スペイン王室

スペイン王室

スペイン王室の現役メンバーから、遡ってその先祖の方々まで、おもしろそうな逸話をピックアップしてお届けします!

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ず~っと、頭の片隅にはあったんですよね、

“そう言えば9月からビクトリア・フェデリカちゃん、どこのインター
校に通っているんだろう?”

って。

“予定通り、環状高速道路沿いのインタに通ってるのかな?でも、
マドリード中心部にあるインターは人気だから、空があるのかな
?”

とか。それで、今何気にネットで検索してみたら、滅茶苦茶驚き
ました!!!記事を読む前から、その制服姿の写真を見て、
ピンと来ましたもの~!!!


これ、我が家から徒歩3分のSt. George International Schoolの
制服じゃない、って!!!St. Georgeは、我が家と息子が通う
学校の間にあるため、私、毎日息子のお迎えの行き帰りに、この
学校の前を通るんです。St.Georgeの方が、下校時間が多少早め
なせいか、今まで気付きませんでしたよ。ちょっと、今日は、家を
早めに出て、張って見ようかしらん???



Victoria FedericaVictoria FedericaVictoria Federica

↑登校時とおぼしきビクトリア・フェデリカちゃん。


ただですねえ~、このSt. George International Schoolなんです
けれど、実は2年半前、私達家族がスペインに越してきた時にも、
うちの子2人の学校選びのために、見学及び話を聞きに行ったこと
があるんです。計5校くらい見に行きましたが、印象は5校最低
でした。と言うのも、まだ新しい学校のようで、インフラは整っていない
し、生徒数も少ないため。だから、来る者は拒まずで、編入試験も
ないんです。よって生徒のレベルが未知数・・・。そして、生徒数が
少なければ、当然学費も集まらず、経費がなければ、インフラ整備は
進まず、教師の質まで下がるでしょう。結果、St. George International
Schoolは、他のインター校に入れなかった子が行く学校と言う印象を
持っていました。ビクトリア・フェデリカちゃんは、2年ほどイギリスの
全寮制の学校に通っていたのに、何故にSt. Georgeを選んだのか?
正直疑問です。

でも、どうせなら、うちの子の学校に来て欲しかったですね。、一学年
差だけれど、うちの娘がご学友になれたかも???。よく学期の途中
でも編入生が入って来るって、娘が言うから、問題なかったと思うのに。
残念、残念・・・


St. George´s de La Moraleja

↑St. George International Schoolの入り口
1935年1月14日に、ローマにて執り行われたベアトリス王女
の結婚式にて再会されたフアン皇太子とマリア・デ・ラス・
メルセデス王女ですが、当時フアン皇太子はアルフォンソ13世
やご兄弟と共にローマにお住まいだったものの、一方の王女は
ご家族とパリ在住でした。そのためお二人は、当面文通などを
通して結婚を前提としたお付き合いを始められたそうです。


carolathhabsburg:  Newlyweds: The Count and Countess of Barcelona, parents of King Juan Carlos:

↑マリア王女とフアン皇太子


結婚式の日取りは、お2人が再会されてから9ヵ月後の10月
12日、ローマのサンタ・マリア・デ・ロス・アンヘレス教会にて、
と定まりました。亡命中の身故でしょう、結婚式に関する細かい
打ち合わせには、フアン皇太子おん自らがパリまで出向かれた
そうです。とは言え、当時の交通事情及び亡命中のスペイン王室
ご一家の懐事情では、ローマとパリ間を何度も行き来することは
出来ません。結果。双方の打ち合わせが不十分であったこと、
フアン王子の母であるビクトリア・エウヘーニア王妃がローマに
おらず、結婚式にはノータッチであったこと、マリア王女側も
パリ住まいで、結婚式自体の準備にはノータッチだったことなどが
原因で、後々結婚式当日になって、花嫁にとっては、悲しいトラブル
が起きることになります。

さて、一方のスペイン本国では、この結婚式に際し、王室寄りの
ABC紙が、何とローマ迄での列車での往復ツアーを企画したそう
です。一等車に五つ星ホテル滞在で当時の価格で990ペセタ、
二等車に二級ホテルで約3分の1の370ペセタ。

この額、調べてみたのですが、現在の貨幣価値で幾らくらいに
なるか、分かりませんでした。ただ、アルフォンソ13世の治世下
に、発行された、金貨のうちの一つが、

アルフォンソ13世25ペセタ金貨
1876年発行
直径 24,09cm
重さ 8,08グラム
千分率 900‰




まあ、この金貨発行から、お2人の結婚式まで60年経過して
いますからね、インフレもそれはあったでしょう。でも、それに
しても、金貨一枚が25ユーロで、結婚式参加のパックツアー
が安くて370ユーロって、やっぱり高いですよね。フランコの
次代になっても、財産を守り通した貴族階級とかが、はるばる
出掛けていったんでしょうねえ・・・

しかし、そうしてローマに辿り着いた王党派の人々ですが、
その多くは、これを機に、アルフォンソ13世は退位され、王位を
若いフアン皇太子に譲られるべきだと主張したそうです。まだ
フランコ政権樹立からそう年月も経っていない頃のことです。
彼らは、この結婚が、王政復古の絶好のチャンスと見たの
でしょう。とは言え、アルフォンソ13世には、亡命中とは言え、
フアン皇太子に譲位する意思は全くなく、フアン皇太子も、父
国王に対して忠実に、父を譲位に追い込むような意思はないと
答えたと言います。

