海に向かうペースは例年に比べると悪くはない・・・
乗りたいボードが山ほどあり、そのどれもが至高のひと時を齎せてくれる。
しかし、ここ最近海に持ち出すボードのラインナップにPIGが少ない事に気付いた。
一度、ノーズライダーやピンテール系のボードの乗ってしまうと何故かPIGが遠のく様である。
さすれば、今日はPIG・・・
と思いきや、ロッカーの恩恵を受けまくっていたボードから、いきなりデッドフラットへの移行も少々心が折れるというもの・・・
そんな時は迷わずヴィンテージPIGと実は決めている。
今更語るまでも無いが、ヴィンテージPIGは非常に重く、レールも図太い、当然ながらデッドフラットは付き物である。
そんな、ヴィンテージPIGでインターバルを図る事からモダンPIGの恩恵を存分に堪能出来る訳だ。
冒頭から随分と御託を並べてしまったが、そんなインターバルを図る為に持ち出しのが先日ワックスアップを施したコレである。
デューイウェーバーのPIGである。
レッドウッドがバルサにTバンドされたストリンガーに伝統の赤のディケールが冴え渡る至高のPIGである。
数多くのオーナー達を楽しませて来た歪めいたハーフムーンがボードの歴史を物語っている様にも思える。
そんな、ボードに身体を預け、いざファーストタッチ!
ボード自体が非常に重いので流石にテイクオフの初速は思う様には行かないが、一度走り出してしまうとモダンPIGでは体感出来ない程のグライド感が待っていた。
デッドフラット等なんのその・・・
60年以上前にグラスオンされたハーフムーンがシッカリと機能して行き先を導いてくれているかの様である。
やはり、ヴィンテージは楽しい・・・
いや、PIGは楽しい。
そんな踏み込みじゃだめだよ・・・
しっかりとレールを入れな・・・
と、ばかりに永遠の初級者である俺に様々な事を要求して来る。
そんなに一気に要求して来るなよ!
こっちは永遠の初級者なんだぜ!
ゆっくりと行こうよ!
と、心中で呟くがそんな声は当然ながら届く筈も無く次々と要求は増えるばかりである。
でも、それが面白いのだ。
誰もがイージーに楽しめるボードも結構だが、悪戦苦闘の末に体感出来る達成感も格別に楽しいものである。
この日はモモコシのオフショア・・・
気が付けばコイツのセッションは3時間にも及んでいた。
海から上がりボードを眺めているとボトムには歴戦の勲章が溢れんばかりに点在していた。
このグラデーションもヴィンテージの賜物と云うべきであろうか?
自然と笑みが零れるから不思議なものである。
兎にも角にも、ヴィンテージPIGを皮切りにリセット出来たので、この夏はPIGを中心にサーフィンライフを堪能したいものである。
Keep Surfing!!!!