映画「missing」。 | taka。のブログ

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監督:吉田恵補

脚本:吉田恵補

撮影:志田貴之

照明:疋田淳

音楽:世武裕子

企画:河村光庸

出演:石原さとみ、青木崇高、有田麗未、森優作、中村倫也、細川岳、小野花梨、山本直寛、美保純、柳憂怜ほか

作品名「missing」

2024年5月17日公開

上映時間:119分

 

 

本作品、故 河村光庸氏が企画作品ということをエンドロールで知った

「新聞記者」「月」と続いて、映画館で観ることができた

「月」のときほど言葉が突き刺さる内容ではなく

主人公 森下沙織里(石原さとみ)が最初っから最後まで泣いている哀しくてつらい作品

石原さとみを初めて素晴らしいと感じた

今まではどうしても顔のかわいらしさに対して、演技、特に声があまり親しみを持てない

感じがしていた

しかし、この作品は彼女が監督に熱望して出演しただけあったのか、演技から伝わるものが

あって、言葉に真実味を感じた

 

 

 

娘が失踪した

すでに物語はそこから始まっている

映画ポスターには「失くしたのは心でした」とあった

だから母親がどう心を失くしたのか、石原さとみがどのような演技をするのか

ものすごく興味があって映画館で観ようと決めていた

でも、観た感想としては理解しにくい内容ではなくわかりやすかったため、

ポスターに書かれていた「失くした心」という解釈の方が、どの部分なのかがわからなかった

少し高めのパンフレット(1,200円)を後で読んで確認しておきたい

 

 

あと、僕が観た作品は自分の時間の都合上、上映時間が「日本語字幕付き」のものを観ることになったけど、

健常者の僕が観ても特に違和感なく観ることができた

最近のテレビに慣れた人なら、逆に日本語字幕付きのほうがいいのかもしれない

この日、土曜日の劇場は視聴者が4人ほど

興行的には残念だけど、視聴する側としては邪魔になることがなくありがたいのは本音

もう少し人が入ってもそれほど混雑感はないだろうから、たくさんの人におすすめしたい

 

 

 

石原さとみの迫真の演技に対して、

男優陣がまたよかった

沙織里の夫 森下豊役の青木崇高

沙織里の弟 土居圭吾役の森優作

テレビ局の記者 砂田裕樹役の中村倫也

いずれもそっと傍にいながら決して派手さがなく、かといって存在感がしっかりある

沙織里が必死で娘のために活動していることに対し、

何もやっていない、やってくれないと愚痴られる夫の情景は

日常的に似たような夫婦間のいざこざはないだろうか

 

 

 

 

また、設定が異なるが、北朝鮮拉致被害者家族のことが思い出された

この映画作品をはるかに超える年月を過ごされている方々

自分たちが必死に活動しているが何も結果が出てこない

政府はいつになったらちゃんと動いてくれるのか

そんな思いと重なった

テレビ局の記者砂田は、視聴率よりも被害者に寄り添って取材を続けようとする

しかし組織の命令指示にも従わざるをえないこともある

北朝鮮との交渉を水面下で続けている人はきっといるんだろうと思いながら観ていた

 

 

 

僕が一番印象に残ったシーンは

沙織里と弟 圭吾のドア越しの姉弟喧嘩のシーン

娘を思って必死に弟にテレビの取材に応じろと弟をドア越しに説得する

引きこもりの弟はまったく応じようとしない

沙織里のさらなる説得

説得なってもんじゃない

開かない 開けないドアを蹴り上げ

罵声 歎願 怒号

本気度が伝わるシーン

 

 

 

 

それ以上は上映中の作品なので内容を記載するわけにはいかないが、

娘が失踪したことによる絶望の中であきらめちゃいけない母親の姿

そんな姿を世に伝えるべく使命感と視聴者受けを考える報道記者の姿

時が経つにつれ支援してくれる人もお金も熱意もだんだんと少なくなってくる世の中の姿

他人事でおもしろおかしく言葉をネット上にさらけ出し人の心に刃を突き刺すSNSの姿

 

今を生きる自分たちに考えさせられるものがこの作品にも多分にある