。
列んでいた彼は、僕が出ていくとホッと救われたような顔をしてトイレに入っていった。
またひとり人を救うことができた。

AM9:37。
池上線に乗車する。いつの間にかこんな時間になってしまった。考えてみると、僕がマックでまったりしている間もトイレで真の愛とは何かに気付いた時も破裂寸前の青年の大腸を救った時も池上線は運行していたわけで(うんこだけに)、会社の人にそこを詰問されたら返答のしようがない。

当初は池上線の存在に気付かず、気付いた時にはうんこ的によんどころない状況に陥っていたとしか言いようがないわけで、もはやこれは台風による遅刻なのかうんこによる遅刻なのかわからないのである。

まあ、人生上には白と黒に決着できない問題が数多あるわけで、この問題もそのひとつ、言わばどちらでもあってどちらでもないということが真なのだ。そうだ、仕方がなかったのだ。

AM11:08。
紆余曲折を経て、職場の前にようやくたどり着く。

高い空、強い風、朝マック、そして、うんこ。

非日常の時間が齎していた不思議な安楽はいずこかへ去り、山積する仕事の存在が突如として意識下に現出する。

すなわち、今日は忙しくなるということだ。