幕が上がる/平田オリザ | VIKI(びき)のブログ

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幕が上がる/平田オリザ

 

 

 

 

装丁/bookwall

カバー画・挿画/米田絵理

 

 

 

 

 

 

 

この米田さんの挿画、とても素敵です

(紙が薄くて裏写りしてしまってますが)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お話は、ど真ん中の青春群像劇

演劇的視点が、舞台制作する立場からして共感箇所多数

 

 

 

 

 

◇以下ネタバレします

 

 

 

 

「この小さな街に生きている高校生たちの、日常が立ち現れてくるといいんだけど」

「立ち現れる」って何だ?

 

作り物はそうと分かる

 

 

 

こうやって小説とかにしてもらえば、あぁ、たしかに私たちってそうだなって思うけど、

でも、やっぱり自分のことはよくわからない。

 

自分のことは、大人だってわからない

 

 

 

私たちの人生のだいたいの時間は、そんなに波瀾万丈のものじゃない。

じゃあ、そういう時間は、本当にお芝居にならないのだろうか?

 

その何もないようなだいたいの時間が

過ぎてみれば宝物

 

 

 

 

あなたたちの悩みや苦しみをことさら書かなくても、

きっとそれは、どこかににじみ出てくるってこと。

 

普通だと思っていることは、人それぞれ違う

 

 

 

 

あぁ、何という快感。

恥ずかしいという気持ちもあるけど、でも自分の言葉が音になっていくのは、

やっぱり素敵だ。

 

ただひとり頭の中で鳴っていた言葉が

他の人の口から音になっていく快感、とてもよくわかる

 

 

 

「言いたい台詞ばっかりだよ」

「言ってるじゃん」

「もっと言いたい。死ぬほど稽古したい。」

 

「もっと言いたい」

「したい」になったらもう進んでいく進んでいく

 

 

 

稽古をすればするほど、芝居がつまらなくなっていくときがある。

それは偶然の面白さに頼っていると、やがてその面白さが劣化して、ただの惰性になってしまうのだと先生は言う。

だから計算した演技しか残れないのだと。

 

偶然の面白さに頼っている、耳が痛い

計算する、何度も同じ結果を出すことの苦労と喜び

 

 

 

指先が震えて、それをおさえるのが難しい。

舞台上で一度手が震え出すと、本当に止まらないんだ。

 

焦れば焦るほど、震えていくよね

 

 

 

「思い出して、小ちゃく謝るのはなし。

反省はあとで、みんなで、一緒に」

 

「きちんと全体で問題を把握する。

すぐに謝っちゃうのは、逆に責任逃れ」

 

 

 

 

私たちは、「ベストの状態なら勝てる」

ということに甘えていなかったか。

ベストの状態同士を比べても仕方がない。

 

体調が悪い時でも出せる力を上げていく

最低ラインの底上げ

 

 

 

私はどうも、等身大のふりをして高校生の問題をわざと深刻に描くような芝居が嫌いなみたいだ。

 

高校生に限らずそんな芝居はいやだ

 

 

 

〜前略〜

生活のためのけづられたり

自分でそれをなくすのだ

すべての才や力や材といふものは

ひとにとどまるものでない

ひとさへひとにとどまらぬ

 

 

作中、引用されている宮沢賢治の詩「告別」

 

 

 

 

「大人になるということは、人生のさまざまな不条理を、どうにかして受け入れる覚悟をすることです」

 

主人公が国語のお爺ちゃん先生に習ったという

 

 

 

ジョバンニが、親友カンパネルラの死を受け入れていく。

〜中略〜

親友を失う辛さ、その理不尽さに耐えるためには、宇宙を一周巡るほどの旅が必要だった。

 

宮沢賢治「銀河鉄道の夜」

(原作では「カムパネルラ」だが、本作品中では「カンパネルラ」としているとのこと)

 

 

 

十三歳から十五歳くらいまで、たしかに私は、何かに苛立っていた。

〜中略〜

私は、何ものにもなれない自分に苛立っていた。

 

ホルモンの影響と、ストレス

持て余してみんなイライラしている年代

 

 

 

 

2015年に映画と舞台同時上演だったらしい

平田オリザ×本広克行×ももいろクローバーZ
 

「自分が書いた作品なのにずいぶんと泣かされた」

映画のラッシュを観ての平田さん談

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サンシャイン劇場で上演された舞台のサイト

脚本、演出/久保田唱さん

日向坂46の森本茉莉さんと山口陽世さんのW主演