■がん 腸科学から学ぶ腸活することで、免疫系を動かす。#マイクロバイオータ#腸科学 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

 

 

毎日、がんの子を診ています。

同じ治療をしても薬に反応して、寛解、完治になる子とそうでもない子がいます。

これは、何が違うのでしょうか?

 

ひとつは、免疫系がちゃんと動かないということです。

私たちの以下の治療は、免疫誘導です。

1、丸山ワクチン

2、少量の抗がん剤治療

 

これらに反応する子とそうでもない子の違いは、免疫が動くかどうかなのです。

 

これさえちゃんと動いてくれたら「がん」って治るようね、ということになるのです。

 

『がんと免疫』

 

1、がんは毎日 出来ている。

 

2、でも、免疫系の白血球ががん細胞を食べてくれる。

3、免疫細胞がちゃんと動かなくなると、がんが出来る。

 

がんはだんだんと「賢くなる」という性質を持っています。免疫のパトロールから逃れようとするのです。

 

つまり免疫系の細胞が来ても見つからないようにします。

 

4、このことを『腫瘍微小循環』といいます。

  これがあるので、がんに効くはずの抗がん剤などを打ってもがんに届かないのです。

 がん細胞は、この『腫瘍微小循環』の中でぬくぬくと育っていきます。

 

5、免疫細胞がちゃんと働くとがん細胞を食べてくれるのです。

 

 

『がん患者の特徴』

1、免疫系が弱い

2、日和見感染しやすくなる。

 

『がん患者の問題点』

1、日和見感染をしやすくなるから、といって、抗生剤を使っていると、耐性菌が出来る。

2、抗生剤を使うと抗がん剤が効きにくなるというマウスの実験がある。

 

『がん患者のすべきこと』

1、 腸内細菌の全体(マイクロバイオータ)のバランスが崩れてないように。

2、将来的には、抗生剤を投与するのではなく、ある種の微生物を投与して、マイクロバイオータを守る。

 

ウシの消化について。

 牛は、肉食ではないですが、あんな大きなカラダを作ることが出来るのです。

 草だけを食べて、筋肉を作っているわけです。自分の消化酵素のだけでは繊維質の草から栄養分を取り出すことができないのです。

そこで、ウシの祖先が進化して消化を助けてもらっています。

 

 

 このように、生物の体はたくさんの細菌を利用していきるわけです。

 

(がんの子はのまとめ)

1、マイクロバイオータをいいものにする。

2、そのためには、腸まで届く『プロバイオテックス』を服用する。

   動物病院に、動物用のプロバイオテックスがあるので。

3、腸内細菌の食べ物「マック」も大切。

  マックは、炭水化物や食物繊維です。

   腸内細菌は、食物繊維がないと小腸の細胞がたえず分泌する粘液の炭水化物を食べて生きている。粘液を食べると防御機能が衰えて炎症が起きる。

4、抗生剤を過信しない。

5、私たちの病院では、オリーブ葉を出しています。

 

 

このようにしてマイクロバイオータをいい環境にしてがんにならないカラダにしましようね。