幸福の黒い▽▽▽ | 一合野郎の覚書

一合野郎の覚書

   ー うめすけ ブログ ー

 我が家の北方は台地になっていて、斜面は樹木に覆われている。今の季節は日毎に緑が濃くなり、強い風が吹いてザワザワ揺れる度に、みんな生きてるんだなぁと仲間意識を感じたりする。

 ここまでは平和な話だ。それが昨日、一週間ぶりのお日様に喜んでコーヒーを飲みつつ眺めていたら、視線を感じた。数件おいた先のマンションで洗濯物を干している女性がいた。これが見事に黒ばかり。離れていても警戒している雰囲気が伝わってくる。

 距離があり何を干していらっしゃるのか分からないが、ズラッと黒が並んでいる。特に目立つのは、かの「幸福の黄色いハンカチ」状態で、小さな同じ形がたなびいている光景だ。

 南のベランダで干している人に台地の樹木は見えないので、「新緑を愛でて微笑む紳士」と「洗濯物を眺めてニヤつく親爺」の区別がつかない怖れがある。

 命知らずの泥棒がやってきたり、カラスが親しみを覚え持っていってしまったら、私が疑われるかもしれない。そして警察に通報され、賽銭窃盗疑惑の映像と照合されるかもしれない。冤罪はこうやって作られていく。賭け麻雀などやらない堅い人が検事長に着任して実刑になったらどうしよう。籠城の毎日でアリバイを証明してくれる人はいない。