『高堂巓古 Officia Blog』 -51ページ目

軀の生成意味論 その四十

photo 2.JPGphoto 2.JPG ボディビルダーの筋肉は魅せるためのもので、実用的ではないと云われるが、その例としてよく挙げられるのが羽状筋である。文字通り、羽のかたちをしている。そして、筋と腱のあいだに羽状角と呼ばれる角度がある。この羽状角は一般的に5度から25度程度なのだけれども、ボディビルダーになるとこれが50度、あるいはそれ以上になってしまい、筋力ロスが増えてしまう。要は、乱れのない静かな羽が筋肉としてもたしかだということである。


かたい肉のなかにやわらかな羽が幾本も浮いている。


 羽状筋は特に下肢において有名な肉であるけれども、このようなイメジをしていただけると、それだけで人生の足どりが不思議と軽くなるものなのだ。せっかくなので、脚のなかの羽は飛行させてはならない。何ひとつ乱れのない羽を静かに眠らせておいたほうがよいとおもう。昔の方々はこの身に羽だけでなく、花や星を宿し、そこから生じる裡なるうつろいを愛でていた。身がつまらなくなったのは、解剖学が流行ってからである。羽は常に感覚のなかにあるのだ。