トスカーナの小さな街でのダンテ公演 | 人生の果実を味わう彫金職人の暮らし フィレンツェ物作り物語

人生の果実を味わう彫金職人の暮らし フィレンツェ物作り物語

フィレンツェ在住22年の、ジュエリークリエーターKaorukoが、物作りについて、イタリア子育て生活をまじえながらお伝えします。

日本の皆様


おはようございます。


今週末も主人のダンテ公演。


今回は長女も同行する。


今回はラッジョーロ

と言う、アレッツォ県の街。


フィレンツェから車で1時間半の街での講演会でした。


イタリアの田舎の街並みは本当に可愛らしく、散歩するだけで心が躍る。









今回はいつもダンテ公演をアシストしてくれるチェロ奏者のボルファンゴと一緒のイベントである。


先週のヴァッロンブローザの森での公演のように、移動しながらのパフォーマンスも検討されていて、





下の広場で、最初の朗読説明、そしてチェロの演奏をしてから、50メートルほど上がり道を上った先にある教会で、2回目の朗読、説明をするかもしれないということで、上にある教会でもリハーサルをする。



こじんまりとした小さな教会だったが



中は、かなりモダンな内装になっていて驚いた。現代アート風のデコレーションだった。


こんなふうな教会もあるんだなと!






幕開けの時の、役所関係者の挨拶の時にも、そのように移動してのパフォーマンスというコメントを聞いたのだが、
土壇場で、それは無くなったようで、
結局、こちらの広場のみでの公演となる。

毎回、びっくりするイタリア人の対応力。
皆本番に強いのである。

しかし日本人の私にフレキシブルさを求めるのはやめにしてほしいとつくづく思う。
(このぼやきは家庭内でのことだけれど。)

今回の公演会は、ダンテ神曲の中の「愛と自由」というとてつもなく深いテーマだった。

ゴシップ記事のような出来事は古今東西、絶え間なく繰り広げられてきたのだろうが、地獄篇 第5歌のフランチェスカとパオロの話もやはり出てきた。

親が決めた結婚をするが、旦那の弟と恋に落ちてしまったフランチェスカ。もちろん不貞を咎められて殺され、地獄にいるのだが、純粋な愛の象徴のように感じられる。

愛に自由などない時代に自由を貫いた人なのだろう。

公演の方は
最終的には、やはり偉大なる神の愛!
という展開になったのだが、

キリスト教者でもなんでもない私には、この辺りが今ひとつ腑に落ちないというのも事実。

それよりも興味深かったのが、フォレーゼのくだり。
ダンテの親友でもあり、いとこにもあたる。彼は煉獄に、それも下層にいるはずだが、かなり上の部分で出会ったので、
ダンテが、なぜ、こんなところまで、もう来ているのかを尋ねる。

それは妻ネルラのお蔭だという。

彼は生きている時、妻を相当に大切にして愛していた。
彼が亡くなってからの妻の嘆きようと、今は亡き夫に対する祈りの深さによって、亡者は煉獄を早足で進むことができたのだ。

また妻のネルラは清廉潔白な心の持ち主であり、邪念のない心で祈り続けた。
誰がどのような思いで、またどんな祈り方をするかということも重要なようだ。


煉獄にいる人々は、この世の人の祈りの深さによって救われて、天国に行けるかどうかが決まる。


ちょっと、これは仏教で49日までは、とにかく死者のために毎日、しっかりと祈りを捧げる風習と似ているなぁと感じた。
49日に閻魔大王が、その人を地獄に送るか否かを決めるので、天国に行かせてもらえるように現世の我々がしっかりと祈る必要がある。
昨年、母が亡くなった時に、知人からそう諭された。

ああ、それは大変だ!
お母さんのために、祈らなくては!
と。
地獄絵巻に描かれる世界に母が追いやられないように、毎日お祈りした。

49日の法要までは日本に居られなかったが、イタリアに帰ってからも毎日戒名の前のお水を変えて祈った。

話はかなり逸れてしまったが、

今回のテーマ、愛と自由。
まだまだ勉強不足の私(神曲だけでなく人生においても)には、
壮大なテーマだった。

公演後は、この小さな田舎町の小径に用意されたアペリティーボにて、皆で乾杯して、和やかに語り合った。


本当は夕食に招待されていたのだが、あまり遅くにフィレンツェに帰りたくなかったので、それはお断りしていた。


スプマンテとオリーブ、タラルッチ、ピスタチオなどのおつまみだったが、


ピクルスを楊枝にいくつか刺してお花のようにデコレーションして出てきていたのは、素敵だった。


こういうのを見つけると、田舎であろうとやっぱりイタリア、センスが良い〜

と思ってしまう。


そしてフィレンツェに戻り、われわれが行った先は、

いつもはテイクアウトして家で食べるピッツァの御用達



車で一緒にお連れしたシニョーラたちと共に、再びピッツェリアで乾杯。

今度はビール🍺




メニューにはない好きなものをトッピングしてもらった。


マルゲリータベースにアーティチョークとポルチーニをセレクト。それに合うかなとハムも加える。


美味しかった〜


好きなものオンパレードだとここにトリュフものせたいところだったが、それはピッツァでなくても良いなと

思いとどまる。


自由なイタリア。


しかし、色々なところで自己責任が必要となるイタリア🇮🇹。


彼らと一緒に楽しんで、地獄に行くのか、天国に行くのか?

(ダンテ神曲のカテゴリーでは、必ず私は地獄と断言できる!)

分からないけれど、

死に際に、

ああ、楽しかった〜


と言える人生を目指して、


本日もしっかり生きられたかな?

自戒しながら床につく。


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今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました♪


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