監督は、クラブ生がダメだからといってよそから借りてくるわけにいきません。
クラブ生も、監督がダメだからといって、
代わりの監督を見つけるわけにもいきません。
お互いに出会いを大切にして、人を信じることが第一歩です。
信じることの証明は、言われたことをどれだけ徹底してやっているか、どうかでわかります。
体力や技術のほかに、徹底してやる力・「徹底力」が、すごい力となり、それがチームを支え、そして勝利をもたらしてくれます。
監督は、自分の教えを子ども達が徹底してやってくれることを信じ、クラブ生は「監督はわたしたちを信じ、わたしたちを成長させようとがんばってくれている。」と信じることが大切です。
バレーボールの繋ぎは、単なるボールのつながりではなく、心をのせたボールが、次の人へむかって飛んでゆくのです。ほとんどつっ立ったままの姿勢で、チャンスボールなどを、低く速くセッターへ送ると、セッターはたいへんです。あるいは、アタッカーが打ってブロックされたボールをカバーしないで簡単に床に落とせば、次の1本を打つ時のプレッシャーはたいへんです。ひとつ前のプレーや、次のプレーがいいかげんであれば、次の選手は苦労します。反対に、ヒザを深く曲げて柔らかいボールをつくるとか、全力を集中してのカバーやつなぎができれば、仲間の次のプレーや精神面はかなり楽になります。声や心の面でも同じことが言えます。つまり、自分が苦しめば仲間は楽になり、自分が楽すれば仲間が苦しむことになります。苦しい姿勢からはつなぎやすい質のボールが生まれ、楽な姿勢からは雑なボール
しか生まれません。適当な構えからは、いいフォローができません。次のコトバを大切にしてください。「心つながらずしてボールつながらず、ボールつながらずして勝利なし」
信じられないようなつなぎは見る者を感動させますが、二人はつないだ一瞬、心のなかで、同時に「やった」と感じます。バレーの本当の楽しさです。誰でもつなげるような甘いボールをつないで、本当の楽しさと言ってほしくはありません。
バレーボールを始めた以上は本物の楽しさを味わってほしい。
自分を磨くためには、自分の仕事、自分の役割を全力でやることです。責任をもって、自分の仕事にむかうことによって、同じように全力で責任を果たそうとしている仲間を誇りに思うことができます。これは、バレーだけでなく、家庭でも、会社でも基本になります。この「お互いが全力でやっている」という認め合いが、チームワークの基本です。認め合う関係が信頼を生み、「真のチームワークづくり」をすすめてゆく力となるのです。
がんばっている姿を認め合うことの逆は、人の欠点を口にすることです。チームワークをこわす原因は、人の欠点を口にすることと、全力をださないことです。人の悪いところばかりみる人は、自分でも自分の欠点しかみえません。
先輩や後輩についても同じです。自分たちだけで人の気持ちのわかるチームづくりをするならば、自分のことだけで精一杯の人間ではいけません。チームが「明るさと強さ」という二つ魅力をもつためには、先輩・後輩の気持ちのわかる人にならなければいけません。先輩にとって、後輩の選手は「日本で、いや、世界で一番かわいい後輩」であり、その後輩のために、先輩がしてあげられること、教えてあげることは何か?を考えてやるべきです。
後輩にとって先輩は、「もっとも誇りに思い、尊敬できる先輩」であり、尊敬する先輩のためにしてあげられることは何かを考えて行動すべきです。
これが、同じチームで、同じバレーボールにかけて、完全燃焼しようとする先輩後輩の本当の関係です。
せっかくの出会いをかけがいのないものにしていこうとする努力がなかったら、つまらないバレーボールになってしまいます。
ほめる言葉、はげます言葉も仲間に対する愛です。こんなすばらしい愛にあふれた「コトバ」が飛びかうコートには、心のつながったボールも飛びかうんです。
バレーボールが好きなら仲間と共に心のふれあう楽しさを感じつつ、思う存分やろうじゃないか!
バレーボールが好きなら「心だけなら日本一だ」と言い切れるすばらしいチームをつくろうじゃないか!
バレーボールが好きなら、悔いがないと言い切れるまで、とことん努力しようじゃないか!
2022年も皆様にとって素晴らしい1年になりますように。
また体育館でお会いしましょう。