映画「ヒメアノ~ル」。 | taka。のブログ

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日本酒がダメならディズニーランドでも・・・

 

 

監督:𠮷田恵補

脚本:𠮷田恵補

原作:古谷実

撮影:志田貴之

照明:中西克之

音楽:野村卓史

出演:森田剛、濱田岳、ムロツヨシ、佐津川愛美、駒木根隆介、山田真歩、大竹まこと ほか

作品名「ヒメアノ~ル」

2016年5月28日公開

上映時間:99分

 

 

劇場で「missing」を観て、𠮷田恵補作品を続けて観たくなった

「犬猿」(2018年)、「なま夏」(2005年)は観たことあったので、

「ヒメアノ~ル」というよくわからないが評価の高い作品を選んだ

 

ヒメアノ~ル

 ヒメトカゲ 

 小型爬虫類

 よって、強者の餌となる弱者

 ということらしい

 

原作の古谷実は漫画「行け!稲中卓球部」を描いた人

その要素がなくはない




 

2016年公開だから少し前になるけど、残虐、残酷なシーンが多く出てくる

この年、松山市を舞台にした「ディストラクション・ベイビーズ」(真利子哲也監督)

も公開されていて、サスペンス要素があって暴力的なシーンは当時はやりだったのかと思わせる

でも、韓国映画の残虐さと比べると、少し優しい印象

 

 

この映画、暴力的なの?と観る前に思ってしまうのが、濱田岳とムロツヨシ出演であるところ 

この二人が出てそんなシリアスなの?って思ってしまう

いや、コメディ要素あり

最初っからコメディ

だから、後半にシリアスなサスペンスの展開との落差を感じる

ネタバレっぽくなってしまうが、映画上映のど真ん中の時間帯あたりで、出演者のクレジットが出てくる

そのあたりからガラッと内容の濃さ重さが変わってくる




 

森田(森田剛)は確かに残虐なことをしてるんだけど、それほど怖さを感じなかった

あまりにも淡々と行う暴行、殴打、強姦、殺傷、銃殺…、そして自慰

これまでの犯罪で捕まれば死刑になるとわかっているが、なぜか森田の精神に正常さがないように感じる




それはわぐっちゃん(駒木根隆介)こと、高校の同級生の和草の話の中で、森田の異常さの原因にたどり着く

森田の会話におかしな点が何度も出てくるが、果たして精神異常なのか、ごまかしなのか

ただ、青年期の悲惨な体験が影響していることは間違いなく、同情すらしてしまう



そのような悲劇を迎える前のムロツヨシの存在の対比は漫画のようでおもしろい

冒頭の印象に残ったセリフもそう

岡田くん(濱田岳)にとって無理で無茶な先輩

変質者に近い役柄だけど、ムロツヨシを知ってると悪く思えない おもろいとしか思えない

フラれたあとの会社に出社した時の髪型なんて、普通の映画の表現のレベルではない(泣笑)



濱田岳もそのままの存在感

モテない男がモテてしまう役柄

人がよく、強いものに弱いパシリ的な存在

確かにヒメアノ〜ル






映画の前半と後半がガラリと変わる映画はよくある手法だろうけど、コメディ感の強い俳優はどうしてもイメージが抜けきらない

ムロツヨシの場合はそれが抜けきらなくていいんだと思う




この作品にも現代におけるイジメに対する警鐘を感じさせる

それによる青少年の粗暴化

強いものが弱いものを徹底的になぶる


そんな強者に見える人間が

実は弱い1人の人間だってこと

飼っていた犬

大切にしていた動物

大切だった友達

それらを少し忘れていた時間

ラストに向けての激しい展開と人間性の証明

見応えのある作品だった