ぼちぼち刈っています。他所の田んぼの稲刈り作業を請け負っているので、そちらの合間に自分のところも刈る、と言う感じです。今日は自分ちの稲を刈りました。


 自分のとこのはほっとします。やはり自分のぶんの収穫作業は気分の乗りが違う、ってこともあるのですがそれ以上に、物理的に楽です。というのは、他所の田んぼは多くのところで、倒伏しているからです。
 うちが他所の田んぼを刈るということは、その他所様はほんの小規模だけ作るいわゆる兼業農家で、言ってしまえばアマチュアです。稲作りが上手ではないので、倒します。まあ、ちゃんと上手に作る人ももちろんいますけどね。
 今年は異常な晴天が続いた後、今度は異常な雨が連続したから倒れたんだ、と天候のせいにする人はよくいますが、こちらに言わせれば、倒伏の原因の60%は肥料のやりすぎで、残りのうち30%は水管理の甘さです。


 愚痴はまあそれくらいとして、私は米農家として、普通に街中を車で移動している時も、田んぼがあるとちょっと注意して見てしまうのですが、ここ数年で雑草がムチャクチャ生えた田んぼがやたら増えてきたような気がします。遠目で一瞥して、うっひゃーあれは酷いと思う田んぼがたくさんあります。
 遠くからでも目立つ雑草といえばほとんどヒエやクサネムですが、ヒエは大きくなると株がやたらでかく、しかも硬くなるので稲刈りの邪魔どころか、下手をするとコンバインを壊すほどですし、クサネムは黒い種がコメの中に混ざって、検査で引っかかると等級が確実に下がります。そんな草が少し生えているだけならともかく、こりゃいったい稲を作っているのかクサネムを作っているのか?というくらいに生えているのを見るともうほとんど笑いがこみ上げてきます(^^;


 そんな雑草が多い田んぼは、実は専業農家が作るところの方が多いです。小規模の人は田んぼ一枚一枚に時間をかけられるので、むしろ作業は丁寧になります(大規模でもきれいに作る人ももちろんいますけど)。
 で、雑草が酷い田んぼが増えているということは、専業農家の規模が拡大している・・・つまり兼業農家がどんどん減っているんですね。身近でも、田んぼをやめる人は多いです。みんな年寄りだし、息子もやる気ないしで。


 専業農家の規模拡大だって無限に出来るわけはありませんし、そろそろ農業現場崩壊に向けて具体的な動きが出てきた、クサネムの大群はその前兆なのかもしれません。


koume

 大阪の三笠フーズによる工業用米の悪質なる転用事件は、コメ農家としては見過ごせない事件ではありますが、報道自体が全くその通りとしか言えない内容だったので(まあ、悪いことを悪いと言ってるだけだから当然ですが)特に今まで取り上げてはいませんでしたが、一応上げておかないと将来自分でも忘れそうなのでアップします。


 報道によると、基準値の5倍以上のメタミドホスやマイコトキシン(カビ毒)が残留した工業加工用のコメを食用にも使っていたということで、もちろん同情の余地など無い悪質な事件です。ちなみにコメについてただ単に加工用米と言うとお煎餅や味噌や発泡酒などに使われる食用加工米となります。今回の報道ではほとんど工業用米と言われていたようなので誤解の余地はありませんが。工業用米は糊などに使われます。
 ところで私が見た初期の報道では汚染米と言っていたのですが、少なくとも私が「汚染米」と聞いて最初に思いつくのは、カドミウムや水銀などのせいで土壌自体が汚染されているがゆえに影響を受けてしまった品物で、もちろんそんなものは一般食用に流通することなどありません。重金属に汚染された田んぼは汚染地区として指定されていて、そこで収穫された作物がまともに検査に通ることはないからです。おそらく農業関係者にとっての汚染米とはこちらのことを指す方が多いので、農薬やカビが基準以上に付着したコメを汚染米と呼ぶのはやめたほうがいいでしょう。


