【がん】高濃度ビタミンンC点滴は、なぜがんに効果があるのか?#がん#高濃度ビタミンンC点滴 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

私たちの動物病院では、多くのがんの子たちの治療をしています。

それで、寛解する子とそうじゃない子との差のデータが集まってきます。

 

今日は、高濃度ビタミンンC点滴について。

以下のような質問をいただきました。

 

 

高濃度ビタミンC点滴はどのような効果が期待できますか? どんな癌に効果が出やすいとかありますか?

 

なぜ、高濃度ビタミンンC点滴ががんに効果があるのか?

 

【ビタミンCは、がんの栄養と構造が似ている】

 

ガンの栄養は、糖分です。がんは糖分(ブドウ糖)が大好きで、糖があると成長します。

そして、ブドウ糖とビタミンCは、実は構造が似ています。

 

似たような構成となっており、さらに物質の重さも同じため、がんがブドウ糖とビタミンCを区別できないので、がん細胞がビタミンCと摂取すると、がん細胞はアポトーシスするといわれています。

 

注意:この性質のたま、高濃度ビタミンンC点滴は空腹のときに行っています。

 

 

【がん細胞を破壊する物質が作られる】

高濃度のビタミンCを体に入れると、過酸化水素(H2O2)という物質ができます。

 

がん細胞の多くは、この過酸化水素によりダメージを受けます。がんの表面がダメージを受け、抗がん剤が入りやすくなり、免疫細胞が働きやすくなります。

 

高濃度ビタミンC点滴療法によりがんを弱らせ、元のがん細胞を露出させ、発生した過酸化水素によりがんを破壊することでがんを成長させない、というのがビタミンC療法の原理です。

 

注意:皮下点滴では効果が低いので、なるべく静脈点滴にしてあげましょう。

 

どんながんに効果的かは、私はデータを持っていませんが、腎臓にできたがんには、使っていませんが、それ以外のがんの子には、効果的です。

 

高濃度ビタミンンC点滴は、量を調節しながらやっていますが、副作用はほとどんとありません。

静脈点滴なので、時間が1時間はかかりますが、それぐらいなら大丈夫なら、がんのもふもふちゃんには、おすすめです。

もちろん、高濃度ビタミンンC点滴だけでがんは寛解しにくいと考えています。他の治療と並行して行っています。