ある日の夜、タローがお腹を押さえて顔をしかめています。「イタイ、イタイ」と言っているように聞こえます。「どこが痛いの?」と聞いても、ここが痛いとはっきりとは指さしてくれません。そのうちにケロッと元気になり、私におんぶをせがみ始めます。どうしたんだろう? ちょっと心配です。でも痛みを訴えたのは一時的だし、しばらくしたら眠ってしまいました。


翌朝、タローは食欲がないようで、用意した朝食にまったく口をつけようとしません。もともとタローには食べむらがあり、食べないときは全然食べないので、体調のせいなのかどうか判然としません。


タロー用のコップに入れた牛乳を渡すと少し飲んでくれました。ちょっと安心してタローをリビングに残したまま洗面所に向かいます。すると、2分もたたないうちにタローが泣き出しました。


「どうした?」とリビングに戻ってみると、飲んだばかりの牛乳をタローが吐き戻していました。着替えたばかりの服や床に吐いたものが散乱しています。幸い、床の被害は大したことはありませんでした。


服を再び着替えさせて顔を拭きます。顔を拭くのをタローは嫌がるんですよね。1歳くらいのときはむしろ好きだったのに。それでも拭かないわけにはいかないので泣いても汚れを拭き取ります。口に臭いが残っていますが、少しでも和らげようと水を飲ませます。少しですが飲んでくれました。鼻の穴に白いもの(おそらくはいたものの残り)があったので、ティッシュで取り除きます。


完璧な処置とは言えませんが、時間がないので保育園に送っていかなければなりません。


テレビで見ていたYouTubeを消すと、タローが大泣きします。ホントにこのYouTube中毒は何とかならないものでしょうか。登園前にこんなに大泣きするのは珍しいです。ぐずりまくるのを何とかなだめてベビーカーに乗せ、保育園に向かいます。途中は静かでしたが、園に着いて教室に入り、先生に預けようとするとまた泣き出しました。

タローは体調が良くなさそうなので、仕事を早めに切り上げて小児科に連れていくことにします。午後の診療をネットで予約しました。保育園で迎えてそのまま小児科へ行こうという計画です。小児科クリニックは保育園から近いので。


保育園の教室に入っていきます。お迎えはふだんはママだし、時間もいつもより早い。タローはこちらを見つけると、トコトコ走ってきます。笑顔のタローを抱き上げました。幸せを感じる瞬間ですね。

 


ところが次の瞬間、生暖かいものがシャツにかかる感触が…。タローが突然吐いたのです。朝食は口にしませんでしたが、保育園での昼食は完食、さらにおやつとお茶がお腹に入っています。私の着ているシャツ、背負っているリュック、そしてもちろんタローの着ている服…すべて嘔吐物まみれです。また、抱き上げたときに吐いたため、床にもかなり広範囲に嘔吐物が広がってしまいました。


見ていた保育士さんたちが私より先に気づきました。すぐにタローを受け取り、身体を拭いて服を着替えさせてくれました。一方私は嘔吐物の付いたシャツを見て「ああ、どうしよう?」と立ち尽くすのみ。

 

クラスのタロー用の引き出しの中に2組くらい常に着替えを用意しています。だからタローはすぐに着替えができたわけですが、私は着替えなんか持ち歩いていませんし、保育園にも着替えを常備したりしていません。シャツとバックパックは嘔吐物まみれなので、シャツを脱いで保育士さんがくれた大きめのビニール袋に入れます。リュックも表面を少しぬぐってビニール袋へ。幸い、ズボンには少ししかかからなかったので、その部分を拭き取るだけですみました。

同じ部屋にいた多くの園児たちはすでに隣の部屋へと移されています。

 


床を拭いたり消毒液をまいたりと保育士さんたちは余計な仕事をすることになります。申し訳ない。


結局、上はシャツを脱いだ下着姿のまま私は保育園を後にすることになりました。

 

 

下着姿のおじさんを見て、事情を知らない職員さんや迎えに来たママたちはびっくりしたことと思います。でも、皆さん大人の対応で、何でもないふりをしてくださいました。


保育園から小児科クリニックまではベビーカーを押して2分程度。クリニックの受付にも下着姿のおじさんが現れます。不審者ですね。少し待った後に看護師さんからタローの状態についていろいろ質問されます。このときに事情を説明したので、それを聞いていた看護師さんたちは、私が下着姿である理由を納得してくれたはずです。