さて、結婚式の方ですが、まず前日の午後4時からアルフォンソ
国王のお住まいのグランド・ホテルにて、マリア王女をスペイン
からの招待客に紹介するレセプションが開かれました。その
レセプションには、アルフォンソ国王、マリア王女のご両親も
ご出席されましたが、ビクトリア・エウヘーニア王妃は、ベアトリス
王女及びハイメ王子の結婚式同様ご欠席でした。スペイン人は、
家族の絆を大事にします。そのため、レセプションの出席者の
中には、

“如何なる事情があれ、母たるものが、子供の結婚式と言う晴れの
日に、顔を出さないとは。”

と、王妃のイギリス人?的性格の冷たさを批判しました。他の子供
達(王子、王女たち)も、経済的に父国王に頼っていることもあり、
父国王寄りだったようです。とは言え、それは、公の文献に書かれて
いること。実際は、どうだったんでしょうね。


そして、いよいよ結婚式当日となります。



↑結婚式前夜のレセプションでのフアン皇太子とマリア王女。
今年フェリペ国王とレティシア王妃ご夫妻がお送りになったクリスマスの
グリーティングカード及びそれに同封されていたフアン・カルロス国王と
ソフィア王妃のサイン入りカードが公になり、多少騒動となっています。

下のレオノール皇太女とソフィア王女お二人が寄り添う写真が国王ご
夫妻のカードの表紙となっており、その下の写真がカードの中の
メッセージです。






カードには、

Feliza Navidad y Próspero Año Nuevo 2016
Merry Christmas and Happpy New Year 2016
(メリークリスマス そして 明けましておめでとう 2016年)
 
と印刷で、

“Cada día hay un motivo para la esperanza y la armonía
en nuestros corazones Que los ideales de la Navidad
iluminen siempre ese camino”
.
 (どんな日にも、心の中を捜し求めれば、希望なり協調なりを見つけ
るきっかけが見つかる。クリスマスの理想の日々が常にその道を照らし
続けるよう、願っています。)

と手書きで書かれています。そして、その下には国王ご一家4人の
ご署名が。これが面白いのですが、左上の国王のご署名(Felipe R)
と右上の王妃のご署名(Letizia R)には、国王(Rey)、王妃(Reina)
の署名である証として、署名の右に(R)と書くことになっています。
これは、イギリスのエリザベス女王も同様のことをされています。
(ラテン語から。)そして、左下のレオノール皇太女も、皇太女である
ことを表して、ご自分のサインの下に、(Princesa de Asturias)と
書かれています。そこまでは、良いのですが、問題はソフィア王女。
普通その他大勢の王子王女は、ご署名をなさる際、ご自分の称号
など書かれません。しかし、4人の中で自分だけ何もないのが、お嫌
だったんでしょうね。ご自分のご署名の下に、(Infanta de España
と書かれています。可愛らしいですね。ついでに、ソフィア王女のよう
に、自分の名前を書いた後、ぐるっとそれを丸で囲む署名は、スペイン
人の女の子の間で昔から人気の初歩のサインの書き方です。

そして同封されている下のカードは、マドリードにある王室修道院、
エンカルナシオンに飾られている、キリスト生誕シーンの油絵が印刷
されたとても宗教色の強いカードです。


中には、

お2人からのメッセージは特になく、フアン・カルロス国王の
サイン(左)とソフィア王妃のサイン(右)が印刷されています。
ご在位中は、このお2人のサインの右に(R)と書かれていた
ので、R無しのこのサインを見ると、何か物足りなく、寂しい気が
します。


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さて、ここまで書いてき、じゃあ、一体フェリペ国王、レティシア王妃
ご夫妻のクリスマスカードの何が、一部のメディア、国民に叩かれて
いるのか考えて見ましょう。


日本では、もうクリスマスと言うと、本当商業的な感じがしますが、
ここヨーロッパ、特にカトリックの色の強いスペインでは、宗教色が
まだ根強く残っています。そして、以前のブログでも述べましたが、
スペインでは、もうカトリックは国教ではなくなりましたが、国王は、
代々カトリックの保護者のような役割を務めてきました。実際、
フェリペ国王とレティシア妃は、バチカンの許しを得て、カトリック
式に結婚されていますし、即位してすぐに、バチカンに法王を訪ね
られたりしています。

ですが、このカード、今まで以上に宗教色ゼロなんですね。クリスマス
って、家族皆で過ごすものなんですが、そう言う写真でもないし、
手書きの言葉の中にもね、何も。これが、国王のバースデーカード
とかなら、誰も文句言わないんでしょうが、でもこれ、クリスマスカード、
つまりキリストのバースデーカードなんです。よって、


“どんどん、レティシア妃(元々無宗教)色に染まっている!”


と文句を言う保守的なカトリックが少なくないらしい。


難しいいですね。だったら、国王と王妃のカードを別々にしてしまえ
ば良いのに。でも、今回はその解決策が、超オーソドックスなフアン・
カルロス国王とソフィア王妃のカードの同封だったんでしょうか?


正直、北欧の王室を見てさえ、宗教行事をおろそかにしているところ
はない様に思えるので、王妃が無宗教が良いなら、最初から、
全ての宗教行事に関わらないと、はっきりしちゃえば良いのでは
ないでしょうか。嫌々、仕方なくイースターだのクリスマスのミサだの、
娘の初聖体の儀だの出席されているから。中途半端は良くないですよ。
そうすれば、スペイン国民の中の無宗教派や他宗教の支持も得られるん
じゃないでしょうかね。どうだろう??やっぱり無理かしらん???