以前、何処かの誰かに聞かれた事がある。
「何故、ロングボードなのか?」と。
「短いボードの方が取り回しがし易く楽しいのでは?」とも。
ロングボードを好む理由は色々とある。
あの時代の文化が好きだから・・・
大きなフィンが好きだから・・・
そして、こんな事も頭を過った。
「語り継ぐ事が出来るから」
ミッドセンチュリーに誕生したサーフボードはいつしかロングボードというカテゴリーに区分された。
PIGが誕生した1950年代後半、その長さの主流は8.6フィートだった。
しかし、‘60年代のノーズライダーの台頭と共に10フィートオーバーの巨大なボードがビーチを埋め尽くす様になる。
そして、時が流れナット・ヤングのマジックサムが登場するとサーフボードは一気に短くなって行きロングボードは終焉を迎える。
こうしてロングボードの流れを振り返ると、その黄金期は僅か10年前後である。
デイル・ベルジーがサーフィンにマニューバを齎せてからの文化を見て行くと、サーフィンの歴史はロングボードよりも遥かに短いボードに分がある。
にも拘わらず、ロングボードには浪漫が溢れていると感じるのは何故だろうか?
考えれば考える程、やはり、そこには「語り継ぐ事が出来るから」に辿り着いてしまう。
最初に誰が購入したのだろうか?
どうして、それを手放したのだろうか?
そして、次のオーナーは何故それを選んだのだろうか?
そんな系譜を辿って行く事が出来るのもロングボードの魅力だったりする。
昨年、俺のロングボードライフを長年に渡って支えて下さった恩人が天に旅立った。
突然の訃報に衝撃が走った直後に様々な感謝が頭を過った。
クラシックボードに導いて頂きありがとうございます。
ビンテージの素晴らしさを教えて頂きありがとうございます。
カリフォルニアの友人達を紹介して頂きありがとうございます。
沢山のサーフボードをお譲り頂きありがとうございます。
そして、サーフィンの楽しさを教えて頂き本当にありがとうございます。
あなたから譲り受けたボードを必ず次の世代に伝えます。
次回の更新では恩人から譲り受けたご覧のボードを紹介したいと思う。
Keep Surfing!!!!