至高のビンテージ | Viva '60s SurfStyle!!!

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1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

これは以前にも綴った事だが、海外に対して日本は著しくビンテージサーフボードの価値が低い。

 

 

この件に関しては俺自身が誰よりも感じている事だが、海外のコレクター達の間でも頻繁に話題になる事がある。

 

 

何故、価値が低いのか?

答えは簡単で、興味を持たない人が多いからである。

 

 

これは日本人の気質的なものであって、伝統よりも新しさを求める国民性が影響しており、その最たる例が車、そして、身近な所だとスマホが値するのではないだろうか?

勿論、住宅事情やサーフポイントの問題もあるが、大方はこれらの通りではないだろうか?

 

 

そんな諸事情から入手したビンテージボードが早々に手放される事が多く、蓋を開けてみれば海外よりもリーズナブルな価格で売られる事も少なくない。

 

 

そんな状況下の中、目を疑う様なビンテージが目に留まった。

余りにもリーズナブルな事から最初は「価格を間違えているのか?」と思えた程だった。

 

 

そのビンテージは既に1本有していたが、この価格だったら2本目として買わない手はない!

しかし、実際にカリフォルニアではどの程度の価格で推移しているのか?

 

 

このボードに出会った時代は、まだSNSが普及していなかったので情報集めには時間を要したが、決定打となったのはリミテッドで発売されたレプリカの価格だった。

 

「レプリカなのに、そんなにプレミアムが付いているの?」

「じゃぁ、オリジナルはどうなってしまうんだ?」

 

こんな事を妄想していたら、いてもたってもいられなくなり、気が付けば愛車のエンジンに火を入れショップに向かっていた。

 

 

ショップに到着するや否や、興奮を抑えつつもそのボードの経緯を訊ねると嘘か誠かはさておき、かのレジェンドが個人所有していたボードだそうだ。

そして、店主が云った。

「一人検討しているがディスカウントを要求されており、提示価格で良いなら貴方に売る」と。

 

 

このボードを・・・

しかも、こんなにもリーズナブルな価格であるのに更にディスカウントを要求しているとは、正に冒頭で綴った様にビンテージボードへの「価値観」に欧米と相当な乖離があるのだろう。

 

 

そして、店主に告げた・・・

「この価格で買うよ」

「自分に売って欲しい」と。

 

 

店主は更に付け加えた・・・

「そうですよね。絶対に安いですよね」

「委託なのでこの金額ですけど、ちょっとあり得ないですよね」と、

 

 

そう、その店主はビンテージに精通している為、このボードが極度にリーズナブルである事を解っていたのだ。

 

 

人は「損した得した」と良く口にするが俺も同じである。

間違いなく、このボードの入手に関しては「特をした」と帰路の車内で笑みが零れた。

次回の更新では、そんなやり取りから我が手元にやって来た至高のビンテージを少しだけ綴ってみたいと思う。

 

 

Keep Surfing!!!!!