気が付けば7月も半ばに差し掛かろうとしている・・・
コロナ禍で右往左往している間に気が付けば1年の半分が終わってしまっている。
なんとも解せない2021年でではなかろうか?
まぁ、そんな愚痴はどうでも良いのだが、これまで数回に渡って綴って来たダ・キャットの完全復刻であるが、今日はその全てをお披露目したいと思う。
このボードを手掛けてくれたのはヴェンチュラを拠点にシェイプとラミネートに精を出しているアダム・ダベンポートである。
アダムの受託の条件は先日の更新でも綴ったが、最後に付け加えられた1つがあった。
それは「二度と創らないからね!」を念を押された事だ。
アダムの言葉の意味は非常に理解出来るので、恐らく彼にとっては最初で最後のダ・キャットになるのではないだろうか?
そんな、アダム渾身のダ・キャットをご紹介します。
スコット・アンダーソンが有していたコレクションがアリー、ダ・キャットだった事からそのアウトラインは完全にPIGである事が判る。
これがレイトモデルとの決定的な違いなのだ。
そこに薄っすらと抉られたノーズこそがダ・キャッの本来の姿なのである。
極僅かにしか存在しないヴィンテージ、ダ・キャットのこの部分には多くのファブリックが施されている訳だが、俺に限ってはこの部分にデッドストックのフィリクス・ザ・キャットのファブリックを宛がえてもらいたく、日本から送り届けた経緯が思い起こされる。
元々はカーテンの生地として売られていたこのファブリックも40年以上の時を隔ててノーズに収まった訳だから感慨深いものを感じてしまうのは俺だけであろうか?
このファブリックもいつの日か焼けて原色とは異なった色味を見せてくれる事だろう。
ボトムに目を移していくとダ・キャットを象徴するチャンネルが入っていない事が一目で判る。
このボトムの仕上げこそがアーリーモデルならではの仕様であり、最大の魅力ではなかろうか?
そして、そこにオンされたダベンポートのディケールが妙にマッチしているから感慨深いというものである。
仕上げはこのフィンである。
数多くのボードメーカーからコピーが生まれる程の名品と称えられているフィンである。
ヴィンテージのダ・キャットフィンは現行と比べるとレイク角度が緩やかになっているのが特徴で、ご覧のレプリカダ・キャットのフィンと比べても全く異なったアウトラインとなっている。
急ぎ足での紹介となったが、この続きは進水式を敢行した後にレビューとして改めて紹介したいと思っているので、引き続き興味を持って頂ければ幸いです。
そして、このダ・キャットネタを更新している最中に生みの親でまるグレッグ・ノールが他界してしまいました。
彼のボードはヴィンテージを含め4本ほど有しているが、機会があればそれらを一堂にして綴ってみたいと思っているが、今は彼の冥福を心から祈るばかりです。
R.I.P