 一般的な食用米は業者価格で60キロあたり14000円~18000円ほどで、食用加工米は3000~5000円ですが、工業用米は60キロ500円あまりと非常に安価で、つまりこれを食用に回すことは大きなコストメリットはあります。ありますが、職業倫理としては最もやってはいけないことでしょう。
 一般的にはさほど話題になっていないかもしれませんが、工業用米ではなくて食用の加工米が一般食用米に転用される事例は近年、コメ業界で大いに問題視されています。工業用米ほどではないにせよ、確実にコストメリットがあるのでやっている業者は確実に存在します(JA自身がやっているという噂もある)が、農家にしてみれば3000円で作ったコメを勝手に付け替えして高く売られても到底納得できません。ただでさえコメが安くてしょうがないのに。

 はっきり言いますが、安売り店にたまにあるものすごいダンピング米には、このような転用米が入っている可能性はかなり高いと思います。


 さてこのニュースに触れて一番気になっているのは、今回の三笠フーズが使ったコメの危ない部分で「基準値の5倍以上のメタミドホスが残留していた」とよく紹介されている点です。もちろん、中国製ギョーザ事件で一躍話題になったメタミドホスは、現代の農薬の中でもLD50がかなり小さい(危ない)方の代物ですし、ネームバリュー?もあるので使いたい気持ちもわかりますが、今回の場合はおそらくカビ毒の方が危険です。


 もちろん、本当に危険かどうかは、カビ毒がどれほど残留していたのか、それは基準値の5倍のメタミドホスと比べてどれほどリスクがあるのか、そもそもコメ基準の5倍のメタミドホスはどれほどのリスクがあるのか、それらがどの程度消費者の口に入ったのかを考えないと実際にはわかりません。
 が、それらの検討をした上でメタミドホスの方が危険だから紹介しよう、とマスコミ各社が判断しているとは到底考えられません。特にカビ毒の中でもアフラトキシンは、何回も紹介していますが地上最強の発ガン性物質と言われており、煮ても焼いても減らず、どれほど付着していたのか知りませんが(調べればどこかのニュースが数字を出しているかもしれませんけど)もし相当少ない量であったとしてもそれでもメタミドホスより高リスクだろうと予想します。


 別に食品報道だけに限りませんが、最近の報道は、悪い出来事を単に悪いとだけ言う極めて単純なものが多すぎます。三笠フーズの件にしても、ただ叩くだけではなく、使いようによっては食品の安全性の問題や食品添加物の問題(輸入品の輸送中に発生するマイコトキシンを抑える有効な方法の一つは、食品添加物であるポストハーベスト農薬を使用することです)などを考える契機となる絶好のケースに出来ます。そんなことをやる方が、単にダメダメ言ってるより面白いと思うんだけどなあ。
 事件の教訓は各業者が勝手に活かします。マスコミはそっちの方はほっといてくれていいですが、それとは別に視聴者に対して、本当に有益な情報と思考で啓蒙する。それこそマス・コミュニケーションでしょう。本当はマスコミ本人もそういうことやりたいと思うんだけど。


※追記

 エントリをアップした直後、ここの米を使って作った焼酎を店頭から撤去したとかのニュースを見て、引っかかっていたもう一つのことを思い出しました。


 まず焼酎に限って言えば、おそらくメタミドホスもマイコトキシンもリスクは残っていません。もちろん焼酎自体を検査してみないとわかりませんが、たぶん残留は無いはずです。

 風評被害が怖いのは理解できますが、私の個人的な希望ですが、ちゃんと検査をして問題が無かったのでそのまま売るという選択もありだと思います。実際に問題が無いからです。当然、万が一残留があれば撤去すればいいんですが、調べても無いままに撤去するのは賢明かどうかといえば、単に判断を放棄しているだけであり、不味い風評に無根拠な根拠を与えているだけです。


 今回の三笠フーズの件は、悪質な事例ですが、なぜ悪質かと言えば法にも企業倫理にももとる行為をしたから悪質なのであって、工業米にメタミドホスが残留していたから悪質なのではありません。もっと言えば、工業米に何らの残留農薬も無くても、こんなことをしてはいけないし、同様の処分を受けるべきなのです。

