ここの所、どうも波に恵まれない。
日頃通っているポイントは東の風に弱く、この時期になると中々良いコンディションの波に恵まれない。
この日もそうだった・・・
後輩と満を持して期待していた「The Day」は無残にもジャンクコンデョション。
途方に暮れかかっている所に後輩が「ボードの整理でもしましょうか?」と声を掛けてくれた。
本来は年明けに知人らと行う筈だったボード整理だったが、気の抜けた身体に刺激を与えるには丁度良いと思い後輩と二人で足が縺れ、息が切れる程の状態で棚上げされていたバルサ群を下した。
いやいや・・・あるなぁ。
数える事、2桁。。。
これに別な場所にストックしてあるピーターのバルサがある訳だから馬鹿さ加減も天に達してしまったのかも知れない。
まぁ、それは良いとしても、自分自身でもここまで一気にバルサを並べた事はなかったので、ここは一つバルサの奥の深さを探求してみようではないか。
バルサボードの良し悪しは人其々だがヴィンテージに習ってバルサを見て行くと、やはり、究極体はソリッドバルサになるのではないだろうか?
以前、ベアーのバルサを削って貰ったロジャー・ハインツの話しでは、「近年、良いバルサ材が本当に少なくなった」、「エクアドル産が比較的良いが長いさと太さを求めると入手には時間が掛かる」と教えてくれた。
「この長さと太さ」こそが、実はバルサボードの良し悪しを決めるのではないかと俺は思っている。
と云うのも、先日の更新で綴ったが、この繋ぎ合わせたバルサのストリンガー・・・
実は、バルサボードを熟知してないシェイパーの中には、この様な継ぎ接ぎ状態のバルサを用いてしまう事がある様だ。
サーフボードの性能を図る上では何ら問題はないが、大枚を叩いて手に入れた折角のバルサが継ぎ接ぎでは少々残念ではなかろうか?
最も気にしなければそれに越した事は無いが、俺的には気になるポイントなので今後バルサの入手を考えている方には参考にして頂けらたと思う。
また、こちらの画像を見てみると太さについても面白い事が判る。
このバルサは1950年代にベルジー&ジェイコブスによって創られたマリブチップなのだが、なんと、組み合わされているバルサ材は僅か4本!
一方のベルジーが他界する数年前に同じくベルジー&ジェイコブスによって創られたこちらのバルサ・・・
組み合わされたバルサの数を数えてみると・・・
8本!
1950年代には長くて太いバルサがゴロゴロとあったのが、半世紀の時を隔たて事によって倍もの組み合わせとなっているのだ。
これがロジャーの云う所の「良いバルサが無くなっている」の根源なのである。
因みに、愛機であるピーターのバルサがだ・・・
なんと、僅か6本である!
手に入れた時にも凄いと思ったが、こうして様々なバルサと対比してみると改めて、その質の高さに驚かされた。
また、バルサボードの中には細い木材のデメリットをメリットに変える為に、ご覧の様なストリンガーを施した装飾性の高いバルサボードを手掛けるシェイパーもいる。
これらのバルサは、まだ俺自身がバルサボード自体良く解っていなかった時期に入手した・・・
いや、正確に云うならば「バルサなら何でも良かった」と、思って入手した時代に手に入れたボードである。
一言にバルサボードと云っても非常に奥が深く、何を以てして「良いボードなのか?」は人其々だが、こんな蘊蓄を基本ベースに徐々にではあるが順次紹介して行きたいと思う。
Keep Surfing!!!!