医師の診察を受けると、レントゲンを撮りましょうということになります。看護師さんに抱かれてレントゲン室に入るときにはおとなしくしていたタローですが、外で待っていると泣き声が聞こえてきました。かわいそうですが、痛くはないのでがまんしてほしい。再び医師の診察。レントゲン写真を見ると、お腹にうんちがいっぱいたまっているそうです。嘔吐したのはこれが原因で、胃腸炎などではないとのこと。便秘の薬を出してもらいます。1週間後くらいに再びレントゲンを撮るとのことです。


まさか便秘が原因だったとは…。何カ月も前からタローは便秘していました。2~3日でないのは当たり前。5日くらいでないこともありました。さすがに5日も出ないときには浣腸をして対応しましたが、医者にかかるほどのことではないと甘く見ていました。嫁からは医者に連れて行けとかなりきつく言われたのですが、「たかが便秘で…」と放置していたのです。


タローには申し訳ないことをしました。


クリニックでも待合室には多くの患者さんがいました。内科と小児科併設なので、大人も子供もいます。みんな不審な目で私を見ることなくごく普通の様子でした。内心では「この下着姿の男は何者だ?」と思われていたに違いありませんが…。

 

1週間ほど前に新しい下着をまとめて5~6枚おろし、古い下着を捨てていたので、下着の見た目がそれほどひどくなかったのは不幸中の幸いと言えるでしょうか。もし捨てる前のボロボロの下着だったらと思うと恐ろしくなります。


薬局で薬を受け取って家に帰ると、薬を飲むまでもなく、寝るまでに2回排便がありました。よっぽど溜まっていたんですね。子供用飲料に薬を溶かして寝る前に飲ませました。全部飲んでくれるか心配だったのですが、案外すんなりと飲み干しました。
 

1年半もご無沙汰でした。

 

いろいろありましたね、この間に…。

 

それらをいったんリセットして再開したいと思います。

 

タローは2歳と4カ月になりました。

以前見学に行ったと書いた保育園に入園し、4月に無事進級しました。

 

少し前の話ですが、夜中の2時過ぎにタローが苦しそうな咳をし始め、私は目を覚ましました。

咳のときも呼吸自体も音が何か変なんです。

咳が出ることはよくありますが、こういう音は聞いたことがありません。

呼吸音も普通ではありません。

もしかして何か喉に詰まっているのでは?

もしそうならすぐに対処しないと危険!

正座した太ももの上にあおむけに寝かせ、肩甲骨の間を何度か平手で叩きます。

背部叩打法というのでしょうか。

しかし、口からは何も出てきません。

どうすりゃいいんだ!

救急車を呼ぶ?

でも、必要もないのに救急車を呼ぶことは本当に必要とする人の命を危険にさらすことになるという記事を読んだばかりです。

必要なのか必要でないのか?

「救急車を呼んだ方がよいか」、「今すぐ病院に行った方がよいか」など、判断に迷ったときは、♯7119に電話すると、医師、看護師、トレーニングを受けた相談員等がアドバイスをしてくれます。それを知っていたので、かけてみました。

すぐつながって、名前と年齢を聞かれます。タロー、2歳と答えると、子供はこの番号ではなく、#8000にかけてほしいと言われました。それは知りませんでした。

あわててそちらにかけます。が、つながりません。込み合っているのでしばらくたってからおかけ直しくださいという案内が流れます。

何度かかけ直しました。

ダメです。何度かけてもつながりません、。

そうしている間にも、タローは苦しそうな咳をしています。異常な音です。

万が一喉にものを詰まらせているとしたら、最悪の事態もありうるので、仕方なく119番に電話しました。

 

 

すぐにつながり、年齢、症状などを聞かれます。救急車を呼ぶ必要があるのかどうかはわからないのですが、#8000にかけてもつながらないので119番しましたと伝えると、救急車を向かわせますとのこと。

10分で着くと言われたため、ベトナム嫁と共にあわてて身支度をし、救急車の到着を待ちます。

 

