ジェリー・ロペスと並び、サーフィンの神様と謳われているジョン・ペック・・・
ジョン・ペックのサーフボードが気軽に日本で入手出来るまでは「生涯生産本数100本以下・・・」であったが、今ではそれを遥かに超えた本数が世に出回っており、あの時代のサーフィンに心を奪われた漢達には高揚する程「有難い」事となっている。
そんなジョン・ペックの代名詞と云えば・・・
彼がモーリ―ポップのライダー時代に誕生したペネトレーターである。
トム・モーリーが考案し削り上げたと云われるヴィンテージペネトレーターは、その後ジョン・ペックによって様々な改良が成され、現在では様々なペネトレーターが存在する。
こちらはシーコングの田中さんから譲って頂いたペネトレーター・・・
元々はジョン・ペックがロビン・キーガルの為に削ったボードなのだが、オリジナルペネトレーターと比べると全く別物に見えなくもない。
同様に、こちらのペネトレーターもそうだ・・・
こちらは俺がオーダーしたペネトレーターだが、オリジナルと比べると幾分ワイドにも見えなくはない。
その他にもガンタイプのペネトレーターやら様々な種類が存在する様だが、要はジョン・ペックが削ったサーフボードは全てが彼の魂が混入されたペネトレーターであると理解した方が良さそうだ。
そんな、ペネトレーターを長年ガレージに放置して置いた事は以前も綴った通りだが、先日、ようやく進水式を敢行する事が出来た。
この日は面ツルのハラムネサイズ。
ペネトレーターの進水式には最適なコンディションであった。
早々にボードを小脇に抱え、そして、ファーストタッチならぬ、ファーストテイクオフ・・・
初感としてはテイクオフが速いと云うよりはボードが軽い?と感覚で、ものの見事にボードが走り出してくれた。
爽快な滑り出しの後に感じたのは強烈な浮遊力であった・・・
ノーズスリップチェックに足が掛かると「ふわぁ・・」っと浮き上がるような・・・
まるでノーズライダーの様な感覚だった。
更には、6対4比率のダウンレールが機能しているせいか?
テールを踏み込まずとも勝手にボードが進みたい方向に連れてってくれる様な感覚は、日頃、PIGやヴィンテージに身を任せている者にとっては摩訶不思議な感じにも思えた。
この日は波も良く、ひょっとしたら、「これって、ボードのせいではなく波のせいかな?」と、自身の技量が解るだけにボードが齎せてくれた至高のひと時に良い意味で「自分が駄目になる」ボードだと思えてしまう程であった。
この感覚が自分だけのものなのか?
実は、この日は友人も同様にペネトレーターのファーストタッチデーだったので、海から上がり2本並べながらのボード談議の中で「自分が上手くなった錯覚に陥る・・・」と開口一番が出る程であった。