あのハンク・バイザックから「俺にも出来る事があれば云ってくれ!」と云われたら・・・
余りに咄嗟の出来事だったので少々困惑したが、そこはメールでやり取りである。
困惑と興奮が葛藤しながらも冷静に採り込む事が出来たので、俺は予てから想い描いていた事を彼に頼んでみた・・・
「ねぇ、ハンクさん、だったら俺にボードを削ってくれないか?」と。
「どんなボードが良いんだ?PIGか?」と、ハンクさんは流石に俺の好みを解っていたのか?彼からPIGのワードが飛び込んで来た。
「そうそう、ハンクさんにずっとPIGを削って欲しかったんだよ」
「でも、あなたはPIGが好きじゃないでしょう?」と返すと・・・
「あぁ、俺はPIGは余り好きじゃないな。機動性が悪いPIGを好き好んで乗るなんて・・・」と急に「「Hank the Crank」になってしまったのだ。
俺は遮る様に「だからこそ、あなたに削ってもらいたいんだよ」、「PIGのデメリットを熟知しているあなたのPIGに乗りたいんだ」と告げると・・・
彼は「じゃぁ、全部俺に任せてくれるか?多分、君の好みのPIGにはならないぞ」とも。
そして、メールでの会話が弾む中、禁断のボードにも触れてみたのだ。
「ねぇ、ハンクさん、もう1本削って欲しいボードがあるんだよ」、「Da Catoを削って欲しいんだ」と伝えると・・・
彼は「Da Catoか、随分と久しぶりだなぁ」、「解った削ってあげるよ」、「ただし、『今回』はノール家の許可が取れないだろうからノールのディケールは無しだぞ」と・・・
そう、彼は認めたのだ。
公にされていなかった「Limited・Da Cat」の事を。
そして、ボードのスペックや色などをサーファーズに伝えオーダーをしたのだが・・・
周知通り、サーファーズが閉店した事によって話は流れてしまった。
俺の中で壮大な計画だったハンク・バイザックシェイプのPIGとDa Catが泡と消えてしまったが、ハンク・バイザックのボードは他にもある。
これは職場の応接室に飾っているボードなのだが・・・
ハンクさんがハンセンサーフボードのヘッドシェイパーを努めていた時の削ったボードである。
マイク・ドイルがハンセンのライダーをしていた時のシグネチャーの復刻モデルで、グレッグノールのDa Cato同様にリミテッドでリリースされたボードである。
機会が無く、これまでブログには紹介した事が無かったが、こうしてハンクさんの事を綴っていると・・・
このボードが真っ先に頭に浮かんで来るから不思議なものである。
彼の様な偉大なレジェンドが旅立つ時にはいつも思う・・・
「俺だって、もう良い歳だなんだか、これは仕方がない事なんだよな」ってね。
しかし、自分がロングボードにのめり込んだ時に多大な影響を与えてくれたシェイパーが逝ってしまうのは寂しい限りである。
ハンク・バイザックのご冥福を心からお祈り申し上げます。
R.I.P


