こんにちは!
野菜ソムリエコミュニティー岡山の藤本です。
皆さまご承知の通り、岡山県にも緊急事態宣言が発令中です。
今回は、いつも取材をコーディネートしてくださる会員の仁谷さんにご協力いただき、
リモートのような形で取材させていただきました。
浅原プロジェクト④は、
岡山の白桃には欠かせない、袋掛けの作業をご紹介します🍑✨
桃の袋かけとは?岡山の白桃に欠かせない○○を生み出す
岡山の桃といえば、どのようなものをイメージされるでしょうか?
白くて、柔らかくて、ジューシー、ですよね!
実は、このすべてを生み出す作業こそ【袋掛け】なのです。
袋掛けとはその名の通り、
桃のひとつひとつに手作業で袋をかけていくこと。
病害虫の予防効果や、
風雨による傷を防ぐなどの役割がありますが、
他にも2つの大きな目的があります。
①色
他県の桃がピンクなのは、実を日光にあてるからです。
(袋掛けをしないもの、袋掛けをしておいて収穫前の一定期間だけ外すものもあります)
袋をかぶせて光合成をさせないことで、
若い桃の緑の色素が徐々に抜けていき、
あの色白美人な桃に仕上がります。
②食感
色までは想像がつくところですが、食感への影響はどうでしょうか。
桃は、陽の光があたって実の温度が上がると、それを冷やすために水分を通す繊維を太くするそう。
そうすると実は硬くなってしまうのです。
岡山の白桃は袋をかけるからこそ、
繊維の発達を防ぎ、あのとろけるような食感が生み出されているのです。
注)色と食感は、品種によっても大きく異なります。
袋にも様々な種類がある
この袋掛けに使う袋にも、秘密があります。
品種によって使い分けるのですが、
大きなポイントが遮光率。どの程度光を遮るのか、という点です。
以前授粉編でも少し書いたのですが、
シーズン最初に出荷される品種も、最後の品種も、同じタイミングで花が咲きます。
ということは、
実をつけてから収穫まで、樹になっている期間が異なるということ。
なので、
早生のものは遮光率を低く、晩生のものは遮光率を高くして、
収穫までの光の当たる量を加減するのです。
ただし光を遮るというのは、色と食感を際立たせる反面、
光合成が出来ないことで糖度が上がりづらくなるという面も。
(晩生は栄養を蓄える期間が長い分、袋の遮光率が高くても糖度は上がりやすい)
上の写真、左から2番目は2重袋と言って、
収穫前に外側の袋を取ることによって遮光率を下げ、
糖度を上げられるよう工夫されています。
このように細やかな調整によって、
約2か月の桃シーズンを異なる品種が美味しくリレーしていくのです。
早い梅雨入りの影響は?
今年の岡山の梅雨入りは5/15と、例年にない早さとなりました。(平年は6/6頃)
桃栽培にとって梅雨の状況(日照量、降水量、収穫期とのタイミングなど)は、
その年の桃の出来を左右するので大きな関心事です。
いつもお世話になっている濵田さんにうかがったところ
「デリケートな硬核期(前回参照)に、極端な雨→晴れの繰り返しで、核割れや根へのダメージが心配」
「梅雨が昨年のように収穫までダラダラと続いたら、糖度が上がりきらない可能性がある」
と2点を憂慮されていました。
どうか厳しい天候になりませんようにと祈るとともに、
気候変動の悪化を防ぐために、私たちは生活を見直していかないといけないと改めて思いました。
次回はいよいよ収穫!
…なのですが、
6月末〜7月はお忙しい時期ということで、
桃畑に伺うのは8月頭の予定です。
その間は白桃の品種や楽しみ方などの記事を上げていきたいと思いますので、引き続きお楽しみに🍑
《筆者自己紹介》