フィレンツェ近郊の避暑地ヴァッロンブローザでのダンテ公演 | 人生の果実を味わう彫金職人の暮らし フィレンツェ物作り物語

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フィレンツェ在住22年の、ジュエリークリエーターKaorukoが、物作りについて、イタリア子育て生活をまじえながらお伝えします。

日本の皆様


おはようございます。


久しぶりに、主人、ロレンツォ バスティーダのダンテ公演に着いていく。


今回はヴァッロンブローザのフェスティバルの中の一イベントとしての公演会だった。自然保護地区の森の中に入って、樹々の説明とダンテの神曲、そしてクラリネットとパーカッションの音楽を組み合わせての公演。


このヴァッロンブローザはフィレンツェから車で1時間ほどで行ける避暑地としても有名で

夏はたくさんの人々で賑わう。


ベネディクト派の修道院もあり、これも見どころのようだが、今回はフェスティバルに参加が目的だったので、そちらは次回見に行きたいものである。


今回は、午前10時半からと午後2時からの二回の公演を見る。

一回目はほとんど動画撮影をしていた。

この自然保護地区の管轄カラビニエーリ、ジョバンニさんによる樹々についてものレクチャーも、要所要所に盛り込まれていて、

これがまた面白く、

森の中を探検しながら、ひんやりとした空気に包まれ

文学と音楽に浸るひとときとなった。






主人は、樹々に関する詩を神曲の中から数ヶ所選んで、そちらを説明朗読したのだが、

やはり印象的だったのが、


地獄篇の第13歌。



Tasso タッソと呼ばれる樹々の下で朗読は行われた。


自殺者、自分の身を自分で傷つけた者は、やはり地獄の中にいて、森の樹々になっているという箇所。

これは大江健三郎の著作でも触れられていて、それも印象的だったので私の記憶の中に残っていた。


この箇所を読むたびに、ここには、三島由紀夫や芥川もいるのだろうなぁ

とそんなことを思ったりもした。


もちろん、神曲が書かれた後に亡くなっている、しかも日本人作家たちだが、

神曲を、特に地獄篇を読むと、自分も含めて、知り合いの人々や有名人なども、その生き方でどこにカテゴライズされるのだろうか?などと妄想が膨らむ。


ダンテ自身も幾度か自死の道から救われているから、他人事としてではなく、憐れみの心でこの樹々たちを記したのだろう。


このタッソという木は、毒を含むが、赤い実だけは毒性がない。

なので、小鳥たちがついばみ、飛び去り、その他の場所で生息する可能性を広げる。


枝は良くしなるので、弓に用いられたという。



日本ではどの木にあたるか調べてみた。


イチイがまず一番に登場したが、この森で見たタッソは上には伸びていなかったので、イチイではなくキャラボクがそれに近いのかもしれない。


キャラボクと言えば、故郷鳥取県米子市にある霊峰大山の名前を持つダイセンキャラボクが有名である。


帰省の折に主人と大山に行ったときには、この木を是非一緒に眺めてみたいと思った。


地獄篇第13歌の様子を少しだけここに載せてみる。





ご興味がある方は、近々主人のYouTubeチャンネル

Lorenzo Bastida


でもアップされると思うので、チェックしてみてください。


イタリア文学好きの方であれば、きっとお役に立つチャンネルだと思う。

イタリア語を学ぶ方へもと言いたいところだが、ダンテやイタリア詩を理解するためには、初級レベルでは厳しい。かなりの勉強が必要だと思うが、音楽のように響くイタリア語を楽しんでいただければ幸いです。


その他、地獄篇第1歌

煉獄篇28歌にもこの公演では楽しめる。


1時間くらいと聞いていたが、結局2時間近くかかる公演となった。


樹木の説明、朗読、音楽。

そして森の中を歩く。


五感をフル活用する公演会だったが、私も久しぶりに楽しめた。


招待されて前日からホテルに泊まっていたのは私と主人だけで、子供たちはフィレンツェに置いて来たのが少々残念だった。


きっと二人とも楽しめた公演会だった。


おまけの写真。

こちらはホテルの朝食会場。

フェリーニの映画に出て来そうなデコレーションに、目が釘付けになった。



そしてこのヴァッロンブローザのイベントは、内容がとても充実していて、

トレッキングしながらの植物観察や、

薬剤師さんから薬草についてのレクチャーを受けたり、

天然素材を使ってのクリームを制作するワークショップがあったり、


と、数日間楽しめる。


来年ももし、主人が講演会をするならば、ワークショップなどにも参加しよう!

と、今から密かに企てている私である。


わが家は行き当たりばったりなので、

子供たちを連れて来なかったり、体験できるワークショップについても知らなかったり

と、茶番劇の日々だが、


良かったこと、素敵だったことに視点を合わせて、


あとは次回への学びとしたい。


さあ、今を見つめて

今日という一日を精一杯、楽しんで過ごしましょう。




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今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました♪


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