『高堂巓古 Officia Blog』 -95ページ目

礼賛四十八手 その九

photo 1.JPGphoto 1.JPG チーズケイクというのは不等辺三角形に限る。最近は丸いものや長方形、なかにはご丁寧に薄いガーゼ膜に包まれた塊状のものまで味わったが、どうもチーズケイクという氣がしない。やはり丸みを帯びちゃア、よろしくないのだ。或る物語には、三角形の月が坂道を転がり堕ちて、跡にはその三角形の角が刺したであろう点点がつらなっていたという一場があったけれども、すべからくチーズケイクには球状に対するあこがれ、或いは、円形直前の色氣がなければならない。換言するならば、


月光を照らさぬチーズケイクは等しく欺瞞である。


 ちなみに写真のケイクは横濱元町にあるカフェ無のひと切れになる。見事な不等辺三角形ぶりに、甘すぎぬ味。たしかなチーズケイクと云えるとおもう。別に、これは味の問題を申しあげているわけではない。否、たしかに美味しいが、味なら武蔵関駅前にある珈琲豆屋vientのほうがたしかであろう。しかし、こちらは長方形である。そう、これはチーズケイク美学の話をしているのだ。月とチーズケイクは凡て不等辺三角形に限る。