先日、長年ロングボード界を牽引して来たサーファーズが27年間の歴史に幕を下ろした。
オーナーであった矢作さんが他界されてからの数年、矢作さんの奥様と店長の神林さんのご苦労は本当に大変だった事であろう。
サーフショップはオーナーの個性が強く反映される小売業である。
特にサーファーズの様に「時代を創って来たショップ」の運営となれば相当なものであった事は間違いないであろう。
最後の更新を見るとショップの開業は1997年だったとの事であった・・・
'97年かぁ?
個人的な印象としてはもう少し前だった様な気がするが、'97年となると俺は開業間もない頃からお世話になって来たのだと実感した。
沢山のボードを買わせて頂いたのでどれが一番最初だったかは覚えていないが、その大半を今でも所有している事を思うと「本当に良いボードだけを扱っていたショップ」だったのだと心底思う。
インターネットが普及してSNSを通して様々な事柄が変った。
ウエットスーツが安価で買える様になった。
サーフボードも個人輸入しやすくなった。
ポイントも多岐に渡り入り易くなった。
ボードやフィンもセルフメイドのモノが普及した。
そう、書き上げたら切りが無い程に嘗ての常識が一変した。
これはサーフィン業界に限った事ではないが、我々ユーザーは様々な状況下から選べる様になったのだが・・・
それもなんか寂しい気がする。
俺はサーフショップとは近い距離にいた人間ではないが、やはり、何かがあると頼りになった事は間違いない。
サーファーズの閉店は本当に残念であるが、今は心から「お疲れさまでした」、そして、「ありがとうございました」と感謝を述べたい。
この日、海に持ち出したボードはビングのフェラールPIGである。
思えば、このボードもサーファーズから買わせて頂いたボードだ。
サーファーズはビングのクラシックPIGを推していたが、マイク・ブラックと親交のあった俺はこのボードをオーダーさせて頂いた。
グラスオン派の俺が、このボードに限ってはボックスフィン仕様でオーダーしたのだが・・・
理由はこのフィンを使いたかったからだ。
このフィンを「サーファーズで取り扱わないのか?」と矢作さんに質問した事があったが、「このフィンはうちでは扱わないね」と即答された事を思いだした。
こんなフィン1本でも懐かしいやり取りが思い返されるのだから、やはり、俺の中では特別なショップだったのであろう。
だからこそ、出会えた事に感謝したい。
サーファーズスタッフの皆様、長い間本当にお世話になりました。
Keep Surfing!!!!!!