いつもの南町田レーシングパラダイスで USRRCシリーズ、ラウンド2

参加者も先月の "REDLINE7000"では少なかったが、今回エントリー9名に加えビンテージ会からプラス2名のご見学もあって賑わった。

今回、我がワークスは様々なセッティング対応すべく、設定違いのアナログコントローラ、USRRC専用セッチングパーツBOX持参で臨んで気合は十分?

 

先ず記すべきは< 魔の7コース >。

と言うのも、60年代の昔から完全スティディなイコールコンディションはあり得ないスロットカー、

如何に各レーンに対応できるかが勝負の分かれ目なのだが、攻略のキーになったのは奇しくも 同じ7コースだからだ;

 

70年代活躍されたチームリバーサイド(五反野でなくトドロキの方)の佐藤康郎氏や同じくシャーシ制作のレジェンド武田氏も”似たりよったりで抜きん出たクルマは作れない” が ”当日のサーキットのコンディションに合わせられれば勝てる”と仰せだった。

今や、スロットカーにおいても供給電圧がデジタルチェックできるが(インジケータ上で同じハズでも)コースの上は一様ではない。

プログラムの中の条件で有限のコマンドに支配されている画面の中だけのTVゲームとは全く違う。

現実空間に存在するスロットカーは、そのコントロールはAIで処理できないからこそ、楽しみもあるのだ。

 

実は7コース、今年正月のストックカーレースでは滑りやすいだけかと思っていた。

Ref.⇒ 60sスロットカー<レッドライン7000 2024.01 >  (ameblo.jp)

また前回のUSRRCでは給電編線のコンディションに少々難があった。

Ref.⇒ 60s スロットカー<USRRC-Rd.1>  (ameblo.jp)

 

今回は見た目でもある程度わかるような、例えば編線の乱れとか路面コンディションなどでなく、そう単純ではない。

実際、私の275Pはバンクで3回もコースアウトしてしまったが、KD氏のコブラは全く違う場所で4回もコースアウトしていて(バンクより10数メートルも先のバックストレート手前のS字)、またインフィールドで数度コースアウトを繰り返した方も..同じレーンなのにクルマとの相性か?その影響も場所も様々だった。

 

さて、最初のレースはマブチFT-16クラスから。

自分は今回16クラスには同じモノグラムのボディ/シャーシで2台用意した。

ひとつは20数年前の未塗装ボディのモノで、フロントタイヤをVSCM(旧ビンテージ会)規格の25㎜から23.5㎜まで削り込み(₌1.5㎜小径化)、今までシリコンゴムだったリヤタイヤをバンプロ製ブラックマジックに履き替えた。(ハイポイドギヤを使っているのでリヤは僅かに小さい25.5㎜

もうひとつはリプロシャーシに補強を入れモーターマウント前部を下方に落したものでタイヤサイズは、より小径のF19.5/R22.5㎜としたもので、さらに抵抗の少ない合成樹脂メタルに現行バンプロ製ミリサイズの駆動系、軽量な回転マスは当時モノよりアドバンテージがある。

Ref.⇒60sスロットカー<モノグラム SCARAB>(ameblo.jp)

その2台を3ヒートずつ使ったが、結果はどちらも1位2回2位1回。ファステストラップは小径タイヤの方。

インチホイルでほぼオリジナル+ハイポイドギヤの方は フリー走行時どうやっても12秒を切れず何度もコロコロ転がせてしまったが本番では持ち堪えた。

やはりシリコンタイヤよりグリップが上がった分ナロートレッドのスカラブは横転しやすくなる。

ヘルメットの塗装が剥げてしまう..なんて話しに ”私も同じ” と言うSZ氏のクルマを見せてもらうとラウンド形状が印象的なシリコンゴムタイヤ!

SZ氏コレクション、めずらしいATMのエルバ。ボディ中央のモーター部を盛り上げたボディはタミヤ同様だが、タミヤみたいにドライバー人形の腕が欠けてないのは良い。

モノグラム製スカラブ2台。奥側はSZ氏コレクションでコックピットを作り込んでおられる。手前が私のスカラブ。

 

SZ氏は ”確かに(スポンジタイヤは)速くなるけど、速さよりもメンテが楽だから” と仰せで、一方YM氏は ”ブラックマジックはシリコンより立上りのグリップがいいのでストレートに入った時の加速が全然いい”とのインプレション。

喩え同じことを言っていても 表現や感じ方、そして選択は人其々なんだな、と思った次第。

何れにしても明らかなタイム差から、今後シリコンタイヤが安定供給されユーザーも増えたらレースではハンデ検討もアリかも知れない*

↑YM氏コレクション、ピットマンには昔懐かしいサニーの275LMを使用。

 

*n.B. オーバル/インフィールドコースの場合、例えば、スタート位置をシリコン系がラップカウンター手前、スポンジ系はラップカウンターを超えたメインストレートの”BR-ROM”ゲート下からにすると、3分べストラップがどちらも13周程度になる..かも?

