試験艦「あすか」堺泉北港へ来航! | 艦艇・船舶つれづれ

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旧帝国海軍および海上自衛隊の艦艇、海上保安庁の船艇、主に戦前の民間船舶を中心としたブログです。
「海軍艦艇つれづれ」からタイトルを変更しました。

昨日は色々片付けをしていたら、あっという間に一日が過ぎてしまいました。

 

今日は、奥様は友達とランチで難波に行き、娘の大学は今日は休みではないので講義に行ってしまいました。

 

ということで、またまたひとりでお出かけ。実は、こんなのに目を付けていました。

 

 

泉州に海上自衛隊の艦艇が来る!それも堺泉北港の大浜埠頭であれば、近くです。

午後の部が13時からなので、それに間に合うようにイオンモール堺鉄炮町に車で向かいます。

そこから、隣接の南海電車七道駅から電車に乗って一駅。

堺駅の西口からシャトルバスが出ています。

バス乗場に着いたのが12時15分頃。すでに約50名が並んでいます。

シャトルバスはマイクロバスで、定員20名ぐらい。それでも2~3台で運用しているようで、10分ほどでバスに乗ることができ、5分ほどで大浜埠頭に到着です。

 

埠頭に向かうと見えてきました。満艦飾の試験艦「あすか(ASE-6102)」です。

 

大浜埠頭に接岸している試験艦「あすか(ASE6102)」

 

試験艦「あすか(ASE6102)」は、省力化やステルス化を目的とした艦載兵器実験艦として、平成5年4月に住友重機械工業浦賀造船所で起工され、平成6年6月に進水、平成7年3月に竣工しています。

【要目】

 基準排水量:4,250トン、満載排水量:6,200トン、

 全長:151.0m、幅:17.3m、吃水:5.0m

 機関:ガスタービン機関×2、ガスタービン発電機×1、電動機×2(COGLAG)

    ※現在は電気推進を使用せず、ガスタービンのみで運航

 推進軸:2軸

 出力:43,000馬力、、速力:27ノット、乗員:70名、試験員100名

 ※引用:世界の艦船増刊「海上自衛隊2023-2024」No.998、

     2023年7月、海人社、P.88

 

試験艦「あすか(ASE6102)」(引用:Wikipedia)

(海上自衛隊, CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=98870477による)

 

「あすか(ASE6102)」は艦載兵器等の実験専用の艦として建造されたため、これまで新戦術情報処理装置(後のOYQ-10)、新対潜用魚雷(後の12式魚雷)、後にあさひ型護衛艦に装備するレーダ(後のOPS-48)など様々な試験に用いられています。

 

また、艦橋前にVLS(ミサイル垂直発射装置)を装備し、新アスロック(後の07式VLA)、新艦対空誘導弾(A-SAM)の試験なども行っていますが、現在ではVLSは撤去されています。

 

艦の上部構造物はステルス性を持たせた角形で傾斜の付いた形状を持っていますが、艦橋構造物は「あすか」の一年後に一番艦が竣工した汎用護衛艦「むらさめ」型に似ており、マストも塔状ではなくトラス構造となっています。

 

現地について、体験乗艦の時間までの30分弱、炎天下で並びます。

その間に上部構造物の写真を。

 

試験艦「あすか」の上部構造物

 

煙突はステルス性を持たせるため、角ばっています。また、艦橋の上部には平面型のレーダーを搭載するため独特の8角形をした塔状の構造物があります。

 

そして、午後の一般公開の部の開始時間である13時から乗艦が開始されます。

金属探知と持物検査のあと、タラップに向かいます。

 

「あすか」に乗艦するためのタラップ

 

乗艦すると、艦後部のヘリコプター甲板へ案内されます。

 

ヘリコプター甲板から「あすか」の艦首側を望む

 

ヘリコプター甲板では、旭日旗もとい自衛艦旗前での撮影会があり、たくさんの方々が並んでいらっしゃいました。

 

「あすか」のヘリ格納庫

 

ヘリ格納庫も解放されており、護衛艦などの写真が展示されていました。

 

艦の左舷側を通って艦首方向へ。

 

左舷側から上部構造物を見る

 

上部構造物の壁面には、色々な注意事項が貼ってあるのですが、こんなのを見つけました。

 

「総員離艦安全守則」

 

海上自衛隊の艦なので、何かの際に総員離艦(帝国海軍では退艦と言っていたような)をする際の守則で、当たり前のことが書いてあるとは思いますが、「艦(いくさぶね)」の厳しさを感じました。特に「7 水中爆発及びサメに注意せよ。」は、大東亜戦争の戦訓にも通じるものがありそうです。

 

艦首にたどり着きました。

 

「あすか」の艦首

 

振り返ると、巨大な艦橋が。

 

「あすか」の艦橋

 

通常の護衛艦では艦橋の前部に主砲があるのですが、試験艦なのですっきりしており、余計に艦橋が巨大に見えます。

 

そして右舷側からタラップに向かいます。

 

振り返って、艦橋構造物の後部を見てみます。

 

右舷側から「あすか」の艦橋後部を望む

 

そして、タラップの手前に「兵装」を発見。

 

「あすか」の三連装短魚雷発射管

 

案内されていた自衛官の方に話を聞くと、魚雷の試験を想定して1基のみ残しているとのこと。

今回見て回った中で見ることのできた唯一の「兵装」でした。

 

この後、タラップを降り、陸上自衛隊の展示を一通り見て回りました。

 

陸上自衛隊「87式偵察警戒車」

 

「あすか」は試験艦だけあって、兵装がほとんど無いため今回見学した艦の外回りは、非常にすっきりしていました。

会場設定の都合か、艦尾側へ行くことができず艦尾側からの写真が取れなかったのは残念でしたが、この暑い中、一般公開を開催していただいた海上自衛隊・陸上自衛隊の方々には感謝・感謝です。

 

ちなみに、「あすか」の艦名は奈良県の旧蹟「飛鳥」から採られています。

 

平成30年5月・飛鳥のキトラ古墳

 

本日は天気が良かったのですが、暑すぎて早々に退散、イオンモール堺鉄炮町で遅めの昼食を食して帰宅しました。

 

昨年11月のミサイル護衛艦「まや(DDG-179)」いらいの海上自衛隊の艦艇への乗艦、それも近場でのイベントでしたので、気軽に行くことができて良かったです。

 

試験艦「あすか(ASE6102)」の全景

 

【参考文献】

 Wikipedia および