夏目漱石(なつめそうせき1867~1916年)は、

      『三四郎』『それから』『門』の三部作と、『こころ』を、

       17歳の時に読みました。

     10代、20代、30代、40代で、共感する作品が違ってきます。

      「あなたは、どうですか?」

 

        今、漱石は、読まれているのだろうか?

      明治という時代の舞台と、言葉の難しさもあるかも知れない。

      現在、読書する人は、普通じゃない人です。(笑)

      例えば、本を読む人は、10人に1人なのかも知れない。

 

      学校の先生が、「読書するよりも、勉強しなさい」

      会社の上司が、「読書する時間があったら、仕事しなさい」

      この言葉は、多数派の意見なのです。

      その現状がわかると、納得しますね。

      上司が、「もっと本を読め」という会社には成長力がある。

 

                         2020年5月8日

   

       夏目漱石を、初めて読んだ時、心理描写に驚きました。

       人は、頭の中で、こんなにも深く考えるものなのか!

       喜怒哀楽の感情、思考力の深さに、驚きました。

 

          テレビドラマや映画では、顔の表情や言葉から伝わらない、

       心の内面的な思いが、小説で克明に読み解かれています。

 

       

 

         夏目漱石著『三四郎』(新潮文庫/平成27年 151刷)

 

     p24 「熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より……」

       で一寸(ちょっと)切ったが、三四郎の顔を見ると耳を傾けている。

       「日本より頭の中の方が広いでしょう」と云った。

 

 

     夏目漱石著『私の個人主義』(講談社学術文庫/2005年 第51刷)

     漱石の本では、この本が、一番好きです。

     「私の個人主義」は、何度も読んでいます。

     寺島実郎さんの「20世紀を持ち帰った漱石」の話は、興味深かった。

 

 

             2019年11月27日

           

      

 

       夏目漱石著『それから』(岩波文庫/2014年 第97刷)

      20代、30代は、この小説の「高等遊民」の世界に憧れました。

   このことについて、内田魯庵(うちだろあん1868~1929)の一文がある。

 

 

 

       内田魯庵著『魯庵の明治』(講談社文芸文庫1997年)

   p167  文明国には必ず智識ある高等遊民あり

 

 

      映画「それから」に出演された藤谷美和子を思い出す。

 

    

 

 

 

       

                     

          夏目漱石著『門』(ワイド版 岩波文庫2007年)

         40代になると、漱石の『門』に惹かれるようになります。

         なにげない夫婦の日常に癒しを感じるのは、なぜだろう?

 

 

 

   二葉亭四迷(ふたばていしめい1864~1909)著『浮雲』(角川文庫)は、

   19歳の時に読みました。

   なんとなく、漱石の『それから』と重なる高等遊民の世界かも。

 

   夏目漱石と二葉亭四迷の二人が、明治に言文一致の小説を確立した

   と学び、それを知るために読みました。

 

      

                    

          大森光章著『夏目漱石』(集英社1973年) 

         多田裕計著『夏目漱石』(偕成社1981年23刷)

 

         明治の知識人、漱石の思考を読む。

 

 

                                   

            「つないだ手を、離さないで……」