■腸科学 『軟便難民』を作った獣医界 IBDについて考える。腸内細菌叢、猫腸コロナウイ | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

 

最近は、あまり書いていませんが、下痢の子、慢性の軟便の子も治療をしています。

以下にもありますので、読んでみてくださいね。

 

 

■ペット 『軟便難民』を作った獣医界 IBDについて考える。腸内細菌叢、猫腸コロナウイルス
 

今日は、さらに進化して最近の『腸科学』から、IBD(炎症性腸炎)についてどう考えるか、を見ていきましよう。

 

IBDといわたら、獣医師のもとは行かなくても飼い主さんが自分でもふもちゃんの病気を治してあげれるかもです。

以下にも腸科学について書いていますので、読んでみてくださいね。

■がん 腸科学から学ぶ腸活することで、免疫系を動かす。#マイクロバイオータ#腸科学

 

 

IBDは、人間のアメリカやヨーロッパでも珍しい病気ではないようです。

これは、欧米の食生活が急速に変化したためなのです。つまり現代の欧州を始め日本人の食事も変化しています。

 

ハンバーガーや小麦粉や米などの栽培したものを食べています。

 

古代の人類は、狩猟と採取のみで食べ物を得ていました。

1、線維質の多い野生植物

2、痩せた野生の鳥獣類か魚

を食べていたわけです。

 

農耕を始めて

1、繊維質の乏しい果肉の多い果物

2、飼料を与えた家畜

3、米や麦のような栽培された穀物

 

を食べ始めました。

 

そして、過去400年の産業革命で、

1、大量生産

2、大量消費

のために。

3、高カロロー

4、加工食品

5、消費期限を延ばすために、消毒、殺菌をされるようになりました。

 

私たちの腸内には、細菌が棲んでいて、

1、アレルギー

2、自己免疫疾患の発病の予防

3、がんの予防

4、その他

をしてくれています。

 

細菌は、プレバイオティクのような繊維を食べているわけです。

その繊維が少ないと、腸の粘膜を食べるしかなくなるのです。それでIBDになるといわれています。

 

食べ物を変えるともふもちゃんの下痢、慢性軟便が治るかもしれないのです。

 

(飼い主さんがすること)

1、下痢パネルをする。

  ウイスルやばい菌がいると下痢や軟便は治らないのでね。

2、食事指導を受ける。

  出来れば、グルテンフリーのものを。

 

3、下痢パネルで何もないといわれて、IBDですということになります。

  (一般的治療法)

  *ステロイド剤

  *シクロスポリン

 

を処方されます。

4、3といわたら、

  *食事指導

  *プロバイオテックス(乳酸菌、ビフィズス菌などの善玉菌)

  *プレバイオティクである繊維を与えてみる。

   たとえばニンジンを大根おろし器ですってフードに混ぜてみる。

   海藻を与えてみる。

 

などをしてみるとのもいいかもしれません。

 

(まとめ)

 下痢、慢性軟便、IBDといわれたら「腸科学」の知識を導入して腸内細菌叢を善玉菌で増やして育てあげましよう。