10分をちょっと過ぎたくらいで到着しました。タローを抱いて夫婦で救急車に乗り込みます。救急隊員の方に状況を説明すると、喉にものを詰まらせているわけではないと判断したようです。熱を測ると37度9分。家族や周りの方の中にコロナやインフルエンザにかかっている人はいないかと聞かれましたが、いいえと答えます。

 

 

受け入れ先が決まり、そちらに向かいます。およそ15分ほどで病院に到着。すぐにお医者さんに診てもらいます。

窒息しているわけではなく、気管支に問題があるために呼吸時にこういうおかしな音がするのだと説明されました。

ああ、よかった。一安心です。

しかし、それならわざわざ救急車を呼ぶようなことではありませんから、その点は申し訳ない。けれど、素人には判断できません。あんな異常な音を聞いたのは初めてでしたし、#8000には何度もかけてつながらなかったので仕方なく119番したわけですから、今回は許してください。

 

1~2回分の薬を受け取り、タクシーを呼んで家に帰りました。

 

救急隊員の方、病院の先生、看護師さん、帰りのタクシーの運転手さん、皆さん親切でした。

 

 

こんなふうにいざというときにすぐに助けを求められるのは日本の素晴らしいところだと改めて感じました。

ベトナムでは救急車を呼ぶのにもお金がかかります。また、これほど迅速に対応してもらえる可能性は低いでしょう。

 

救急車に乗るのは私は初めてでした。タローは2歳にしてその経験をしているわけです。

 

乗り物絵本を見ているとき、救急車を指さして「これに乗ったよね?」と聞くと、なぜか「ううん」と首を横に振るタローです。

タローは10カ月半になりました。


この間、一度手足口病(突発性発疹だった可能性も)にかかって発熱しただけで、ずっと元気に育ってきてくれました。
ところが、ここ数日、昼夜を問わず頻繁に泣き出します。

 


ママが近くにいないと泣く。
かと思えば、ママに抱っこされているのに泣く。
夜中も眠っていたかと思うと突然泣き出す。

前回の発熱時には2日2晩泣き続けてホトホト困りましたが、熱があるからだという原因がわかっていました。
今回は平熱なのにもかかわらず、機嫌のいい状態と泣くのを繰り返しています。
原因がわからないのでベトナム嫁のイライラも募っています。

一つ、もしかしたらこれが原因かもと思うのは、「歯ぐずり」です。
タローはまだ歯がはっきりとは生えておらず、下の前歯2本が出てこようとしている段階です。

 


調べてみると、歯が生えかけているときは、歯茎に痛みや痒さを感じ、泣いたりぐずったりする赤ちゃんが多いとのこと。
タローもこれなんでしょうか?

対策としては、冷やしたフルーツを与える、冷やした歯固めを噛ませる、冷たいおしぼりやスプーンで歯茎を冷やす、歯茎をマッサージするなどがあるようです。
まだ試していませんが、効果はあまり期待できなそうな…。

歯が生えそろえばピタッと治まるらしいのですが、2~3カ月かかるとのことなので、今の状態がそんなに続くのかと思うと気が遠くなります。

 家の近所の保育園だと11月入園はほぼ不可能だということがわかりました。

 しかし、うちの嫁は就職して1年たたないうちに産前産後休暇、育児休業に入ったため、育児休業給付金が支給されません。
 つまり妻の給料ゼロの状態がもう1年近く続いているわけです。

 育児休業給付金がもらえているなら、来年4月入園までの間育児休業を続けるという選択もあり得ますが、収入ゼロが来年3月まで続くというのは我が家にとってかなり厳しいです。

 もう一つの選択肢としては、嫁の職場に用意されている託児所を利用するという方法があります。

 そこで、先日見学に行ってきました。

 最寄駅からバスに乗って7~8分。降りたところから職場までは坂道を登っていかなければなりません。赤ちゃんを乗せたベビーカーを押しながら荷物を抱えて登るのは相当大変。



 

 職場の受付であいさつしてから隣の託児所へ。
 職場の受付では知り合いの職員さんが出てきて話しかけてくれたので嫁はうれしそうでした。



 

