■がん 分子標的薬はどう使うか? #アリカリ化#がん#分子標的薬 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

 

↑眼窩 鼻腔内のリンパ腫だったいちごちゃん、寛解してもうじき4年になります。

 

私たちは、多くのもふもふちゃんのがん治療をしています。

その中で、分子標的薬を使うこともあります。

 

●一般的な分子標的薬の投与の仕方

 

一般的には、分子標的薬は隔日にあげます。

 

注意:分子標的薬には、骨髄抑制、食欲不振、下痢、嘔吐などがあります。

 

●私たちの分子標的薬の使い方

・尿のpHをアルカリ性にする

・分子標的薬の量を少なくする。

 

●なぜ、アルカリ化にすると分子標的薬が少量でいいのか?

 

和田洋巳先生のご著書『がんとは何か? その本質はNHE1だ!』の42ページで以下のように書かれています。

 

「多くの場合もともと酸性である尿pHを食事や重曹でアリカリ化するとこにより、標準量より少量のEGFR-TKI(チロシンキナーゼ阻害薬)の内服で、つまり副作用が少なく、生存期間が延長することが示された」

 

43ページ

「発想の転換であるが、がん細胞pHiを下げるのではなく、pHe(TMEのpH)をアルカリ化(尿のアルカリ化)をすることにより、TKIのみならず一般的な抗がん剤、放射線治療、免疫チェック阻害剤、非特異的免疫治療など、様々な治療でその有効性の上昇が認められる。」

 

 

とあります。

これらのことより、私たちは、分子標的薬を少量で使っています。