1966年に公開された映画「エンドレスサマー」は3年に渡って製作が成されていた様で、撮影が始まったのはPIG全盛期の1960年代初頭である。
劇中にも登場する元祖マリブキングこと、ミッキー・ドラがジェイコブスのPIGに乗っていた時代である。
劇中には同様にジェイコブスのボードに乗っていたランス・カーソンも登場しており、彼が乗っていたボードも勿論PIGである。
冒頭にも綴った様に「エンドレスサマー」の撮影が始まった時代は世界中の誰もがPIGに乗っていたのだ。
そんな、映画に登場する1本のサーフボードが本日のお題である。
そして、こちらがそのボードである。
ジェイコブスの「エンドレスサマー」モデルである。
このボードに関してはこれまでにも幾度か綴って来たので割愛するが、本日は今更ながらの進水式を敢行したので俺レベルではあるが少々綴ってみたいと思う。
映画の撮影は1963年から1964年辺りに開始された様なので、この時代のジェイコブスのヴィンテージPIGを有する身として「どの程度の違いがあるのか?」が非常に興味深く、早くファーストタッチを試みたいを気を抑え改めてボードの各所をチェックしてみた。
最初に気が付いたのがロッカーの反り具合である。
1963年頃のジェイコブスのPIGには若干のロッカーが効いているが、こちらのボードはそれ以上のロッカーが施されており、劇中のレプリカとは云え、現代のサーフシーンにマッチされるべくモダンPIGの要素が含まれている事が解った。
そんな、ボードを小脇抱え、いざ、海へ!
そして、ファーストタッチ。
テイクオフは思ったよりも速く、特に癖の様なものは感じる事はなかった。
この癖の無い創り込みこそ、マット・カルヴァーニの真骨頂なのかも知れない。
そして、ターン・・・
先にも綴った様に味付けは完全に「モダンPIG?」と思える程、スムーズなにレールが入ってくれた。
これもマットの繊細なレールの創り込みの賜物なのかも知れない。
更には、略垂直に聳え立つハーフㇺ―ンもシッカリと機能している様に思えた。
実は、このフィンの形状が当時のジェイコブスのハーフムーンと異なる為、改めて映画でフィンをクローズアップしてみたのが、当時のモノよりも幾分小降りに見えたのでオリジナルを完全に意識した形状ではないのかも知れない。
因みに、同じコンセプトでリリースされたロバート・オーガストのボードはベルジー型のハーフムーンが装着されていたので当事者のオーガストも細部まで再現はしていなかった事が判る。
1960年代初頭と云えば、ジェイコブスの下には多くのレジェンド達が集っていた。
ミッキー・ドラ、ランス・カーソン、ロバート・オーガスト、マイク・ドイル等々・・・
彼らの全てがこのディケールを纏った同じPIGに乗っていたのだから凄い事である。
これまで日本おいてはメディアの中心に来る様な大きな採り上げ方はされて来なかったジェイコブスのボード・・・
個人的にはもう少し脚光を浴びても良いのではないかと思うが、このブログを通して少しでも多くのサーファーにジェイコブスのボードに興味を持って頂けたら嬉しい限りである。
Keep Surfing!!!!!