 託児所は2階建てで床はフローリング。とてもきれいです。でも、子どもの姿が見当たりません。

 責任者から託児所の利用法について説明を受けます。

 当たり前ですが、施設で働く日にしか利用できません。でも、登録していれば、いつも通っている保育園や幼稚園が休みの日に利用するという使い方もできるそうです。

 登録している子どもは15人ほどで、いつも利用しているのは2~3人だけとのこと。今日は午前中に1人見ていたけれど、勤務を終えた親がもう連れて帰ったのだそうです。



 

 職員さん1人に対して子ども1人~1.5人という計算になり、目が行き届かないという心配はありません。その反面、接することのできる友だちが少ないわけで、コミュニケーションの発達という点ではやや不安を感じます。

 また、自動車通勤ではない嫁の場合、タローを連れての移動がかなり大変です。特に大雨や雪の日には対策が必要になります。

 とはいえ、タローが1歳になる時点から働き始めたいなら、ここを選ぶしかありません。
 すぐ隣で嫁が働いているので、休憩時間にはタローに授乳することができるなどプラスの面もたくさんありますから、マイナスのことばかり考えるのはやめた方がいいですね。

 帰りはそこから最寄り駅まで歩きました。歩くと15分以上かかります。休みに入る前、嫁はよくこの道を歩いたそうです。でも、歩道が狭いのでタローを連れてというのは危なくて無理です。

 ベトナム嫁とタローといっしょの3人暮らしもいよいよ新しい段階に入ろうとしています。

 タローは10か月になりました。
 9か月までは、体調不良と言えば予防接種の副反応くらいで、病気をすることはありませんでした。

 しかし、最近、生まれて初めて夜中に39度近い熱を出しました。朝になって小児科クリニックに連れていくと、原因は不明ながらごくありふれた感染症だろうという見立てでした。のどが赤く腫れているとのことです。

 熱冷ましの坐薬を処方され、熱があっても必ずしも飲む必要はない。熱が高くても機嫌がよければそのままで大丈夫と言われました。

 でも、午後になってもタローは泣き続けているし、離乳食を食べず、おっぱいも水も飲まないので、坐薬を使いました。

 すると、数時間で体温は平熱に戻りましたが、相変わらず泣き止まず、何も食べず、何も飲みません。夜中も泣きどおしです。


 

 翌朝、ベトナム嫁にせっつかれて再び小児科クリニックを受診します。
 今度は腕や足などに発疹が出ていたことから、手足口病と診断されました。何も飲まないのは、口の中に水疱ができて痛いからなのだそうです。
 少しずつでもいいから水分を取らせるようにとのこと。

 割と元気そうだねと先生には言われました。なぜかタローは家では泣き続けるのに外に出ると泣き止むのです。診察室でも泣いたりせずふつうにしていたので先生にはそう見えたのでしょう。

 手足口病にもまた薬はありません。薬をもらえないことでベトナム嫁がご立腹。「ベトナムだったら抗生物質を出してくれる。日本の医者はどうして何もしないんだ」。



 

 ウイルス感染に対して抗生物質は効果がないし、耐性菌が増殖するなどの問題を引き起こす可能性もあるから、抗生物質は出すべきではありません。
 嫁に限らず日本の医療に対して不満を抱くベトナム人は多いようですが、その大部分はこのような無知から来ているのではないでしょうか。

 家に着くとタローはとたんに泣き出します。夜になっても泣き止まず、夜中も泣き続けるので嫁も私もひどい寝不足です。おっぱいを上げようとしても飲まないし、いつまでも泣き止まないので、嫁はイライラしてタローに当たります。

 しかし、この日の夕方頃になってようやく快方に向かいはじめ、泣くのも断続的になったのでホッとしました。

 次の朝には機嫌もよくなり、いつものタローが戻ってきました。ただ、手足や顔にはまだ発疹が出ています。

 初めての発熱で今までに経験したことのない苦しさ・不快感のため二日二晩泣き続けたタロー。手足口病はありふれた病気ですが、本人はさぞしんどかったことでしょう。

 泣き止まないタローに二日二晩付き合った私たち夫婦も大変でした。

 しかし、子どもを育てていくうえでこんなのは序の口なんでしょうね。