【がん】 血液検査でCRPやSAAを測定してくれないときは、どうしたらいい? #炎症#CRP | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

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↑眼窩 鼻腔内リンパ腫が寛解して5年以上寛解しているいちごちゃん

 

昨日、以下の記事を書きました。

【がん】健康診断を受けていたけれど、がんになった がんになると血液の「顔つき」が変化 #がん | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし (ameblo.jp)

 

以下のような質問をいただきました。

 

好中球数とリンパ球数の値への注視が必要との記事を度々書かれていらっしゃるので、我が愛犬にも当てはめて見ました。2月の検査結果では(好中球数が4510)(リンパ球数が1240)と出ており(好中球数/リンパ球数が3.7)になりました。この数値だけをみると、「愛犬はなにかしらの炎症がある」と考えるべき…で大丈夫でしょうか?(この時はCRPを出して貰えませんでした) このような数値を普段から見ていない獣医に飼い主はどのような行動をすれば良いでしょうか? 大事になる前に打つ手を考えたいのですが、参考記事書いていただけませんか? 宜しくお願い致します。

 

 

【考え方】

好中球/リンパ球の比の理想は、2から3なので、3.7だと少し高いです。

(いちごちゃんは、ほぼこの値が2から3になっています。)

 

体の中で、炎症が起こっている可能性があります。それで、以下のことをしてあげてください。

 

・尿のpHを7.5以上にする

・食事療法をする (魚中心のたんぱく質)

 

このようなことをして、1カ月後に血液検査をしてもらいましょう。

他は異常がないのなら、白血球の百分比と、CRPだけではいいと思います。

 

【CRP・SAAの検査はなぜしないか?】

 

他院で、CRPやSAAを測定しないことはよくあります。

私たちは、がんは炎症反応だと思っています。

がんは、急になるわけではなく、だんだんとなっていくのです。火事は、ボヤのうちに消火しないと考えています。

それで、このような細かなことに注視して、火消し作用を行っているわけです。

 

CRPやSAAをしていない動物病院に通われている人がいれば、血液検査のときに、これらを調べてください、とお願いしてみるといいですね。