今、世界を旅することの自粛を余儀なくされる時、自宅であえなく過ごす時間も多い。
だけどこんな時こそもっと好きなように思いっきり旅をしよう!
その気になりさえすればいつでもどこでも居ながらにしてお金もかからない。
目を瞑って想像力の翼を思いきり羽搏かせてみよう。
そうすればあなたはもう時空を超えたタイムトラベラーに。
“国境の長いトンネルを抜けると雪国だった…”(川端康成「雪国」より)
トンネルや洞窟はよく異世界への入り口に例えられる。
この小説の意味するトンネルは、向う側への入り口であると同時に
こっちと向うを繋ぐ<橋>であり、それ自体は単なる通過地点にすぎない。
それとは別に長いトンネルと聞いて連想するのは私たちが眠っている間に見る<夢>だ。
夢は睡眠と覚醒の間の通過地点の<橋>であるというよりは
夢そのものが、その内容自体が大事なものであるのはいうまでもない。
バサージュという場所ももこの点で夢に非常に似通っているのではないか。
時空を超えたタイムトンネル、<パサージュ博物館>へようこそ!
今回私vingt-sannがご案内するのはパサージュ・ヴェルドー。
前回訪れた時のものです。未読の方はまずこちらから先にどうぞ!!
リブログのほうで書いたけど、前回私はこのヴェルドーについて<語るべきものをあまり持たない
寂れきった通り抜け専門のパサージュ>と歯に衣を着せぬ言いたい放題を言ってのけた。
ところがその印象はガラッと変わったよ。
昔の殺風景な雰囲気はどこ行った?
マニアック好みと言えば聞こえはいいけどね、寂れた(失礼! )年配男性の溜まり場みたいなイメージ。
でも若い男女や子供連れの婦人とかの姿も目立つ明るく楽し気な空間に生まれ変わっていたんだ。
ところで以前ポンヌフさんがこの凛とした眼差しの女性にとても惹きつけられたとか。
素敵な写真を撮られていたけど、今回この謎の女性の正体が判明?!
Le Bonheur Des Dames(1979~)刺繍店
こちらの店はセシール・ヴェシェールさんデザインのクロスステッチなどの刺繍キットのブランド。
2015年にパリの芸術家100人に選ばれたんだって。 手芸好きの人にはたまらないだろうなあ。
で、この女性?もう察しはついたろうけど彼女は正しく看板娘。ほら昔、町の煙草屋の何とかね、
これって今ではもう死語なのかな?だって町の煙草屋なんてもう都会じゃ見かけないしほとんどね
(いや、田舎の町ならまだどこかに存在するのかな)。
それでこれは私の想像だけど、彼女はセシール・ヴェシェールさんの彫像に他ならないと思うんだ。
もちろんきっとそのものというよりはあくまでもイメージ優先だろうけど。
さてここで改めてヴェルドーに謝罪を。 言いたい放題言ってゴメンナサイ。
元々このパサージュはアンティックディーラーやコレクターなどマニア向けが通う場所。
1980年にOPENし芸術品や切手収集など扱うパリの主要なオークション会場のすぐそばにある。
1974年7/7よりフランス文化省の歴史的建造物として認定されていることは覚えておこう。
※両者の位置関係/地図の赤い目印がヴェルドーで♥マークの住所がオークション会場Dcrouot Auction House
そのことは頭の片隅にはあったのになにしろ前回の様子で実感が湧かなかったもんだから。
今回それをたっぷりと実感させてもらったので紹介させて頂くね。
何と言っても注目すべきはアートギャラリーの存在。
中へ入る勇気はなかったけど精一杯撮ったを基に調べてみたので参考にしてね。
Le cabinet des curieux(1995~)
よ~く観ると結構過激な品揃え。決して赤い壁のせいじゃないよね。
Atelier29 Denise Bechouche(1987~)
古いものと現代的な作品のフレーミングを専門と言えばつまりencadrement
昔からの読者であるフランさんの御専門のお仕事。
Galerie Amicorum(1995~)
16 ~20世紀迄の1500点以上の図面、水彩画、オイル画の販売
ギャラリーの入り口でカタログを見れるのはナイスアイデア。
Sophie Marcelin 19~20世紀迄の絵画、ドローイング、彫刻の販売と購入
Galerier KF
私が行った2018年にOPEN。20世紀美術と家具のアーティスト2人の出会いから始まった
という。現代的な雰囲気とセンスの良さが感じられるのはやはりこの絵のせい?
半分開いた扉の向こうで私を呼んでいるようで後ろ髪を引かれずにはいられなかった…
今回のご案内はいかがでしたか?
よろしくお願いします