硬貨と切手 | スペイン王室

スペイン王室

スペイン王室の現役メンバーから、遡ってその先祖の方々まで、おもしろそうな逸話をピックアップしてお届けします!

大変ご無沙汰しております。
8月末から体調を崩しておりまして、ブログの更新がままならない
状態です。とは言え、少しずつとは言え、調子も上向きではある
ので、比較的気分の優れた日に、短い内容の記事から少しずつ
から、書き始めていこうかと思います。

さてさて、日本とは異なりまして、西洋ではアレキサンダー大王
や古代ローマの時代から皇帝や国王ら君主の横顔を通貨である
コインの表のデザインにする習慣がありました。時代が下りまして、
紙幣と言うものや切手と言うものが発明されると、そちらの方にも、
主に君主の斜め正面顔が印刷されるようになりました。それに
よって、国民は、給料を手にし、買い物などをする度に、金銭を
目にしたわけですから、今のようにテレビのない時代でも、人々
は自分達の君主の顔を自然日々目にし、君主側は、己の権威
を国内外に示すことが出来ました。

この習慣は、西洋の王国の全てが立憲君主国に変わった今でも
続いており、EU通貨統合により、紙幣には君主の肖像は印刷
出来なくなった(英国を除く)今でも、各国の君主の横顔がユーロ
の通貨に、そしてその肖像が、通常の切手に印刷されています。

近年、オランダ、ベルギー、スペインで代替わりがありましたが、
そう言った国では、代替わりがあった際に、新国王・女王の肖像入り
のデザインで通貨を作り直さなければなりません。

まあ、代替わりがなくても、君主も年をとり、顔が変わっていくので、
20年に1回くらいのでペースでしょうか、デザインチェンジされます。
ちなみに、在位年数最長のタイのプミポン国王の硬貨のデザインは
2回デザインが変更されています。英国のコインも確か同じだと
思います。紙幣は、より変更に予算がかかるのか、プミポン国王の
お顔もエリザベス女王のお顔も硬貨より多少若めですね。

今のところ、スペインで流通しているのは、未だにフアン・カルロス
国王(スペイン)とベアトリックス女王(オランダ)、そしてアルベール
国王(ベルギー)の硬貨で、フェリペ国王の新硬貨は流通していませ
ん。ただ既に新国王らの通貨は存在してはいるようです。http://www.fnmt.es/image/journal/article?img_id=99617&t=1363697591621

フアン・カルロス国王の肖像入り1ユーロコイン



↑フェリペ国王の肖像入り新1ユーロコイン(左)、2ユーロ
コイン(右)何か、顔が若若過ぎるような??美化し過ぎ??



それではさて、本題に入りましょうか。

この度、記念切手ということで、なんと弱冠9歳のレオノール皇太女
の肖像入り切手が本日付で発売されました。一枚1ユーロで、計31
万枚発行されます。これは、毎年10月に、アストゥリアス地方の
オビエド行わている“スペイン皇太女賞(Premio de la Prncesa de
Asturias)”を記念して作られたもので、切手の背景には、賞の
授与式が行われる劇場も描かれており、下の写真に写っている
トロフィーはジョアン・ミロのデザインによるものです。


sellos princesa asturias

leonor sello



しかし、なぜ、父国王の即位から1年2ヶ月たった今、突然切手を発行
されたのでしょう?

実は、お父君のフェリペ国王は、レオノール皇太女より一つ上の9歳で
皇太子になられました。。そして、その年のうちに、国民に
そのことを印象付ける意味でも、フェリペ皇太子の記念切手が販売
されました。(切手左)レオノール王女も、その父君の前例を踏襲
されたのでしょう。




↑フェリペ皇太子の切手(9歳、左)、フェリペ6世の切手(右)


ただ、レオノール皇太女ですが、まだ小さ過ぎると言うことで、
スペイン皇太女賞の受賞式には、参列されず、代理で母
レティシア妃がご出席されています。そして、この切手の写真
ですが、切手用に特別撮影されたものではなく、2013年撮影
のものだとか。これくらいの年だと、2年で大分成長するものです
が、何でしょうね。父国王即位頃のイメージを狙ったのでしょうか。  

最後にこの切手、発売も今年の12月31日までなら、使用も
12月31日以降と言う規制付きだそうです。

切手コレクターの方、いかがですか???