ついこの間、世界中から「Happy New Year」の声が届いたばかりなのだが、気が付けば1月も残りわずかとなってしまった。
遅ればせながら本日より2023年のブログ初投稿をさせて頂きたいと思います。
改めまして、新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
と、前置きはこの位にしておいて・・・
早速、いつも様に綴って行きたいと思う。
PIGの第一人者として世界中に知られているマイク・ブラックには理想のPIG像がある。
それはデッドフラットデッキを始め、様々な仕様があるのだが、彼が最も拘るのがハーフムーンの付け位置である。
1990年代にデイル・ベルジーがPIGのリプロダクトボードとして世に打ち出したニュートラディッショナルはハーフムーンが大幅に前方に付けられていた。
これはPIGでありながらも操作性に長けた仕様にしたせいか?少々解せない見栄えとなってしまっている。
しかし、この時代はオンフィン自体が非常に稀であった事からそこにフォーカスする者も殆どおらず、いつしか、PIGであろうとフィンが前方に装着される傾向が根付き、ハーバーやウェーバー、オーレと云った老舗レーベルでも同様であった。
(こちらはハーバーのレプリカPig)
そんな状況に一石を投じたのがマイク・ブラックである。
自身初のシグネチャーとなったビングからリリースされたPIGには略最後尾にフィンが装着されていた。
また、その後にリリースされたジーン・クーパーによるシグネチャーPIGはテールエンドに装着されており、マイク理想のPIGの原型が出来上がって来た。
しかし、それはあくまでもマイクの理想論・・・
果たしてビンテージのハーフムーンはどうなっているのだろうか?
ふと、そんな事が頭を過りガレージから数本のビンテージPIGをセレクトしてみた。
奥からウェーバー、ベルジー&ジェイコブス、ベルジー、ビング、ベルジー、一つ飛んでジェイコブスと云った顔ぶれである。
これらのビンテージのフィン位置にフォーカスしてみると・・・
意外に面白い事が判った。
まずはウェーバーこの位置である。
上記のハーバーほどではないがやや前方に着けられているのが判る。
お次は1959年製のベルジーである。
フィンが斜行する様に装着されている為テールから大きく食み出してはいるがジーン・クーパーのPIGの様な最後尾で無い事が判る。
そして、こちらは1957年製のベルジー&ジェイコブスである。
こちらのボードも上のベルジー同様にテールから食み出しながらもやや前方に着けられている事が判る。
一方のこちらはビングのボードである。
こちらも同様で斜行しつつもセッティング位置はやや前方になっている。
少々驚きなのがこちらのベルジーである。
これまでのビンテージと比較するとかなり前方に着けられている事が判る。
そして、最後はジェイコブス。
こうして様々なビンテージを目にして行くと一つの答えが見えて来る・・・
キックテールが一般的になっていなかったこの時代、フィンはテールから食み出ている方が操作性に長けると思われていた。
しかし、その付け位置は非常に曖昧で要は適当なのだと。
モノ作りにおいて「アメリカはインチ文化なのでセンチ文化で育った日本人には理解できない事が多々ある」と耳した事があるが、このフィンの付け位置もお国柄なのであろう。
しかしながら、ジーン・クーパーのPIGの様にしっかり最後尾に装着されているハーフムーンを見ると・・・
やはり、「PIGのフィンは最後尾が美しい!」と思えてしまうから不思議なものである。
クラシック系のロングボードは歴史がある。
その歴史をオマージュとして捉えて現代に蘇させられたボードには多大な浪漫を感じる。
眺めても楽しい、乗っては更に楽しい、これはクラシックロングの特権ではなかろうか?
Keep Surfing!!!!!