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VIKI(びき)のブログ

VIDANCE COMPANY 主宰 VIKI
吉祥寺、 三鷹、武蔵野市、杉並区、阿佐ヶ谷にて
ジャズダンス、ヨガのレッスンを行っています
アラフォー、アラフィフ、アラ還&more歓迎♪
初心者歓迎、お子さま連れも歓迎です♪
ぜひご見学にいらしてください!お待ちしています^ ^

【急遽決定しました!】

 

4/5(日)16:00-17:00

吉祥寺「吉祥倶楽部」様にて代行を担当させていただきます

「ストレッチリングボディケア」Yumi 先生の代行です

 

「ゆるほぐ整うヨガ」

 

長年、ジャズダンス、ヨガのレッスンを担当しお世話になった大切な場所でのレッスン

感謝の気持ちを込めて、

会員の皆様に体の変化を実感していただけるよう精一杯努めます

 

お時間が合いましたらぜひご参加ください

お待ちしております!

 

 

 

 

吉祥倶楽部 受付

 

吉祥倶楽部ヨガスタジオでストレッチ

 

 

 

 

よろしければこちらもご覧ください✨

 

 

 

 

◆◇VIDANCE COMPANY レッスンのご案内◇◆

 

・ジャズダンス/各種ヨガクラス

・プライベート/セミプライベートレッスン

 

内容やスケジュールの詳細はお気軽にお問い合わせください

 

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小説家の一日/井上荒野

 

小説家の一日 井上荒野の表紙

 

 

「書くこと」がテーマの短篇集

2017年から2022年まで、5年の歳月をかけて「オール讀物」に掲載された作品の短編集

 

 

 

井上さんのインタビュー記事より

 

通りすがりの話し声

カーラジオから聞こえるお便り紹介

ふとした言葉が小説の素材になるという

小説の種をメモアプリにストックしているとのこと

 

なるべく少ない言葉

『それしかない』と言える表現で小説を書きたいと

 

 

 

 

このインタビュー記事、なんと音声もついてます

 

 

 

 

『つまらない湖』に出てくる小説家と私を重ねあわせて読む人もいるかもしれません(笑)

と井上さんがおっしゃる通り、

私の脳内キャスティングもまんまと井上さんの風貌

 

例えばこんな描写

〈つまらない湖〉

親子ほど年の離れた若い男性との、なんとも言えない会話

 

前略

呼び鈴が鳴った。

その音に私は必要以上にぎょっとして、目をむいて岩瀬を見てしまった。

岩瀬は慌てたように首を振った。

誰かを呼んだのかと私が怒りに燃えて問うたように思ったのかもしれない。

 

事実かと思うほどにリアルで飾り気がなく、

読みながら易々とシーンが想像できる

ぎょっとして目をむくのは井上さん風の女性で

 

 

 

井上さんのお話はいつも情景が易々と目に浮かぶのよ

登場人物たちが生きてるのよ

読みやすいのよ

そしてなんてことない途中に、はっとさせられたりね

 

 

 

この装画、どこか懐かしいような色使いと、教科書のような図形は

yasuo-range(ヤスオレンジさん)という方の絵

 

2020年よりyasuo-range名義でイラストレーションを制作、とあるので

新しい絵なのだけど古風な印象

黄色味を帯びた色が好きなのかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたにだけわかること/井上荒野

 

あなたにだけわかること 井上荒野 書影


 

 

 

 

 

 

ああ、こわいよね

どこへ行くのだろう

すたすた、てくてく、スイスイ、迷いなく歩いて行けるかな

さいごは

 

読後、ひきずる

良くも悪くも

本の世界の持つ、その空気感から全く抜け出せない

 

やっぱり好きだな、井上荒野さん

この何日かは、未読の作家さんの本を読むのにこだわってみたのだけど、

なかなかしっくりくるのに巡り会えず

井上さんの本に回帰したらそうそうこれだわやっぱり安心するわーという

 

人のどうしようもなさ、どうしようもない人を、リアルに、突き放して書く

どうしようもない人たちは、正論では決して救われない

泥臭くて、説明のつかない感情の中に生きている

 

