結局農水省が何も分かってなく、自給率低下の危機意識もない良い証拠を見つけた(笑
不測時の食料安全保障マニュアル
http://www.kanbou.maff.go.jp/www/station/manual.pdf
たまたまひょんなことで知りました。平成14年に決定されて、平成18年4月に最終改定されているようです。今日で知りませんでした(^^; koumeさんも知らなかったそうです。食糧危機が起きたときにどうすれば良いかをまとめたマニュアルです。その危機度合で、レベル0~2に分けています。
レベル0: 事態の推移如何によっては、食生活に重大な影響が生じる可能性(e.g. 大不作の予測、輸出規制の動き、貿易等の混乱)
レベル1: 国民が最低限度必要とする熱量の供給は可能と見込まれるものの、特定の品目の需要が逼迫することにより、食生活に重大な影響が生じるおそれがある場合(e.g. 米の大不作の発生、輸出国における輸出規制の実施)
レベル2: 国民が最低限度必要とする熱量の供給が困難となる恐れがある場合(1人1日あたり供給熱量が2000kcalを下回ると予測される場合)(e.g. 穀類、大豆および関連製品の輸入の大幅な減少)
で、レベル1と2になったらどう対策すればいいか?
・水稲については、水田の表作不作付地を中心に増産を行なう
・小麦については、作期の競合を避けるために表作作物の品種等の変更を行い、裏作可能地での増産を行なう
・大豆については、水田の表作を中心に増産を行なう
・非食用作物等から熱量効率の高い作物への生物転換を実施
・既存農地だけでも必要な熱量の確保が困難な場合は、既存農地以外の土地においても食糧生産を行なう必要がある
表作不作付地とは、簡単に言えば耕作放棄地のことです。耕作放棄地の問題については過去にkoumeさんがいくつか書きましたが、すぐに使えるというものではないのです。・・・そもそも、これは不測事態が起こってから急に増産をしようとしていますが、作物ができるまでどのくらい時間がかかるのか分かっているのでしょうかねえ。んで既存農地以外の土地って、どこでしょう?そこに水はあるのかしら。
更に、
物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合において、価格・流通に関する要請、指導等を行なっても価格の安定が図られないおそれがあると認められるときは、・・・その標準価格を一般消費者の見やすいように表示することを義務つける。・・・・特に必要のある場合には、特定標準価格を設定し、これを超える価格で販売した場合は、課徴金の納付を命じる。
・・・
物価が高騰するおそれがある場合には、食料の公平な割当て・配給の措置を講じる。
この国は社会主義国家か・・・・。農家は米や野菜という商品を販売して儲ける職業です。確かに国民に必須な食料を作っていますが、だからといってボランティア精神でやっているわけではありません。価格の締め付けなんてするなら、食品関係者はどうやって生活してけというのでしょうか。物価が高騰するってことは、生産原価も高騰してるんだけどなあ。今でも「農産物の適正な価格」なんてことは一切考慮されていないのに。
農家は高齢化していますが、若い人がやりたがらないのは儲からないからです。IT技術や化粧品、お洒落といったものは極端に言えば、なくても良いものですが、食料だけはないと困りますよね。そういう我々の生活に本当に必要不可欠なものを大事にしてこなかったのは、最終的に我々消費者の知識・理解のなさに起因するのです。日本の自給率低下の問題や農家の大変さを理解しているならば、家計費の節約のために真っ先にスーパーのセールに走ったり特売日を狙ったりしないでしょう。食料をいかに安く買えるかどうかを考えるよりも、買った食料を無駄にしないようにいかに消費するかを考えて欲しい。今、食品の価格は恐ろしく安いのです。その上、一般家庭からの食品廃棄物は1000万トンにもなると言われています。これは日本での米の年間生産量に匹敵します。
更に、米穀の供給が大幅に不足して、国民生活の安定及び国民経済の円滑な運営に著しい支障を生じる場合は、米穀の販売者や生産者から、米穀を強制的に売り渡しせよ、とのことです。要するに農家はほとんど無利益で商品を取られてしまうということ。
今の農産物は石油で出来ているといってもいいほど石油に頼っており、農産物が減るということは石油の供給が大幅に制約されたからということも考えられるので、この場合は、
・石油消費の多い野菜、果樹、温室栽培、花きに対しては石油の供給を抑制する必要がある
・不耕起栽培等の省エネルギー生産技術の実施や天日の利用による穀物の乾燥など自然エネルギーの利用についても促進する
・緑肥栽培による地力の維持、国内の未利用有機資源(生活廃棄物や家畜排泄物)の活用等を促進する
・農薬製造では殺虫剤と殺菌剤に石油の供給を集中させ、除草剤は人力とともに除草器具等を利用した物理的雑草防除等の活用により代替する。この場合の除草については、労働力の確保に努める
・病害に強い作物や抵抗性品種への転換、太陽熱による土壌消毒等の各種の病害虫防除技術の実施を促進する
はあ、お話になりませんな┐( ̄ヘ ̄)┌
これらの文章は、緊急的に食料を確保しなければならないこととは矛盾しまくり。これらの対策は、それを行なってから効果が出るまで1年以上はかかるものばかりです。
他にも突っ込みどころや酷いところはたくさんあります。60ページものマニュアルを書き上げた意気込みは褒めますが、中身はいい加減この上ない。農水省がいかに現場を知らなくて、不測の事態が起こってから行動するであろうことがよく証明されたであります(笑
日本はこのままで行けば、将来は間違いなくオイルショックならぬフードショックが起こるでしょうね。食品の価格や品質についても二極化されるでしょう。例えば海外産の5kg 1000円以下の安い米と4000円以上の高い国産米。
余談ですが、今月21日に週刊ダイヤモンド
が発売されますが、タイトルが「食卓危機 世界で買い負ける食料と水」です。ほぼ毎日、魚や肉、果ては胡椒などの競りで日本が世界のバイヤーに負けて買えないというニュースが上がりますが、その現実を知るのに良い内容だと思います。週刊ダイヤモンドは以前にも食品関係の記事を出しましたが、あれも良い内容でした。期待しています^^
追加:
日本の農業の限界が分かる「日本は何人養える?」
http://www.es-inc.jp/lib/archives/051017_164712.html
食糧自給に関する内容で、一問一答式なので分かりやすいです。
suzu
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