お蔭さまで、一部残念に思った方がいらっしゃるかも知れないけれど、なんとか無事に目を覚ました。
自分の生年月日は何百回も書くせいか、名前の漢字みたく数字自体に愛着が出てくる。私の場合37、5、26である。それが海外だと26,May’62で2と6ばかりになる。ちょうど26歳の時たまたまカナダに行き入国やら査証の延長やらで度々書いているうち、自分のラッキーナンバーのような気になった。
その冬、ガイドが暇な時期に、知り合いの店でウェイターを手伝ってくれと頼まれる。シドニー時代の話を憶えていたらしい。で、ウェイトレスに「イヴ・モンタンみたい」と言われた。
少し前に『ギャルソン』という映画が封切られイブ・モンタンがウェイターをやっていたのだ。褒められたつもりで照れていたら、後にイジられていたと判明する。公開時の彼は62歳であった。「誰が62だよ!俺は26だっつーの」。
62歳になるとは思わなかったが、60で赤ん坊に返るというし、62の坊や(ギャルソン)だっておかしくはあるまい。
今年から少年になろう。頭はずっとそうなので心もね。