物悲しい安心感

幸せな「時期」を俯瞰して回想するような

 

2人の主人公の、50年余りを描いている

その時々に思うこと、話すことがリアルで物悲しい

余計な心理描写がないのもいい

 

喜びも、悔しさも、どこか他人事のように流れていくこのかんじ

 

 

 

◇以下、ネタばれします

 

 

 

「花、買ってきたんだろ」

たぶんずっと唇のうちにあった言葉を、たぶんそれ故に、父はぎこちなく発する

 

少しずつ壊れていく駿の母

もともと壊れていたのかもしれない

生まれ持った、性質なのかもしれない

世間一般的には、壊れていない方の医師の父が、母を動かし日常を動かすために意を決して発する

 

 

 

わたしたちは笑う。

どうでもいいことをいくらでも話していられる。

実際には、何も話していないからだ。

 

違いを見つめ合うことに夢中になる、好き合う物同士の、ある限られた時期

 

 

 

わたしはもう水の中にはいない、と考えた。

千秋を知る以前のように、楽に呼吸ができるはずだ、と。

でもまだ苦しかった。

 

好き合う恋人の千秋とまだ続けることもできたのに

自分から幼馴染の駿と寝たと嘘の噂を流し千秋と別れる高校生の夏

4才で母を亡くし、父にも持て余され、父の元恋人の家に居候するも、ここでも持て余されはじめていると感じる夏

 

 

 

「そもそもパパはあの女を愛してたの?」

「親子でする会話じゃないだろ」

父は笑った。

いつも本当の表情を見せないー彼が努力することがあるとすればそのためだけのように思える

 

そんな夏の父の、娘に見破られている努力も、晩年にはなくなる

何も無くなっていく

 

 

 

千秋は新聞を読み、雑誌を読み、爪を切った。

ずっと切れていた廊下のダウンライトの電球を替えてくれもした。ひとつひとつの動作が奇妙にくっきりして見えるのは、どれも彼が本当にしたいことではないせいだろう、と思った。

 

動作がくっきり

なんて的確な表現

 

 

 

ひとはひとを愛するときと同じだけのどうしようもなさで、ひとを捨てるのだということ。

 

16歳の時に自分でもよくわからない感情のまま千秋を捨てた夏

16で出会い、17になる前に捨てて26で再会して27で結婚し、

自分が生きてきたのはこれを手に入れるためだったのだとさえ思えたのに

今千秋に捨てられようとしている夏

 


 

お父さんとの約束があると結局その前後も気持ちが拘束されるのよ

 

夏と千秋の娘、16歳の里香もまた

自分の人生を生きている

 

 

 

「本当にいたかどうか、このひとにはわからなくなってるのよ」

 

死んだ早苗の名を呼ぶ、まだらぼけ(まじぼけ?)の夏の父

元「ガールフレンド」の温子(はるこ)さんの腕をつかんで

夏が居候させてもらっていた温子さん

 

 

 

ありあわせの細い針金一本で、いかにも頼りなく枝にくくりつけてあるのに、風が吹いても大雨が降っても巣箱はなぜか落ちない。

きっと永遠に落ちないのだろうという気さえする。

感情や意思を持たないものとしての特権を振りかざして。

 

千秋がかつて娘の里香にねだられて取り付けた巣箱

千秋はいないのに

 

 

 

すたすた歩いていったのではないか。

 

肺に影が見つかり、自分の死を意識し、母の死を思い出し、

自分が死んだら自分の思いはどうなるのだろうとこわくなるもうすぐ定年の駿。

夏の父親も死んだ、失踪から7年経って法的に死んだと聞いて

目的を持って歩いていったのではと考える駿。

 

 

 

「訪問」を改題したらしい

うーん題って難しいね

 

 

 

井上荒野さんの本はたくさん読んだけど

ブログを書いたのはこれくらいか

 

 

 

 

 

 

AIにも聞いてみた

井上荒野の『あなたにだけわかること』は、大人の恋愛、孤独、家族の複雑な関係を淡々と、かつ深みを持って描いた作品です。

感情の揺れや秘密を抱える日常の瞬間を切り取る、独特の筆致で評価されています。

↑AI による概要

ふうん

これはGoogle

 

