とてもハンサムな柴犬のチビチャンが睾丸摘出をして退院した。
チビチャンは3歳の時、交通事故で左下肢ほとんどの皮膚を失い,お母さん(飼い主)の看病で半年くらいかかりやっと治った。一昨日、お母さんが何か変なものが下がってると言って来院した。
触ると睾丸がゴツゴツて硬く腫瘍であるだろう判断し,お母さんに手術するのが良いのではといった。
お母さんはソフトボール位になっているのを今日みつけて,飛んできていきなり腫瘍だと私に告げられ
気持ちが動揺してしている。
お母さんの気持ちが私の心にも痛く感じられた。ひとまず一緒に診療している私の夫が会議から帰るから、夫にも診てもらって,同じ診断だったら手術を考えたらどうかしらと、話した。
チビチャンのお母さんは、自分がこんな大きくなるまで、気がついてやれなかったことを悔やんでいるようであった。
6匹いるワンチャンの中でコノコが一番神経質だけど、来客があるとコノコだけが吠えて私のところに教えに来てくれて、とっても助かる。もうじき9歳の誕生日なるのにと、お母さんの顔は曇ってチビチャンの顔をじっと見つめていた。
私はみつけて気がついた時、その時が最良の時,そしてその時出来る最善を尽くしてやるのが一番じゃないかしら、とお母さんに話した。
今日チビチャンのお母さんはチビチャンを迎えに来た。
おかあさんは足を怪我した時に使った、患部をなめないようにする,,ブルーいろのエリザベスカラーを、大事そうにだして「またこれつけておく、から今つけてくださいといった。早く手術してしてもらってよかった」
その顔はとっても晴れやかであった。