 (60年代当時、東京タワーサーキットや白金レースウェイでのサンデーレースはハンディキャップを頂けたので、スロット経験のない同級生を誘っても共々楽しめた事を思い出した。

 

先にレーン対応が勝分の別れ目、と記したが自分がファステストラップをマークしたのは実は7コース

前のヒート(2コース)で前回ファステストを更新し、これ以上は無理だと自分でも思っていたのだが、魔の7コースが味方してくれたのかも知れない。

その7コースではコースアウトもあってヒート結果は2位だった。なぜか走行途中グッとパワフルになった。ムラのあるような感じで走りづらかったのでファステストを更新したのは自分でも意外だった。

7コースの走行は自分がコケたから言う訳ではないが、TOM氏と私が2位に入ったのがベストで誰もトップゴールをしていない。KD氏コブラに至ってはRPクラスの7コースでホールショットを奪いヒートファステストを出しながらもコースアウトで4ラップダウン。ボウリングでなくても各レーンコンディションへの対応は重要なのだ。

 

リザルト ;

1位: 82ラップ / Mecomスカラブ/KM

2位: 79ラップ / ロータス23/US氏

3位: 76ラップ / ポルシェ356/YS氏

ファステスト : 11.46sec /スカラブ/KM

 

第二レース <RP77クラス

前回金属ギヤを使って、ようやく13秒を切った我がフェラーリだが、同じモノグラム275Pで走ったTOM氏のアドバイスでクラウンを変えてローギヤ―ドに、また回転も上がるようなので今回は右出力にした。

走行前にカラ廻しレーシングでTOM氏に音を聞いてもらったところ、”前後ギヤ音が違うだけで、もしかしたらピットマンは回転方向の違いなんてないのかも”とのコメント。

それでもフリー走行は12秒前半で走れたので、今回イケると思えた。

実際、レースが始まると前回優勝のUS氏と同じべストラップ14周、それにファステストも更新。

我ながら出来すぎの 6ヒート中5ヒートでトップゴール。

が、魔の7コース今回味方してくれず、バンク入口で3回もコースアウト!2ラップダウンのヒート5位。

マーシャルTOM氏が何度も素早いリカバリーをしてくれてなかったら3ラップダウン以上になっていただろう。

結果は、その7コースをコンスタントに走って1ラップダウン2位に収めたKD氏コブラが優勝。私はコブラの後塵を拝しトータル2位で終わった。

F275もタジタジにパワフルなTK氏のポルシェ356、トンネル出口でスピンアウト。

魔の7コース、どころじゃない怪奇現象? 同じスロットレーンに2台走行?

↑YS氏制作のニューカマー、ロータス23ポルシェEng.

タイヤ廻りの造り込みといい迫力さえ感じる。書体は違うが私のメコム-スカラブもゼッケン77、後年(CAN-AM)のマーチと言い、アメリカンに好まれるナンバーだろうか。

 

リザルト ;

1位: 83ラップ / Shelbyコブラ/KD氏

2位: 82ラップ / フェラーリ275P/KM

3位: 77ラップ / フェラーリ275P/TOM氏 

ファステスト : 11.82sec / フェラーリ275P/KM

Cf. コブラのTTL83ラップはべストラップの新記録!

 

最終レース <RP66クラス

USAピットマンの高回転モーターRP66クラス、最初のヒートはKD氏キングコブラが1位。

私は同じ周回数で2位に、次の第2ヒートでは7コースだが前の77クラスで何度もコースアウトしたことからバンク入口ではブレーキングしながら侵入し慎重に走ってトップから1ラップダウン、TOM氏に続く4位でゴールイン。

優勝候補のKD氏キングコブラはスタートから連続2ヒートをトップゴール!

このクラスはやっぱり敵わないな..なんて思えた矢先の第3ヒート、7コースのキングコブラはバックストレート手前で4回もコースアウトを繰り返し4ラップダウン‼

キングコブラは この後のヒート5でファステストを更新しながら14周のべストラップで廻るが魔の7コースでのラップがたたり、優勝候補はUS氏のポルシェRSがとって代わる。

最終レース直前のヒート8まで、誰もが認めるUS氏のコンセントレーションでべストラップ14周マークをずっとキープし続けたが果せるかな、ポルシェRSの最終ヒートは魔の7コース

私のスカラブは安定安心のセンター4コース、コースアウトを繰り返すRSを横目で見ながら、ヒートファステストをマークしてトップでゴールしたが..(以下に続く)。

 

手前左端はめずらしいYS氏のポルシェ550、前回に続き4位となった。

356は3台出場しているが、めずらしい550はリヤのルーバーまで美しく再現されている。

隣は私のスカラブ、メコムレーシングは.J.フォイトのゼッケン77だが66クラス用に制作。

混乱は私だけでなく、66クラスに77のクルマを持込んだ方に笑い誘われるのもユーモア? I more ?

 

結果はレーンコンディションに手を焼きながらも ヒート3位、2ラップダウンに収めたUS氏がトータルで優勝。

ファステストラップはKD氏キングコブラ、前回(11.79sec)の更新はならなかった。

 

リザルト ;

1位: 82ラップ / ポルシェRS/US氏

2位: 82ラップ / Mecomスカラブ/KM

3位: 79ラップ / キングコブラ/KD氏

ファステスト : 11.84sec / キングコブラ/KD氏

 

我がRP66のスカラブはタイム的に77クラスに及ばなかったが、やはりRP-66は良く廻る。

そのためかレーンチェンジの時、”さわれない位モーターが熱い”とボヤくと 隣のコースで”私のもチンチンに熱くなってますよ”(SZ氏)と..皆、心配になるくらい半世紀以上前のモーター乍ら良く廻る。

スタート/ゴールラインもあと僅か、コントロールボックス前の熱戦(..動体視力回復にスロットカーは最高!


PS: 当日、レーシングパラダイスまで見学に来たSB氏より頂いたオミヤゲの品々。

(左)Buz-co メイコマークⅡ(カナ読みマーコ)=いかにもシャークっぽいコルベットと (右)レベルのローラT70、SP90セット。

当時のマニア雑誌に出ていたが、今このジャンルは同好の士がいなくて走らせる機会もないが、バリエーション豊かな楽しい時代を感じさせられる。