時空を超えたタイムトンネル、<パサージュ博物館>へようこそ!
今までご案内してきた2つのパサージュを一言で形容するなら
デュ・グラン=セールは温室、ヴェルドーは展示場
そして今回私vingt-sannが案内するパサージュ・ジュフロワは
さしずめアミューズメントパークと言えるかも。
皆様にはまず2008年のこの記事から過去にタイムスリップして頂きましょうか。
くれぐれもタイムスリップせずに次へと進まぬようご注意を
過去記事を最後まで読んで頂くとちゃんと無事この場に戻って来られるので御安心のほどを
それでは行ってらっしゃ~い
お帰りなさ~い
ご覧頂いたように、お腹が空けば老舗のサロンド・テでランチやケーキを摂ってもいいし、
由緒あるホテルに泊まってゆっくり過ごすことができるのもジュフロワならではの魅力。
ではいよいよ2018年のパサージュ・ジュフロワのタイムトンネルを潜ることにいたしましょう。
ただ今回は少し趣向を変え普通にお店を御紹介するのではなく、
私の(半ば妄想的)体験談としてアミューズメントパークの雰囲気が伝えられればと考えています。
盛り場の中心モンマルトル大通り10・12・番地にぽっかりと口を開けたトンネル。
足を一歩踏み入れればそこは夕闇の世界。
目は次第に暗さに慣れていくのを感じつつ、行く手には光の空間を捉えている。
正面に見えるのはオテル・ショパンの時計。
いつもそうなのだがパアーッと視界が開けた一瞬にクラっと軽い眩暈を覚える。
思えばそれがシュールな世界への幕開けだったのかも。
La Maison de Roy (アンティックの店 ) 24番地
前から気になりながらもじっくりと眺めることのなかった店のショーウィンドウ。
立ち止まって中を覗いていると耳元に聞こえてきたのは誰かの囁き声と笑い声。
気が付けば黒いヴェールの帽子の御婦人と目と目が合う。
何か言いたげな表情に思わず釘付けになる。
ねえ、貴女、フフッ、フフフ
ケッ、ケッ、ケッ
マスクの御仁も穴の開いた瞳の奥からこちらをじっと見つめている様子。
いや、たぶんそれらは一瞬の眩暈の中で見た白昼夢だったのかもしれない。
だがそれからほんの数メートル先へ進むと今度は
上方からけたたましい叫び声が聞こえてきたのだった。
ギャォーー
翼を目いっぱい拡げ獲物につかみかかろうとするような凶暴な鳥、
かと一瞬思ったがよく見るとそれは鹿の角だった。
脅かさないでよ~
さっきのご婦人とマスクの御仁に続き「今日はいったい何て日だ!」と
小峠氏おなじみのフレーズが思わず口から飛び出る始末。
Galerie Fayet(100年以上の歴史を誇るパリ唯一の杖と傘の専門店)34番地
そうこうしているうちにやっと46番地のオテル・ショパンの前まで辿り着いた。
見上げれば1846年開業当時からの時計が静かに時を刻んでいる
チクタク,チクタク、カチ、カチ、カチ…
いや気のせいだだってあの時計には秒針がないのだから。
心臓に手を当ててみればドキドキと脈を打っている。
そうだ、時計ではなくこの心臓の音をそう錯覚しただけだ。
気を取り直してもう一度上を見上げる。
あれっ何か変だぞ。時計の時刻がおかしい
ついさっき4:10だったのが1時間前の 3:10になっている。
それと看板のHOTEL CHOPINの字体も違っているではないか
このトリックがお分かりですか?(答えは後編のラストに!)
映画フィルムを巻き戻すみたいに時間が逆行していく。
驚くにはあたらないさ、此処は時間と空間のタイムトンネル、
どんな突飛な出来事が起ころうと不思議はないのだ。
オテル・ショパンすぐ脇に小さな階段がある。
降りる前にふっと右隣の建物に目をやるとミュゼ・グレヴァン(蝋人形館)の看板があった。
前編最後のメインイベントはぜひこちらのリンクからタイムスリップしてご覧ください
パサージュ巡り④パサージュ・ジュフロワその2<前編・ミュゼ・グレヴァン>
無事こちらへ戻れたようですね。
何度もタイムスリップをして頂きありがとうございます!
楽しんでいただけたでしょうか?
次回『パサージュ博物館③パサージュ・ジュフロワ2018後編』へと続く。
よろしくお願いします