別のAIは

この物語って結局、

・誰かを本気で理解するのは怖い

・でも孤独も嫌

っていう、人間の業(さが)の話だと思う。

こうまとめてきた

そして最後は質問で返してくるお決まりのパターン

 

また別のAIは

短編集だと言い切って長々とでたらめを言ってきた

否定してやり取りするも、疲弊する、、

 

AIではないけど

帯もなかなかに最悪

 

万人受けする作家ではないと思うし、万人受けを狙わなくても良いと思うんだけどな

 

 

 

「小説家になりたい人が、小説を選ぶ人に聞いてみた。」

というインタビュー記事の中での井上荒野さんの言葉↓

「やっぱり大江健三郎さん。あとは父(小説家・井上光晴)に勧められたサリンジャーの『ナイン・ストーリーズ』も私の原点と言える作品です」 

 

 




おお、「ナインストーリーズ」

高校生の頃、お気に入りの1冊だった記憶が

同じくサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」

こちらは当時大流行で誰かにすすめられたのだけどちっとも夢中になれず

ナインストーリーズは自ら進んで買ったような朧げな記憶

でも内容あまり覚えてない

今また俄然読みたくなってきた!のだけど、どの訳者のにしようか

やっぱり王道は野崎孝訳?昔読んだのはこれだよね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にぎやかな落日/朝倉かすみ

 

朝倉かすみ にぎやかな落日 書影朝倉かすみ『にぎやかな落日』装画

 

この装画、全て意味があるのです

読後じっくり見るのも楽しい

 

 

 

光文社の内容紹介

北海道で独り暮らしのおもちさんは八十三歳。東京に住む娘は一日二度、電話をしてくれる。近くに住むお嫁さんのトモちゃんは、車で買い物に連れて行ってくれる。それでも、生活はちょっとずつ不便になっていく。この度おもちさん、持病が悪化し入院する ことになった――。日々の幸せと不安、人生最晩年の生活の、寂しさと諦めが静かに胸に迫る物語。


 

 

「書きながら、母と同じ体験をしたような気持ちになりました」

という朝倉さん

読んで、私も老いを体験したような気持ちに

「悲しい」という言葉がいつまでも胸に残る

老いを実感して、「しんしん悲しむ」

 

悲しいなら、いっそわからなくなってしまえ

と思う

この本の主人公、おもちさんは

少しずつ、なんだかちょっとわからなくなる

たまに正気に?戻って

悲しくなる

 

おもちさんのリアルな日常

おしゃれも好きで、社交的で、家族や友人にも恵まれている

悲しいばかりじゃないけど

読後、じわじわ胸にくる

リアルが刺さる

 

おもちさん、島谷もち子さん

朝倉さんのネーミングセンス

わたしはとてもしっくりくる

カラスのパンやさんを思い出したけど

関係あるのかないのか?

オモチちゃん かわいい

 

 

 

山本周五郎賞受賞作『平場の月』から二年四カ月、

待望の朝倉作品が刊行された。

今作は、80代のひとりの老女の内面に寄り添う、

人生最晩年の物語。

誰もがいつかこんなふうに感じる老境の心情が、

静かに切々と迫ってくる。

 

インタビュー・文 杉江松恋

 

 

 

 

 

 

 

平場の月のブログはこちら

朝倉さんの「ゴムのスカートを履く」が衝撃すぎていまだに忘れられない

 

 

 

 

以下、ネタバレします

 

 

 

どのみち満腹はしあわせだ。

しあわせなことなのだ。

ひもじいよりずっといい。

しかも、このごろでは、なにごとかをやりとげたきもちになれる。

 

昼ごはんをがんばって平らげた83歳のおもちさん

毎度のごはんを残さず食べるようにしているおもちさん

 

 

 

満八十三歳。

お、今日は調子がいいゾ、とかすかにうなずく。

頭の中がいつもよりハキハキとした感じである。

 

