まだ、クラフトマンとタイラーシェイプの垣根はあるのだろうか?
タイラーのボードが空前のブームだった頃、「クラフトマンは良い!」とか「タイラーシェイプは安い」とかの談話をビーチの至る所で耳にした。
俺がタイラーに乗り始めた頃は、そんな垣根はなく、全てがタイラーのシェイプ&ラミネートであり、その様な垣根に関して少々違和感を覚えがあった時期があった。
前回、ファーストタッチならぬ進水式を敢行したこのFチップにもクラフトマンのディケールが付か無いが、これは彼が師匠であるジェイコブスの目の前でラミネートしたボード故に、俺の中では余りそこに執着は無い。
そして、このボードに至ってもそうである。
以前紹介したリドラーである。
購入したのは遥か前であるが・・・
当時、タイラーが斬新と云うか?とんでもないボードを創ったと耳にし、購入に至った訳だが・・・
乗らずに10数年の時が経過してしまった代物である。
俺の記憶だと、このリドラーがリリースされた当初はFチップ同様に全ておいてタイラーが手を加えており、後にこのボードの画像をタイラーに見せると「クラフトマンと同じだよ、○○にサインが入っているだろ・・・」と説明してくれた経緯が蘇る。
そんな想い入れのあるタイラーのリドラーの事は以前にも綴った通りだが、このボードの進水式を敢行すべく、先日慣れ親しんだビーチに持ち込んでみた。
この日は他のポイントが略略クローズ状態だったので混み具合が懸念されたが、ビーチに向かうと人影は疎らで、「流石は平日の早朝だ!」と少々笑みが零れてしまった。
そして、早速、ボードを小脇に抱えビーチに向かおうとしたのだが・・・
やはり、このデカいコンケーブが気になった。
ボードの略半分を占める巨大なコンケーブ・・・
実際に平置きにして見てみると確かに半分近くにコンケーブが施されていた。
解っていたが・・・
「このデカさは凄いな・・・」と呟く程であった。
このデカいコンケーブがどれだけテイクオフに支障を来たすのか?
懸念を抱きながら海に向かうと・・・
そこには腹胸サイズの波が待っていた。
そして、ファーストタッチならぬファーストテイクオフ!
すると、巨大なコンケーブがある事さえ忘れてしまう程、軽快なテイクオフで走り出してくれた。
「噂とは違うなぁ」、「思ったより走るじゃないか」、これがこのボードの初体感である。
ボトムターンもご覧の「?」なフィンがシッカリと機能してくれて軽快なライディングを楽しませてくれた。
頭(ノーズ)のデカさに対して尻(テール)がタイトなので加速するまでは少々ブレる様な感覚だが、俺レベルの人間が適度のノーズを楽しむには充分過ぎるボードである。
チョップされたノーズに足を掛けるまでにはある程度の乗り込みが必要となるだろうが、暫く乗り込んでトライしてみたいものである。
先週のチップと云い、このリドラーと云い、やはり、タイラーのボードには不思議な魅力が詰まっている様な気がする。
チューイングガムではないが、噛めば噛むほど新しい発見を感じられそうなこのディケールに暫く身体を預けてみるのも悪くは無いかも知れない。
Keep Surfing!!!!!