「始まりのボード」と称されるPIG。
このPigがビーチを網羅していたのは僅か数年間だけであったが、その数年間に様々な容姿へと変貌し続けたのがPigの面白い所である。
Pigは現代サーフィンに取り残されない様に懸命に進化をし続ける事を望んだが、結果、後に登場するノーズライダーやステップデッキと云った新顔に海での勢力図を変えられてしまった。
インスタグラムにも投稿したこの一葉・・・
長さは俺サイズである事から大凡9.10ft前後の3本立ち並ぶ。
サーフボードでも車でもバイクでもそうだが、たった1本、1台のビンテージではその詳細を語る事は出来ない。
今と違って、古き良き時代のモノ創りにはどうしても「人の癖」が製品に反映さててしまう傾向がある。
デイルベルジーが桟橋でマリブチップを削っていた頃は当然ながら、それら全てが「ベルジーメイド」のサーフボードばかりであった訳だ。
しかし、ジェイコブスとタッグを組むようになると同じマリブチップでもジェイコブスの癖が反映されたチップ、ベルジーの癖が反映されたチップが存在して来るようになる。
昨今のカリフォルニアのコレクターの間ではチップばかりを集めて「ベルジーとジェイコブスの癖」を研究し合う猛者達が現れたとか・・・
しかし、Pigが誕生してからは状況が少々異なって来る。
そう・・・
ベルジーとジェイコブスの下には多くの若きサーファー達がシェイプを手伝う様になり、バルサ末期の時点ではシェイパーの判別は限りなく難しいとされている。
そして、この流れがマシーンシェイプが普及するまで続く事になるのは周知の通りである。
画像に挙げた3本のPig・・・
果たして誰が削ったのであろうか?
ロバート・オーガストであろうか?
ランス・カーソンであろうか?
はたまた、ジェイコブス本人であろうか?
そんな浪漫を考察できるのもビンテージPigの面白い所である。
次回の更新では、そんな浪漫溢れる3本のPigを比較してみたいと思う。
Keep Surfing!!!