自分でもどうも調子が悪い(ボケている)と感じている

うっすら気付きつつも、向き合わない

知らないふりをするおもちさん

 

 

 

ンー、「今」がずうっとつづくなんてこたないよネェ。

けど、「今」を「今」だと思える「今」は、そう思えなくなるときまで、いつまでも、ずうっとつづくのではないか、と、そんな発見がどこからかやって来て、おもちさんの胸にとまった。

「あたし、ひょっとすると、ずうっと生きてるかもしれないネ」

 

 

 

 

「だれかの世話にならないば生きてけないんならサー、

赤の他人のほうが絶対いいヨ。

ビジネスライクが1番サー」

 

身内は遠くにありて思うもの、という入院仲間の野森さん

 

 

 

でももう満八十四歳。

生来の癇症は影をひそめたと自分では思っている。

いつのまにやら温厚なおバアさんになっちゃった。

正直言って、チョッピリつまらない。

 

注意深くバスのステップを降りたのに、泥の水たまりをバチャっと跳ねさせてしまったおもちさん

独りで失敗した時、困った時に衰えを実感するという

ショックを受けたり腹を立てる馬力はなく、

「しんしんと悲しむのみ」なのだという

 

 

 

いつも、ほんのちょっとだけがんばっている感じがする。

ー中略ー

起きること、起き上がること、着替えること、歩くこと、

いちいち全部、ほんのちょっとだけがんばっている感じがする。

美味しいときも、楽しいときも、嬉しいときも、からだのなかのどこかで、なにかを、ほんのちょっとがんばっているのだった。

 

夫の勇さんが特養に入所

長男の嫁のトモちゃんがよく来てくれて

娘は1日2回電話をくれる

そうやって初めての一人暮らしをがんばっている、満82歳のおもちさん

 

 

 

自分なりに楽しんでいるおもちさんが

「今がずっと続けばいいな」と生きていく話なので、終わらないように終わりたかった。

という朝倉さん

このお話は、生きているおもちさんの話でよかった

 

読み終わったら「たんす、おべんと、クリスマス」

このワードで泣ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家族じまい/桜木紫乃

 

家族じまい 桜木紫乃 書籍カバー

 

【第15回中央公論文芸賞受賞作】

「ママがね、ボケちゃったみたいなんだよ」。
突然かかってきた、妹からの電話。
両親の老いに直面して戸惑う姉妹と、それぞれの家族。
認知症の母と、かつて横暴だった父……。
別れの手前にある、かすかな光を描く長編小説。

(Amazonの紹介文より)

 

 
 

いつも何かを知りたくて小説を書いている

という桜木さん

『家族じまい』は、『ホテルローヤル』を載せた「小説すばる」の担当編集者に、

ホテルローヤルの“その後”を書きませんか、と言われたのがきっかけだったとのこと

 

終わりを意味する「終う」(しまう)ではなく、

ものごとをたたんだり片付けたりする「仕舞う」(しまう)

 

そんな桜木紫乃さんのインタビュー記事

(記事中にネタバレあります)

 

 

 

桜木さんの直木賞受賞作『ホテルローヤル』について以前書いた記事

 

 

 

 

以下感想、ネタバレあります

 

 

読後思ったこと

桜木さん、プリン食べさせてくれてありがとう

 

インタビュー記事の中で

自分と向き合って書いたとおっしゃっていた桜木さん

一読者の私も、向き合う向き合う向き合わされるー

 

最後の章が、82歳視点というのも良かった

なんて薄情、、

情がない、、とふつふつ思いつつも

果たしてそうだろうか

私には情があるのだろうか、と考えさせられる

 

目の前のことを、ただ淡々と積み重ねていく毎日 

慈しむでもなく、ただ受け入れて生きていく 

私はこれから、どんな顔をしてこなしていくのだろう 

毎日、目の前のことを、、

自然と自問する

 

 

 

〈第1章 智代〉

 

息をひとつ吐いてから感情の在処を探す。

一拍おいてから掘り起こされる感情はいつもほんの少し冷えている。

しなやかな柳のような男だと思っていた夫の頭に、10円ハゲを見つけた智代

(サトミの長女48歳理容師)