 そこを履き違えては困りますが、真正面から履き違えた報道ばかりです。


 なんだ、報道に文句は無いとか最初に書いておいて、けっこうあるじゃねえか(笑


koume

 商経アドバイス  9月4日号より



 韓国の最新コメ事情~売り場の主役はまだ20キロ袋 日本製で店頭精米も


 写真は、韓国と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を南北に分断する非武装中立地帯(DMZ)の外国人観光客向け土産店でのひとコマ。ここではなぜか精米も売られていて、10キロ袋のほかに置いてあるのは4キロ袋と20キロ袋。頑丈な紙製の20キロ袋は、まるで日本のセメント袋のような大きさで、存在感も圧倒的だ。DMZ米の価格は4キロが日本円にして約1100円、10キロが約2500円、20キロが約4700円。


 かつてほど米を食べなくなったと言われる韓国だが、それでも外国人観光客向けの売店で20キロ精米の販売が見られるように、まだまだ主力パッケージは20キロ袋のようだ。そのようすは、都市部においても変わらない。


 ソウル市の中心部・ソウル駅に隣接するロッテマートでは、精米商品の品揃えに圧倒される。同店ではコメ売り場にタイワの小型精米機・コメック3000を設置して店頭精米にも対応。日本製精米機でおいしく精米できる点をアピールするパネルまで掲げていた。


 ここロッテマートでは、20キロ精米が売り場の大半を占めており、8アイテムの品揃えがみられた。日本円にすると、2780~5580円の価格設定。最安値の商品と最高値の商品の価格差は約2倍で、商品のバラエティーは豊富だ。一方10キロ袋は、7アイテムが2500~3080円の設定。そのほか5キロ袋は4アイテムで1580~2280円、4キロ袋は2アイテムで1200~1280円、3キロ袋アイテムは1250円のみだった。


 日本の都市部の量販店ではおおむね2~5キロ袋アイテムが主流で、さらなる小袋化も顕著だが、お隣の韓国ではまだまだダイナミックな20キロ袋が幅を効かせている。



 えーっと日本では、店頭でまだ10キロ袋を見ることは出来ますが、重くて他の買い物の邪魔だと言われてあまり売れません。うちも、商店売りのものに10キロ袋の設定はありません(直販ならあるけど)。買い物するおばちゃんたちは、10キロくらい楽々扱えそうな腕(かいな)した人ばっかりなんですけど・・・それはどうでもいい。
 しかし韓国は今でも20キロが主流なんですか。どんだけ強いねん・・・(^^;こっちでは飲食店向けの業務用ですら、30キロ袋(コメは収穫・乾燥調整後にまず30キロ袋に詰めて、それを小分けする)は重すぎて嫌だとか言われているのに。

 それともう一つ、日本の今どきのご家庭ではコメの消費量が少なくなっているので、5キロもあればひと家族1か月分くらいあるんですが、と言うことは20キロもあれば4ヶ月近くももってしまう。韓国ではコメの消費量が少なくなっている、と言ってもまだまだけっこう食べているんでしょうか?3ヶ月も4ヶ月も家庭内で保管すると、下手すると虫が湧いたりしますし、そうでなくても乾燥しすぎると不味くなりますからね。


 小分けするのってはっきり言って面倒くさいんですけど、商売としてはそれくらいはやんないと少なくとも日本ではやっていけません。韓国の消費者は納得してるんでしょうかね?


koume

 大野病院事件の判決を受けて、特別編をアップしました。コンテンツ内のリンクとしては、その3から貼ってあります。


http://www.geocities.jp/vin_suzu/iryou3-2.htm


 判決直後にアップしようとは考えていたんですが、何だか進まなくて、そのうち控訴期限が近づき、せっかくだから確定してから・・・とずるずる延ばしてこの有様です(^^;


 通常の続編も製作中ではあります。けどけっこう時間かかりそうです(^^;;;


koume