へぇと、驚きでも心配でも笑いでもない自分の「へぇ」の客観視

 

 

 

寒さにしびれる腰や太ももといった自覚症状があるせいで、悪気のないひとことを素直には聞き流せない。

湿布を貼っているところに帰宅した夫のことば

「素直に転んだほうがいい年でもないんだろうねえ」

転ばないよう踏ん張って痛めた、48歳智代

 

 

昨夜から一歩踏み出して得られた時間は何の変哲もない親子二代の風景なのだが、

この一瞬を手に入れるために歩いた回り道のことを考えると、

智代の心もちは少し乱れる。

親も自分も、もう若くはないという諦めが、明日をほんのり明るくすることがあるのだった。

3年ぶりに元旦に夫と実家に行き、両親の変化を見る

明日をほんのり明るくするのは諦め

 

 

 

声に出さず「二十八歳」を胸の内側で上げ下げする

義弟に嫁いだ若い嫁を思い、「二十八歳」を上げ下げ

上げ下げ

 

 

 

〈第3章 乃理〉

 

「ごめんね、心細い思いさせて」

つるりと口から滑り出た言葉に、乃理自身が驚いていた。

次女乃理乃の口からつるりと滑り出る

認知症の母と二人暮らしの父

そんな父も入院することになり「俺が先に死んだら」

親の口からとうとう冗談抜きの「死んだら」話が出て、つるりと滑り出た言葉

 

 

 

正論はできるだけ尊敬にまぶして放たなければいけないと、気づいたときは遅かった。

尊敬にまぶして放つ

娘のいる函館に家を探す段で、新築戸建てにこだわる父に

歳を取ったらあまり物を持たず暮らすのが良い、などと言ってしまうサトミの次女乃理

 

 

 

〈第四章 紀和〉

これ、キワ、と読む

女性なのだけど、のりかず、じゃね?

ここはなぜ急にサックス奏者?外目線にしても、、

と思ったら、桜木さんがサックスを習われてる(た)そうで

今でも続けてるのかな?

 

 

 

父はここで金を受け取る娘の恰好悪さには気づかない。

恰好悪さ

格好悪さではなく

離婚した別居の父が26歳のサックス奏者の娘に罪滅ぼしでくれる3万円

なんともリアルな金額

2万でもなく5万でもない

 

 

〈第五章 富美子〉

 

面倒くさい。

お互い元気で死にましょう。

縁を切ると、還暦の娘に言われて元気で死にましょうという82歳富美子

(認知症のサトミの姉)

 

 

 

捨てることに大きな意味を持たせ、

罪悪感に蓋をする娘に何も言い返せないのは、

対等だと思っていなかったせいだった。

富美子は娘に捨ててもらうことで子育ての負い目を反転させ「勝ち」を得たのだ。

対等なんてものは、双方の無理が生む幻みたいなものだった。

大きな意味を持たせなければ母を捨てられない娘60歳

60歳の娘とは対等ではない、と思っている82歳母

 

 

 

ーその「いつも」が「稀」になってゆくのが老化ってやつですよ

いつも通りの編み物

いつも通り立ちあがろうとしてクラっとなり自分に語りかける82歳の独り言

 

 

 

富美子の内側にひたひたと冷たい水が満ちてゆく。

30年も会っていない富美子の次女

とうの昔になくし、影も形も残っていないのだと、あらためて思う

 

 

 

あちらこちらに散らばるようにしてそれぞれの事情が転がり、

いつしかみな、その事情に足を取られながら歩いている。

家族、それぞれの年代のそれぞれの老い

 

 

 

執筆当時、桜木さんは55歳

自分の両親、夫の両親、4人ともご健在

毒にならない親なんていないとの考えをお持ちで、

55歳で辿り着いたのは「親を否定しても始まらない」ということ

自分を肯定したいんだったら、否定したい親から離れる

 

 

 

 

 

婦人公論 対談 前編

 

婦人公論 対談 後編

 

 

 

 

 

そして、桜木さんの初の絵本は「家族じまい」に関連している

『いつか あなたを わすれても』